ページが見つかりませんでした – カイゼンベース / KAIZEN BASE https://kaizen-base.com 年間120万人が利用中!現場力向上・人材教育を支援するWEBサービス Fri, 16 Feb 2024 00:47:13 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.9 https://kaizen-base.com/wp/wp-content/uploads/2021/11/cropped-fav-32x32.png ページが見つかりませんでした – カイゼンベース / KAIZEN BASE https://kaizen-base.com 32 32 eラーニングでも活用可能!人材開発支援助成金について https://kaizen-base.com/column/38671/ Thu, 15 Feb 2024 11:09:13 +0000 https://kaizen-base.com/?p=38671 eラーニングの普及と助成金について

働き方の見直しや人材育成への投資の重要性から、ここ数年でeラーニングの普及が拡大しています。
人的資本経営の観点からも人材教育の必要性を強く感じていらっしゃる人事担当者・教育担当者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そうした背景の中、特に中小企業に対しeラーニングの導入を政府や自治体が支援する取り組みが進んでいます。本コラムでは、eラーニングの導入で利用が可能な人材開発支援助成金について紹介します。

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金とは、企業や個人事業主が労働者の職業訓練等を行なった際に、厚生労働省が経費や賃金の一部を支援する制度です。
2022年4月よりeラーニングによる訓練も助成金の支給対象になり、上手く助成金を活用しながら社内のスキルアップを図る企業が増えてきています。また、2023年4月に制度の見直しも行われ、より利用しやすくなっています。

人材開発支援助成金には7つのコースがあり、そのうちeラーニングが対象となるコースは「人への投資促進コース」、「人材育成支援コース」、「事業展開等リスキリング支援コース」の3つです。各コースの要件はそれぞれ異なるため、自社に適したコースでの申請が必要になります。ここでは特にeラーニングで活用しやすい助成金、サブスクリプション型のeラーニング研修を対象とした「人への投資促進コース:定額制訓練」
について詳しく解説していきます。

※本コラムの内容は2024年2月15日現在、厚生労働省が公開している情報をカイゼンベースでまとめたものとなります。制度の詳細や最新情報は厚生労働省HPをご確認ください。また、申請の際は各都道府県の労働局へお問い合わせください。厚生労働省HP 人材開発支援助成金

人への投資促進コース:定額制訓練とは

人への投資促進コースの定額制訓練は、定額受け放題研修サービスを助成対象としています。ここで言う「定額受け放題研修サービス(定額制サービス)」とは、1訓練当たりの対象経費が明確でなく、同額で複数の訓練を受けられるeラーニングで実施されるサービスのことを指します。 また、「eラーニング」は、LMS等により、訓練の進捗管理が行えるものを指しているため、動画視聴のみを目的とした動画配信サービスでは「eラーニング」に該当しない可能性がありますので注意しましょう。

助成金支給の流れ

助成金の支給を受けるためには、「事業内計画の作成」「計画の提出」「訓練の実施」「支給申請」上記4つのステップが必要です。計画の作成時には、社内で職業能力開発の取組みを推進するキーパーソンである「職業能力開発推進者」を選ぶ必要があります。

助成金申請のステップ

対象となる訓練内容

  • 定額制サービスによる訓練であること
  • 業務上義務付けられ、労働時間に実施される訓練であること
  • OFF-JTであって、事業外訓練であること
  • 各支給対象労働者の受講時間数を合計した時間数が、支給申請時において10時間以上であること

時間数は、実際の動画の視聴等の時間ではなく、標準学習時間(訓練を習得するため通常必要な時間として、あらかじめ受講案内等によって定められている時間)により時間数をカウントすることになっていますので、受講案内等をよく確認しましょう。

助成額

助成額は、中小企業で60%、大企業で45%です。賃金要件・資格等手当要件を満たした場合はさらに+15%となりますので、中小企業で最大75%、大企業で最大60%となります。
また、1事業所1年あたりの限度額は2500万円です。
「人への投資促進コース」は2022年12月に助成限度額が+1,000万、助成率もそれぞれ+15%と大きく引き上げられています。上手に活用することで大きく負担を軽減させることができる制度と言えます。なお、定額制訓練の助成では受講者一人当たりの限度額の設定はありません。

助成対象経費

助成対象となるのは、eラーニングの基本経費と、その他オプション経費です。訓練に直接要する経費が助成対象となりますので、例えば、「初期設定費用」「アカウント料」 「管理者ID付与料金」「修了証の発行」「IPアドレス制限機能」「データ容量追加料金」 「LMSの管理者研修」などは助成対象になり得ます。一方、訓練に直接要する経費以外のものは助成対象外となります。例えば、「タブレットレンタル」 「ルーターレンタル」「LMSの入力代行サービス」などは対象外となります。予算を検討する際には注意しましょう。

eラーニングに関連して提出が必要な書類

定額制訓練では、計画提出時・支給申請時に助成金に共通して提出が必要になる書類や訓練対象者に関する書類等に加え、eラーニングに関連した以下の書類が必要となります。

訓練計画届出時に必要な提出書類

  • 提供される講座の一覧および内容が分かる書類
  • 定額制サービスによる訓練であることを確認するための書類
  • LMS等により訓練の進捗管理を行える機能を有していることを確認するための書類

支給申請時に必要な申請書類

  • eラーニング訓練実施結果報告書(様式第8-4号)
  • 受講を終了したことを証明する書類(修了証(写)など)
  • 訓練の実施状況が分かる書類(LMS情報(写)など)

まとめ

いかがでしたでしょうか?
本コラムで紹介させていただいた「人への投資促進コース」は人材開発支援助成金の中でも2022年度~2026年度の期間限定助成です(2024年2月時点)。
人材開発の重要性が見直しされている今、助成金をきっかけにeラーニングの導入を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
カイゼンベースのLMSでは、受講者の進捗状況の確認はもちろん、受講者様ごとコースの修了証の発行も可能です。カイゼンベースのeラーニングが学習し放題の「スタンダードプラン」では、必要な人に、必要な分野の質の高い教育を、必要なタイミングでご提供することが可能です。
eラーニングだけでなく教育体系(キャリアラダー)の構築から集合型の研修、現場改善まで一貫してご提案が可能ですので、ご興味ございましたら是非お問合せください。

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過剰在庫はなぜいけない?過剰在庫の7つの問題点と原因を解説 https://kaizen-base.com/column/38114/ Mon, 04 Sep 2023 09:18:43 +0000 https://kaizen-base.com/?p=38114 在庫とは

在庫とは、最終的に販売または使用することを目的として、保管・所有しているもののことです。お客様へ出荷・販売する前に保管・保有している完成品はもちろんのこと、加工途中の仕掛品・半製品、製品を生産するための原材料・部品も在庫として扱われます。

在庫とは

製造業では在庫を保有することは良くないこと、というイメージが強いかもしれませんが、在庫を保有することで生産量を確保し欠品を防いだり、予め在庫を作り貯め生産量を一定に保ち、無理な残業や稼働割れを防いだりすることができます。
在庫には必要な役割があるにも関わらず、なぜ在庫を多く抱えることが良くないと言われているのでしょうか。本記事では過剰在庫の問題点とその原因を解説します。

過剰在庫の問題点

前述したとおり、在庫には必要な役割があります。しかしそれと同時に、在庫を持つことによるデメリットも存在します。
以下、過剰在庫の7つの問題点を解説します。

過剰在庫の7つの問題点

資金回転率低下

在庫として仕入れた資材や商品は、販売することで初めて現金を回収することができます。いくら完成品の在庫を多く持っていたとしても、保管している間は資金にはならず、仕入れに使った現金の回収もできません。在庫としてため込み販売できない場合、お金が在庫として滞留するため、資金繰りが悪化してしまうことになり資金回転率が低下してしまうのです。
また、管理上は在庫という名目ですが、在庫は現金化されていない資産と同じです。不用意に在庫を抱えることで、課税対象として扱われることがあることも注意が必要です。

金利負担増大

材料や商品を購入する際借り入れをしている場合、金利(借入利息)を支払う必要があります。不要な在庫を持ちすぎてしまうことで、金利負担が増えてしまいます。

作業・運搬増大

在庫を抱える場合、保管のための作業や運搬など管理のための作業が必ず発生します。在庫の出し入れや棚卸などの細かな付帯作業は付加価値のないムダな作業と言えます。在庫を持つことで作業の工数が増えてしまうことも問題です。

スペースのムダ使い

在庫を持ちすぎれば、保管の為のスペースをムダに使ってしまいます。保管場所確保のために倉庫代等の費用がかかるだけでなく、倉庫管理のための人件費も問題としてとらえておかなければいけません。

エネルギー費増大

保管する為に空調等を使用する場合は、エネルギー費も在庫の量に比例して必要になってきます。電力のほかにも、運送に要する燃料費等その他の多くのエネルギー資源を浪費してしまいます。

陳腐化による廃棄

在庫が多くなれば、その分保管期間が長くなります。長期保管による経年劣化で陳腐化してしまうと商品価値が低下してしまいます。更に、最終的に廃棄ロスとなることになれば破棄のためのコストも含め大きな損失となります。

問題が隠れてしまう

過剰な在庫は、生産を阻害するような問題が発生した場合に、問題を表面化させず隠してしまう性質もあります。例えば、生産計画の精度が悪くても顧客に迷惑が掛からないために対策が遅れてしまったり、製品の破損や損失に対する危機意識が薄れてしまったりするケースです。問題に気づく機会を逃してしまうことも過剰在庫の問題点と言えます。

以上のような問題点が過剰在庫の引き起こす主な問題点と言えます。様々な角度から問題点を列挙しましたが、多くの問題は管理費に影響してくると言えます。
管理費は、平均で在庫総額の約25%発生するとも言われています。中でも人件費は10%程あり、在庫そのものの金額だけではなく、管理コストという視点からも在庫と向き合っていく必要があります。
在庫を過剰に持つことで、様々な問題が発生してしまうことを認識することが大切です。

なぜ在庫が増えてしまうのか。在庫が増える理由

では、なぜ在庫は増えてしまうのでしょうか?在庫増加の原因には、以下の7つがあげられます。

  • 客先要求とリードタイムが合わない
  • 見込みとのズレ
  • ロットまとめ生産
  • 歩留り、不良率が悪いことによる多めの生産
  • 標準化ができていない
  • 目標指標(稼働率、生産性、損益)達成の為の過剰生産
  • 安心の為の在庫

原因①客先要求とリードタイムが合わない

調達リードタイムが長い、あるいは製造リードタイムが長い場合、客先要求に対応することが難しくなります。その分、在庫を余分に確保することで対応しなければならず、在庫が増える原因となります。

原因②見込みとのズレ

生産計画が予測と同期していない、計画修正の回数が少ない、見込みの精度が悪い、といった見込みの甘さが意図せず在庫を増やしてしまうこともあります。

原因③ロットのまとめ生産

ロット自体が大きいと、材料や部品の発注量が多くなります。当然、製造ロットも大きくなり、多く生産した分、製品在庫も過剰になりやすいといえます。

原因④歩留り、不良率が悪いことによる多めの生産

計画担当者が歩留りや不良率を知らなかったり、歩留り、不良率改善の取り組みが行われていなかったりすると、発注数以上の生産指示をすることになり在庫を増やす原因となってしまいます。

原因⑤標準化ができていない

部品・製品の標準化ができていなければ、様々なバラつきが生じてしまいます。
バラつきを埋めるために在庫を多く持つことに繋がってしまうのです。

原因⑥目標指標達成の為の過剰生産

目標指標の中に在庫削減に対する指標がない、あるいは在庫削減への取り組みがなければ、そもそも在庫に目が向きません。稼働率、生産性、損益等を重視した活動を行えば、過剰生産を行い、極度に在庫が増えることに繋がってしまう場合があります。

原因⑦安心の為の在庫

在庫基準が不明確あるいは適正でなかったり、在庫の状態が見える化できていなかったりすると、在庫に対する責任意識が薄い職場では欠品さえ起きなければよいという考えに陥りがちです。これも過剰在庫に繋がってしまう原因となります。

以上が在庫の増加原因です。
過剰在庫の原因の多くは、複数の部門が関係しており、なかなか改善が進みません。

部品不足のリスクと在庫最適化

カイゼンベースの経験談

カイゼンベースでは、製造業の企業様の業務改善をサポートさせていただく中で、在庫削減や在庫最適化に関するご相談をよくいただきます。最近では半導体不足などのサプライチェーンの乱れによる欠品問題への対応に関するご相談も多くいただいております。

「欠品へのリスクを抱えながら少ない在庫で管理するよりも、どんな状況になっても耐えうる量の在庫を確保することが重要ではないか」

調達に関係する部門の方からこのような疑問が上がってくることもあります。
たしかに、様々な要因から欠品へのリスクが高まっていることは事実です。過去と同じ考え方だけで在庫を管理することは、得策ではないと言わざるを得ません。
しかし、だからと言ってどんな部品や材料も在庫を多く持てば解決するわけではないことも忘れてはいけません。既に説明したように、在庫は問題を隠します。効率を下げます。ムダを上手く隠し非効率性を促してしまうことにより、結果的に現場の管理レベルを落としてしまうのです。

では、このような時代に、どのように在庫を管理していったらよいのでしょうか?
それは、「通常管理下の在庫」と「欠品リスク下の在庫」を明確に区分して管理することです。

通常管理下、つまりサプライチェーン上のリスクが小さい部品や材料に関しては、これまで通り、在庫管理手法を活用し、最適な(可能な限り最少な)在庫を持つように管理していきます。また、前後工程のラインバランスの改善(生産能力GAPの解消)等により、より少ない在庫を追求する活動を継続していきます。

一方、欠品リスクのある在庫に関しては、「戦略在庫」と位置づけ、サプライチェーンの乱れなどのリスクを考慮した在庫量の確保を行います。戦略在庫に位置付けられている間は、定期管理頻度(使用状況や正確な現在在庫数の把握)を上げます(場合によっては毎日管理します)。多少工数が掛かったとしても、常に先を読みながらリスクを減らすための必要な最善の努力を行います。
そして、市場環境が変化し、欠品リスクが下がった場合には、戦略在庫から外し、通常在庫として管理を行っていきます。
ちなみに、実は戦略在庫に位置付ける判断は意外と難しくないのですが、戦略在庫から外す判断が上手くできていないケースが多々あります。一度欠品リスクを味わった部品や材料には、心理的な不安が消えないことが1つの要因です。
そのため、例えば「入荷予定と入荷実績の乖離が〇%以内の期間が2か月以上続いたら戦略在庫から外す」などのように、あらかじめ基準を作っておくことが大切です。

市場環境の変化が大きい現代、一律な考え方や管理方法では変化に適応できません。在庫管理に関係する複数の部門の関係者の知恵や情報を活用し、柔軟かつ基本に忠実な在庫管理を継続することで、在庫最適化を目指していきましょう。

在庫管理について学ぶ!学習コースのご紹介

カイゼンベースの学習コースでは、在庫管理に関する具体的な内容を動画や理解度テストにより学習することが可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コースの概要「k3-51:在庫管理と在庫削減の進め方」

在庫管理の基本を学び、実務で在庫削減を実践できるレベルを目指すコースです。
在庫管理の全体像、専門用語、在庫削減の考え方や進め方を身に付け、職場の困りごとを解決するために、日常活動やプロジェクト活動に取り組んでいきましょう!

学習コースの内容

Lesson1:在庫管理の重要性(前編)(8:07)
Lesson1:在庫管理の重要性(後編)(12:08)
Lesson2:在庫管理の進め方(前編)(11:21)
Lesson2:在庫管理の進め方(後編)(10:25)
Lesson3:発注方式と安全在庫(前編)(12:04)
Lesson3:発注方式と安全在庫(後編)(11:47)
Lesson4:ロケーション管理と在庫最適化(17:26)

学習コース情報

学習コース区分:法人向けコース・個人向けコース
受講対象者:全部門(係長,次長・課長)
動画再生時間:約1時間24分
想定学習時間:約2時間28分
教材の構成:動画コンテンツ7ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1a:在庫管理の重要性(前編)」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson1b:在庫管理の重要性(後編)」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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品質不具合を防ぐ変化点管理とは?5M+1E、3H管理がポイント! https://kaizen-base.com/column/37007/ Wed, 28 Dec 2022 08:33:15 +0000 https://kaizen-base.com/?p=37007 変化点管理の落とし穴

生産活動の中では、日々様々な変化が起きています。
変化によって、正常な状態であった現場が異常な状態に陥ることもあります。
そして、異常な状態で生産活動を続けることで、品質不具合発生に繋がることもあります。
このような変化に対して企業では、様々なルールを作成し、品質不具合の未然防止を行っているかと思います。

それにもかかわらず、現場の品質不具合の原因のほとんどは、何らかの変化によって異常な状態になってしまい、その中で生産を続けたことによるものです。
ルールはしっかりと整備されているのになぜ品質不具合が発生してしまうのでしょうか?
それは、変化を変化として認識できず、見逃してしまうことがひとつに考えられます。
本コラムでは、変化を見逃さないためにはどうすればいいのか、何に注意すればいいのかについて解説していきます。

変化点について

変化点とは

まずは、変化点について理解しましょう。
変化点とは、製造工程において何かを変化させた時のことを言います。
作業者の配置転換や、設備の変更、異常気象といったことも変化点であると言えます。

つまり、仕事や作業をしている時に、いつもと違うこと、いつもと変わったことがあった場合にはそこが変化点です。

異常とは

変化点と似た意味でよく使われるのが異常という言葉です。
実は、この2つの言葉の位置付けは異なりますので注意して覚えておきましょう。

何かを変化させた時の変化点に対して、その中でも「明らかに普通とは違っている」変化、「誰もが正常ではないと思う」変化が異常です。
また、変化が生じた後に連鎖的に発生する「明らかに普通とは違っている」変化、「誰もが正常ではないと思う」変化も異常です。

もし、工程の中で何らかの変化があったとします。
先ほど述べたような、作業者の配置転換や、設備の変更等これまでと違ったことを行ったり、異常気象等これまでと異なった状況であった場合は、異常が起きやすくなります。

異常とは、正常ではない状態であるわけですから、不良の発生や何らかの失敗などの問題が起こりやすくなるのです。
つまり、何か変化があった時(変化点)は異常を起こすきっかけになるのです。
目の前に見えている異常だけではなく、そのきっかけとなる変化点も不良に繋がる危険性は同様であると認識しなければいけません。

変化点は異常を起こすきっかけ

変化点管理とは

つまり変化点管理とは、変化点をうまく捉え、コントロールすることで不良等の異常の発生を未然に防ぐことです。

作業前や作業中に変化点となるようなことがないかしっかりと観察、確認し、確実に変化点を認識することで、必要な行動を取り、あらかじめ不良が起こらないようにすることが重要です。

確実に変化点を認識するには

ここまで説明した内容を理解していたとしても、現場では認識しきれない変化点が多く存在します。
なぜでしょうか?

その原因のひとつが、冒頭で説明させていただいた変化に対する認識不足です。

ある人には些細なことでも、人が違えば変化として受け止める場合もあります。
この認識誤差が、変化に対する認識不足となります。

認識には、個人差(感性・経験)があり、いくらルールを作成しても補いきれません。
この認識の誤差を補う為には、管理基準が必要です。
ルールを作成することと同様に非常に重要です。

この管理基準をどこまで作りこむかが、変化の認識誤差、つまり変化の認識不足をどこまで埋めることができるかに繋がってきます。

管理基準の作成について

5M+1Eについて

管理基準を設定する前に、管理項目を決めなければいけません。
そこで重要となるのが5M+1Eの考え方です。

5M+1Eとは、人(Man)、設備(Machine)、材料(Material)、方法(Method)の4Mと、測定(Measurement)、環境(Environment)の1M+1Eです。

この2つを合わせた5M+1Eの切り口で管理項目を検討し、設定していくことが変化点管理の基本です。

5M+1E

3H管理について

5M+1Eの他にも、押さえておきたい管理ポイントがあります。

それは、3H管理です。

3Hは、「初めて」「久しぶり」「変更」の頭文字を取ったものです。
この3つのタイミングで、顕著に変化が発生します。

3H管理とは、3Hのタイミングでそれぞれ適正な管理をすることです。

3Hの状態では、「ばらつき」や「変動」が高い確率で発生するため、変化点管理の必須管理ポイントです。

3H管理

管理基準表

ここに「5M+1E」と「3H」を複合的にまとめた管理基準表の例を記載します。

この表を基に、5M+1Eと3Hの各々で管理基準やルールをどのようにするかを漏れなく定めていくことが、変化の認識不足を補う第1歩です。

変化点管理を進めていくことで未然のトラブルを素早く察知し、影響を最小限に留めることができるようになります。
管理基準に関しては、製品や工程により難易度や必要性が異なるため、それぞれの職場に合った形の管理基準を定め、運用・運営をすることをお勧めします。

初めて Hajimete 変更 Henkou 久しぶり Hisashiburi
Man
(人)
新人
(新卒・中途・パート・派遣)
配置転換 職場復帰
Machine
(設備)
新規導入
(設備・金型・治具・他)
修理・仕様変更 有休品再稼働
Material
(材料)
新規材料 材料変更
メーカ変更
長期保管材料使用
半年以上ぶりの仕入れ
Method
(方法)
初めての製造・管理 製造・管理条件変更 半年以上ぶりの作業
Measurement
(測定)
初めての測定・計測・検査 検査・測定条件変更 半年以上ぶりの検査
Environment
(環境)
新工場での生産 工場、ライン移管 有休ライン再稼働

変化点管理の進め方

変化点の種類

製造現場で日々生産を進める中で、製品の品質特性の変化が現れたとします。

これを「結果系」とすると、「要因系」として、意図しない変化と意図した変化に分類されます。

意図しない変化とは、管理対象の予期しない変化、管理対象外の予期しない変化、未知の変化に分類されます。
このような予期しない、意図しない変化は、注意していないと見過ごしやすく、結果として製品の品質特性の変化として現れる形が多いです。

意図した変化とは、設計変更による変化、現場改善による変化、日常の工程変更に分類されます。

意図した変化から意図しない変化が発生する可能性もあるため、どちらとも変化点管理の対象となります。

製造現場における変化の分類

意図しない変化のことを突発的変化点、または変化点と呼び、意図した変化のことを計画的変化点、または変更点と呼びます。

突発的変化点と計画的変化点

突発的変化点変化点管理の進め方

まず、管理対象を決定します。
大きなトラブルになりそうなもの数項目を選び出します。

次に、管理方法を決定します。
管理項目をどのようにモニタリングするかを決定します。

モニタリングを通して、変化傾向が見られたら異常領域まで達していないか確認します。

異常領域まで達していたら変動要因の特定を行います。
QC7つ道具や統計手法、問題解決手法を用いて真因を特定します。

※QC7つ道具については、下記ページで詳細を解説していますので、内容に自信の無い方はチェックしておきましょう!

こちらをチェック!

[reg-bnr] 本ページで学べること 本ページでは、QC7つ道具の各手法の概要とポイント、手法の活用の際に欠かせない視点である層別について解説をしています。 QC7つ道具とは(QC 7 tools) QC7つ道具とは...

QC7つ道具

そして、特定した要因に対して変動対策を実施します。
根本対策を意識して、複数の対策が必要な場合は複数対応していきます。

最後に、妥当性確認です。
管理図や管理ボードを用いて確認します。

以上が、突発的変化点管理の一般的なフローです。

突発的変化点管理の進め方
特に、変動要因の特定では要因となる変化点を見逃さないためにも、こちらに記載したような5M+1Eの要因を表にして見える化された状態で、洗い出していくことが重要です。

5M1E Man
(人)
Machine
(設備)
Material
(材料)
Method
(方法)
Measurement
(測定)
Environment
(環境)
変化点例 作業者変更
(応援)
チョコ停 ロット変更 加工条件 計測条件 温度
作業者変更
(新人)
段取り変更 仕入先変更 作業手順 計測制度 湿度
タクト変更 刃具交換 異品・異物混入 運搬方法 校正・点検 気圧
人数変更 劣化・寿命 使用・保管期限 荷姿 抜き取り頻度 天候
連休明け 始業時 副資材変更 保管方法 検査規格 クリーン度
始業・終業時 点検・保全後 汚染 レイアウト ゲージチェック 振動
久しぶり 型交換 荷崩れ ポカヨケ 官能検査 照明度

計画的変化点管理の進め方

最初は、対象項目の変化内容整理です。
変更対象に変化が発生したらその内容を整理するステップです。
第三者にも容易に理解できる形で内容を整理することがポイントです。

次は変更管理基準照合です。
変更管理基準と照合し、変更管理の要否を判断するステップです。

そして関係部門と事前調整を行います。
関係部門と変化点管理の実施に向けた調整を実行するステップです。

事前調整後に変更審査会を開催します。
変更内容の審査またはDRを行い、承認を取得するステップです。
前のステップまでに調整した内容や変更対象となる内容が妥当であるか、また致命的な見落としや誤りがないか、更には顧客、取引先への影響はないか等をレビューし、変更管理の実施判断を行います。

次は、初期流動管理指示書(連絡書)の発行と対象工程の初期流動準備です。
承認内容に沿って初期流動管理指示書を発行し、変更管理内容を周知させます。
そして、変更連絡書の内容に沿って初期流動の準備を行うステップです。

最後は、初期流動(生産流動)です。
初期流動の準備が完了し、生産流動が可能なことを確認後、初期流動を開始するステップです。

特に、変更審査会や初期流動のステップでは関係者全員の承認を得ることが重要です。
次のステップに進むためには承認しなければいけないという考えがあると、正しい判断が出来ず、思いもよらない事態を招くことにもなりかねません。
何のために承認ステップがあるのか考えて、厳しい目で判断する必要があります。

以上が、計画的変化点管理の一般的なフローです。

計画的変化点管理の進め方

変化を見逃さない企業体質へ

変化点管理のルールづくり

変化点管理を間違いなく実行するには、変化点管理をきちんとルール化することが重要です。

現場だけでなく、会社全体としてルールを定め、運用することで初めてその会社に変化点管理を行う為の土壌ができたと言えます。

会社によっては、管理文書として、突発的変化点管理(変化点管理)、計画的変化点管理(変更管理)という形で規定を分け、定期的に見直しを図り運営しています。

変化点管理を一過性の管理アクションとするのではなく、文化として定着させることにより、継続的なカイゼンの仕組みが築けるようになり、強い企業体質の醸成に繋げることができます。

そして、変化を見逃さない体質が備わってくるのです。
しっかりとルール化の取り組みと維持をしていきましょう。

変化点管理を行うための環境整備

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変化点管理の詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

品質・生産性を維持管理する変化点管理の進め方の具体的な内容を、動画や理解度テストにより学習することが可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「k2-51:品質・生産性を維持管理する変化点管理の進め方」

変化点管理の進め方を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:変化点管理とは(8:28)
Lesson2:変化点管理の進め方(前編)(10:30)
Lesson3:変化点管理の進め方(後編)(15:15)
Lesson4:変化点管理を行うための環境整備(16:40)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:現場部門, 間接部門, 主任・班長クラス, 係長クラス, 課長クラス
動画再生時間:約51分
想定学習時間:約1時間49分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各レッスン5問,総合テスト 全20問

学習コースの紹介

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:変化点管理とは」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:変化点管理の進め方(前編)」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

 

カイゼンベースのeラーニングは、社会人のマナー講座などの基礎的な内容だけではなく、製造業に必要不可欠な知識を詰め込んだ学習コースまで、幅広く網羅しています。

カイゼンベースは、eラーニングだけではなく、ワーク型研修・実践型研修を支援しております。

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研修の効果を最大化するには?ラーニングピラミッドをもとに解説 https://kaizen-base.com/column/36552/ Mon, 29 Aug 2022 14:43:11 +0000 https://kaizen-base.com/?p=36552

従来型の集合教育の限界とこれからの集合教育の在り方

教育担当者からのお悩みとして、次のようなことをお聞きすることが増えています。

「弊社では定期的に集合教育を行っていますが、教育後に思うように効果が出ません。何か良い教育方法はありますか?」

非常に多くの企業様から頂く質問であり、その背景には従来型の集合教育の限界が見え隠れしています。そしてこの悩みを感じているのであれば、これからの集合教育の在り方を見直す良い機会でもあります。

結論から申し上げると、座学中心型の集合教育「だけ」は学習の効果は5%程度であり、効果が十分ではないと言われています。本ページでは、教育方法と効果(定着度)の上げ方について、ラーニングピラミッドをもとに解説していきます。きっとこの記事を読み終わった頃には、自社で今後取り組むべきことが見えてきているはずです。

教育の方法にはどんなものがある?

それでは、企業における教育の方法にはどんなものが挙げられるでしょうか?
思い当たるものを挙げてみましょう。

  • 集合教育(講義)
  • 書籍を読む
  • eラーニング
  • ワークショップ型研修
  • 外部セミナーへの参加
  • OJT

いずれも一般的に行われている教育方法ですね。さて、これらはそれぞれどのくらいの効果があると思いますか?

ラーニングピラミッドという考え方を用いて、学習方法と学習効果の関係を確認していきましょう!

ラーニングピラミッドとは

ラーニングピラミッドとは、学習方法と学習定着率の順番にピラミッドに当てはめて表したもののことです。こちらに示す図のように、
「講義 → 読書 → 視聴覚 → デモンストレーション → グループ討議 → 実践による経験・訓練 → 他人へのレクチャー」
という順番に学習効果が増していくというものです。

このラーニングピラミッドは、科学的データに基づいたものではなく、あくまで経験則です。ただし、非常に納得感のある経験則であり、この図を見ただけでも「たしかにそうだな」と思うのではないでしょうか。

それではラーニングピラミッドの各階層について、詳細を確認していきたいと思います。

講義

講義は、いわゆる座学的な内容を一方的に説明する学習方法のことです。大学の講義や企業における集合教育はここの階層に該当します。

講義では、学習定着度(学習効果)は5%程度しか期待できないことになります。もちろん、講義が上手な講師により集合教育を行うことで、もっとこの数値を高めることはできますが、それでも何十パーセントにはならないということを認識しておかなければなりません。

読書

読書は、書籍を購入するなどにより、個人毎に知識を学ぶ学習方法のことです。講義よりも「自分の意志で文字を読む」という要素が入っているため学習定着度は少し上がりますが、それでも10%程度です。

ちなみに、ビジネススキルを身に付けるための書籍はたくさん出版されておりますが、分野によっては良い書籍が少ないこともあります。学ぶ内容にもよりますが、難しい内容がほぼ文章で書かれており、初学者にとっては難易度が高いケースも多いです。書籍を渡して「これを読んでスキルを付けておくように!」という学習方法は、有効性が低いケースも多いと認識しておくことが必要です。

視聴覚

視聴覚は、eラーニングのように、音声や動きのある動画で学習する方法のことです。単なる文字の羅列や静止画の学習よりも、動画学習は脳により大きな刺激を与えます。動画での学習の定着度は20%程度になります。

基礎知識や考え方を説明する教材を使用する場合、eラーニングのような視聴覚に刺激を与える学習方法が一番効果が高いということになります。

デモンストレーション

デモンストレーションというのは、通信販売等で採用されている方法です。実際に使っているシーンを見てもらうことで、「なるほど。そうやって使うのか」を知ってもらいます。ジャパネットの通信販売等を1度は見たことがありますよね。

企業においては、スキルを持った人が実際に行っている姿を見せて覚えてもらったり、他社の工場見学に行ってやり方を学んだり、他社の事例を参考にやり方を学んだりすることが該当します。デモンストレーションによる学習定着度は30%となり、これまで説明した方法よりも比較的高い数字となります。ただし、「実際に行っている姿を見せる」「他社の工場見学へ行く」「他社の事例を学ぶ」ということは、時間や手間が掛かり手軽にできるものではないため、全ての分野において適用するのは現実的ではないという問題もあることを頭に入れておかなければなりません。

グループ討議

グループ討議は、ワークショップ研修等のように、複数の受講者が集まり設定された議題に対して議論を行いながら学ぶ方法です。リアルタイムで自分の口で意見を伝えることは、ただ見るだけ・聞くだけよりも能動的な関わりが必要となります。他者の発言から新たな知識を得ることもあり、書籍を読んだり動画を見るよりも多くの効果が期待できます。学習定着度は50%と言われています。

また、自分だけではなく他者もいることで、「サボるわけにはいかない」「適当に発言するわけにもいかない」という心理的な効果も働くため、周りの環境の影響も受けながら学習に前向きに取り組めることにも繋がります。

実践による経験・訓練

実践による経験・訓練は、実際に課題に取り組みながら学習を行う方法です。与えられたテーマあるいは自ら設定したテーマに対して、学んだ知識をアウトプットしながら実践で活用できるスキルを身に付けていきます。実務でスキルを発揮するための訓練という位置づけで、学習定着度は75%になり一気に高くなります。

なお、実践の訓練とは言え方法は様々です。例えば、「実務に置き換えた時にどのようなことが当てはまるかを考えて記述させること」も簡易的な実践と言えます。学んだ知識に当てはめて自部署で不足していることをリストアップし改善すること(Before-Afterの改善)等も実践的な訓練の1つとなります。また、問題解決手法を活用して大きなテーマに取り組むこと(問題解決8ステップ実践)も多くの企業で行われています。

これらの方法を対象分野の特性に合わせて的確に設計していくことが大切です。

他人へのレクチャー

他人へのレクチャーはその意味の通り、考え方や知識、やり方を誰かに教えることで、更に学習定着度を上げていく方法です。教えられるレベルまで理解するプロセス、教え方を検討するプロセス、教えた時に受ける質問への対応プロセスを通じて、学習の定着度は90%まで向上します。誰かに教えることで定着度が上がるというのは、体感的にも納得できますよね。

ただし、学習対象者全てがレクチャーを行う場を作ることはできませんので、あくまで講師やメンターになる人材に対する学習方法となります。

インプット型学習とアウトプット型学習を組み合わせる

さて、ここまでの説明で勘の良い方はお気づきかもしれませんが、ラーニングピラミッドは上下で大きく2つに分けることができます。

ピラミッドの上部分の「講義 → 読書 → 視聴覚 → デモンストレーション」までは、インプット型の学習です。主に講師の説明や書籍、動画等の自分以外の何かから情報をインプットしながら学ぶ方法です。

一方、ピラミッドの下部分の「グループ討議 → 実践による経験・訓練 → 他人へのレクチャー」は、アウトプット型の学習方法です。いわゆるアクティブラーニングと呼ばれるものです。これらの方法でももちろんインプットもありますが、基本的には自分の頭で考えて発言を行ったり、自分で行動してアウトプットを出すことが主眼に置かれています。

つまり、学習の定着度を上げる為には、アウトプット型の学習を行うことが重要であることが分かります。

大事なのは両方を組み合わせること

ただし、「じゃあ座学教育やeラーニングなんてやらずにワークショップや課題を実施すれば良いのね」と安易に考えてはいけません。

例えば、何の知識もインプットされていない状態で「〇〇について議論して」「〇〇を実践して」と言われても普通はできません。従って、必要な知識や情報のインプットをしっかりと提供した上で、アウトプット型の教育を行うことが必要なのです。インプットされたその知識を使って、自らアウトプットを出すように道筋を作ってあげるというように、上手くインプット型とアウトプット型の教育を組み合わせることが大切です。

そして、もう1つ考慮しなければいけないことは、知識をインプットしたからといって、いきなり実践を行うことにはギャップが存在することです。知識を持っていたとしても、それをどう使えば良いのか分からないこともあります。使う材料や工具の種類を知っていても、実際に使ったことがなければ、いきなり家具を作ることはできませんよね。従って、アウトプット型の教育においても、必要に応じてステップを踏むことが大切です。

アウトプット型学習=ワーク型研修+実践課題研修がおススメ

アウトプット型学習においてオススメなのは、ワーク型研修(ワークショップ)を行い、その後に実践課題研修を行う方法です。

ワークショップでは、他の組織のメンバーと一緒に議論や検討を行うことで、よりインプットした知識の精度を上げることができます。リアルタイムで自分の口で意見を伝えることは、ただ見るだけ・聞くだけよりも能動的な関わりが必要となるからです。他者の発言から新たな知識を得ることもありますね。

また、実践的なケースをもとにケーススタディを行うことも有効です。自分の頭で答えを出すことで、実践に使う脳と同じ部分に刺激を与えることが可能です。

以上のように、一言で「研修」「教育」と言っても、様々な方法や特徴があります。

従って、企業における研修では、

  • インプット型の教育だけでは効果が薄いこと
  • インプット型に加えて、アウトプット型の教育を行っていくことで効果が上がること
  • アウトプット型の教育においても、その内容によってワーク型研修や実践型研修等をどう組み合わせるか検討することが大切であること
  • アウトプット型の教育に主眼を置く場合は、インプット型の教育はeラーニング等を活用し可能な限りコストや工数を抑えることが大切であること

等を考慮して設計することが大切ということがお分かり頂けたのではないでしょうか。

ラーニングピラミッドを踏まえた研修設計事例

それではここからは、実際にどのように研修設計を行い、教育の効果を最大化しているか、事例を確認していきましょう。

① eラーニングor集合教育+レポート提出による学習効果の向上

1つ目は、eラーニングあるいは集合教育とレポート提出をセットで行う研修方法です。座学研修はeラーニングや集合教育で行い、終了後に課題を与え自分の頭で考えて記述してもらう形で進めます。新入社員のマナー教育や報連相等の基礎的なコミュニケーションに関する教育において採用されます。

レポートに記述してもらうこととしては、
「本講義を聞いて、普段自分が不足していることはどんなことだと感じましたか?」
「本講義で学んだことを活かし、今後の業務でどのようなことにおいて行動を変えていきたいと思いますか?」
等が代表的です。

レポートの内容を検討することはさほど難しくないため、比較的容易に取り入れることが可能です。
ただし、レポート提出はアウトプットの1種ではあるものの、実践と言うには少し弱く、教育の内容によっては適していないものもあります。

② eラーニング+ワークショップの実施による学習効果の向上

2つ目は、eラーニングの学習とワークショップの実施を組み合わせる研修方法です。座学研修はeラーニングで実施し、ワーク型研修は受講者が集合して行う形です。

座学まで集合で行ってしまうと、かなりの時間を要するため、可能な限り1人で学べる部分はeラーニングで進め、皆で集合した際は集合しなければできないワーク型研修のみを行います。このやり方は学校教育では既にたくさん採用されており、「反転学習」とも呼ばれています。学校の授業で皆で学び、帰ってから1人で宿題等で復習する形が一般的ですが、それが反対になっているため、「反転」という呼び方が付けられています。

この形は、「学習効果の高さ」と「コロナ禍の環境」が相まって、企業内研修においても近年採用数が増加している研修方法となります。

③ eラーニング+ワークショップ+Before-After改善の実施による学習効果の向上

3つ目は、②に加えて、簡単な実践課題を行うことで研修の効果を向上させる方法です(Before-After改善)。

具体的には、学習した内容を踏まえ自職場で不足していること、自分が不足していることを洗い出し(Before)、実際に学んだ知識を使って改善を行っていきます(After)。

座学やワークショップで学習する知識は、誰でも理解できる形に一般化されている部分もあります。その一般化された知識を自分たちの職場に置き換えて考えた時に、「あ、これは自職場でも当てはまるから改善の余地があるな」等に気付くことが大事です。そして、気付いたことを自分なりに改善してみることで、知識がスキルに変わっていきます。

知識をインプットする ⇒ 自ら実際に使ってみる ⇒ 良くなったことを自ら体感する、というプロセスを経験することで、頭でっかちにならずに本当に使えるスキルを身に付けることが可能となるのです。

④ eラーニング+ワークショップ+問題解決8ステップ実践による学習効果の向上

4つ目は、②に加えて、問題解決の8ステップを活用した実践課題を推進していく研修方法です。

基本的な考え方は③と同様ですが、比較的大きめのテーマを実施する際には、単純なBefore-Afterだけではなく、問題解決の正しいステップに沿って進めていくことが重要なケースも多々あります。問題解決手法の代表的なものとしては、トヨタ式の問題解決8ステップがあります。このステップを用いて実践で結果を出すことによりスキルを体に染み込ませていくのです。

問題解決8ステップについては、下記の記事で詳細を解説していますので、ご興味のある方はご参照ください。

こちらをチェック!

[reg-bnr]問題解決8ステップとは? 問題解決8ステップとは、トヨタ自動車で生まれた問題解決手法です。 問題解決の効果を最大かつ着実に創出するために、8つのステップに体系化されたものです。8つのステップに沿って問題解決を進めて...

トヨタ式問題解決8ステップとは?

まとめ~研修の効果を最大化するための研修設計のコツ~

いかがでしょうか?
冒頭に紹介した「定期的に集合教育を行っていますが、教育後に思うように効果が出ません。何か良い教育方法はありますか?」という質問に対しては、下記が弊社としての回答となります。

「座学だけの集合教育を行っても当然効果は低いものになります。ラーニングピラミッドの考え方を参考に、座学等のインプット型の教育だけではなくアウトプット型の教育を組み合わせて行うことが大切です。」

是非本ページの解説が、今後の研修の在り方を見直す上の一助となれば幸いです。

本ページのまとめ

  1. 研修の効果を高めるためには、ラーニングピラミッドの考え方を押さえておこう!
  2. 研修の効果を高めるためには、インプット型の教育とアウトプット型の教育を組み合わせて設計をすることが大切である
  3. インプット型の教育では、eラーニング等の手軽な手段を採用することが合理的である
  4. アウトプット型の教育では、実践課題の実施により確実に定着させることを目指そう
  5. 改善の経験が浅い場合、比較的難易度の高いアウトプットにチャレンジする場合は、実践課題を実施する前に、ワーク型研修を導入することもおススメ

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カイゼンベースでは、本ページでご紹介しているラーニングピラミッドの考え方を踏まえたeラーニング学習やワーク型研修、実践型研修の支援を行っています。人材教育体系図(キャリアラダー)構築から運用までトータルでサポート致します。

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企業の利益を左右する!調達購買の基礎と役割とは? https://kaizen-base.com/column/36518/ Sat, 27 Aug 2022 03:25:31 +0000 https://kaizen-base.com/?p=36518

調達購買の基礎と役割とは?

あなたは調達と購買の違いが明確に分かりますか?

「調達」や「購買」という言葉は、普段よく耳にするかと思います。この2つのワードは、意味合いが似ており混同しやすいですよね。しかし、似ているようで異なる役割があります。

「調達」には、事業戦略に基づいて、必要となるものを供給者の選定と交渉を経て購入する役割があります。一方「購買」には、生産計画に応じて、今必要なものを選定された供給元から購入する役割があります。

どちらも幅広い仕事となり、役割は違いますが密接な関係があります。

調達も購買も企業の利益を左右する重要なポジションです。

本ページでは、「調達購買の役割」や「調達購買管理の5原則」について確認していきます。

調達購買の役割を動画で学習しよう!

本ページでは、「調達購買の役割」や「調達購買管理の5原則」について確認を行っています。サプライヤー評価のポイントや原価管理と原価計算、調達購買業務に必要なスキルについては、動画で解説しています。無料会員登録を行うと、Lesson2までお試し視聴することが可能ですので、是非登録して学習を進めてみましょう!

Lesson1:調達購買の役割

Lesson2:サプライヤー評価のポイント

無料会員に登録すると、ココにLesson2の動画が表示されます。

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調達購買の基礎と役割とは

調達、購買のそれぞれの機能

調達は、生産計画を適切に進めるための起点になる

まずは、調達の機能について詳しく見てみましょう。

調達とは、「生産に必要な原材料や部品を必要数(量)仕入れ、安定的に供給可能な状態にすること」を意味します。自社が立てた生産計画を適切に進めるための起点になる重要な役割になります。

調達は自社が立てた生産計画を適切に進めるための起点になる重要な役割であることを説明するスライド

購買は、物品の購入を検討し、実際に発注し現場に供給するまでの一連のプロセスを管理する

一方、購買はどのような機能を持つのでしょうか。

購買とは、「生産に必要な原材料や部品を購入し、タイミング良く供給すること」です。物品の購入を検討し、実際に発注し現場に供給するまでの一連のプロセスを管理することになります。

以上が調達と購買の機能になります。以降では、調達購買の役割について、詳しく確認していきましょう。

購買は物品の購入を検討し、実際に発注し現場に供給するまでの一連のプロセスを管理する役割であることを説明するスライド

調達購買の役割について

調達と購買はとても密接な関係

先ほど確認したように、調達と購買はとても密接な関係にあります。

それぞれの役割について詳しく見ていきましょう。

調達購買部門は、「自社にない技術力、設備力等の資源を製品に反映したモノを社外から購入する役割」を担っています。「サプライヤーと購入条件を双方で合意決定し、モノを調達する」ことになります。

調達と購買はとても密接な関係にあることを説明するスライド

調達購買部門の担当者に求められる資質

ここで、調達購買部門の担当者に求められる資質について確認しましょう。

発注先のサプライヤーを見極めるためには次の5つのスキルが求められます。

①経営状況
②技術力
③品質保証システム
④生産設備能力
⑤人的リソース

もちろん、最初からこれらを見極めるスキルを全て持っている人は滅多にいません。徐々に経験を積みながら、スキルを身に付けていくことが大切となります。

プライヤーを見極めるためのスキルには、①経営状況、②技術力、③品質保証システム、④生産設備能力、⑤人的リソースの5つがあることを説明するスライド

調達購買業務の流れ

調達購買業務の流れを図で確認!

調達購買業務の流れを、図で確認していきましょう。

左から自社内関連部門、調達購買部門、サプライヤーとなっています。

中央は、調達購買部門としての主要業務です。

自社内関連部門やサプライヤーを跨ぐ調達購買部門は、開発部門(設計)からの依頼やサプライヤーからの要望等を受けながら、11項目を経て業務を進めて行きます。

調達購買業務の流れを図で説明しているスライド

調達購買業務の業務の流れの詳細

流れを細かく確認してみましょう。

①複数のサプライヤーへの見積依頼
②見積書をQCDで評価
③関係部門と見積書確認
④関係部門と確認結果承諾
⑤サプライヤー決定・契約書締結
⑥発注書作成・送付
⑦納期管理
⑧検品・受入・検収
⑨品質検査
⑩納品書・支払い
⑪サプライヤーへの入金
という順になります。

以上のように、調達購買部門は、自社内関連部門とサプライヤー間のやり取りをつなぐパイプ役として、重要な役割を担っています。

調達購買業務の業務の流れを細かく説明しているスライド

それでは、調達購買業務の具体的な内容を詳しく確認していきます。

最初に行うのは、見積依頼の作業です。開発の際、調達購買部門は関係部門と打ち合わせを行います。特に、設計部門とは綿密に打合せを行い、見積依頼書を作成します。

その後、作成された見積依頼書を使って、複数のサプライヤーへ見積り依頼を行います。

サプライヤーから届いた見積り結果は、設計部門と一緒に比較検討します。その際、必要に応じてコスト・納期の交渉を行います。

調達購買業務の業務の流れを細かく説明しているスライド(2ページ目)

次は、発注業務です。

まずは関係部門と発注先を決めるための一次協議を行います。
ここでは、コスト面等重要なポイントで絞り込みを行います。

そして、絞り込まれたサプライヤーに対して、QCDDM基準にて詳細を評価し、最終的な比較決定を行います。

サプライヤー決定後、正式に発注書を提出します。

調達購買業務の業務の流れを細かく説明しているスライド(3ページ目)

発注した製品(部品)は、サプライヤーから発注元へ供給されます。その際は検収業務を行います。

発注したモノが納品される際、納品されたモノ等には納品書が添付されます。注文時の仕様・品質・数量に合致しているのか確認し、検収を行い受け取ります。受入検査業務は、企業によっては別の専門部門が行ったり、購買部門が一任する場合もあります。

その後、サプライヤーから発注元に請求書が発行され、サプライヤーへ支払い手続きが行われます。このような形で、日々製造プロセスへモノ・サービスが納品される一連の流れが決まっていきます。

これらの3つの業務は、製造プロセスを遅れなく進め、確実な集荷に繋げる為に必要不可欠な管理業務になります。

3つの業務は製造プロセスを遅れなく進め、確実な集荷に繋げる為に必要不可欠な管理業務であることを説明するスライド

調達購買管理の5原則

適切な調達購買管理を実施するためには、基本的な5原則を理解しておくことが必要不可欠です。5原則をそれぞれ確認しましょう。

① 取引先管理:適正なサプライヤーを選定すること
② 品質管理:適正な品質を保持すること
③ 数量管理:適正な数量を決め確保すること
④ 納期管理:適正な納期を決め指示を遵守すること
⑤ コスト管理:適正なコストで購入すること

これらの5原則をバランス良く考慮し、調達購買戦略を立案することが重要になりますね。それでは、5原則について1つずつ詳細を確認していきましょう。

調達購買管理の5原則について説明するスライド

① 取引先管理:適正なサプライヤーを選定すること

1つ目は取引先管理です。適正なサプライヤーを選定する為に、3つの大切な確認事項があります。

・新規サプライヤーを開拓する場合や、既存サプライヤーの現況の財務状況を探査確認すること
・商流に無駄がないか、コストが掛っていないか等の商流(調達ルート)を確認すること
・安定供給ができる体制になっているか否か確認すること

以上の3つです。調達購買部門は、これらをしっかりと確認し、信頼できる取引先を慎重に選定する必要があります。

① 取引先管理:適正なサプライヤーを選定することについて説明するスライド

② 品質管理:適正な品質を保持すること

2つ目は、品質管理です。適正な品質を保持するために、ここでも確認事項が3つあります。

・自社が要求する品質にミートする品質管理体制や技術力を有しているか
・品質とコストのバランスが取れているのか
★・品質を維持し、常に安定供給ができる体制になっているか否か

以上の3つです。このように、常に適正な品質を確保するための管理が必要となります。

② 品質管理:適正な品質を保持することについて説明するスライド

③ 数量管理:適正な数量を決め確保すること

3つ目は、数量管理です。適正な数量を決め確保するために、確認事項が3つあります。

・自社が要求する供給能力を備えているか
・生産体制(数量変化)に対応可能か否か
・無駄なコストを抑えるよう、適切な数量管理が出来ているか

以上の3つです。在庫管理にもコストは発生するので、非常に重要な視点です。生産管理部門と調整し、生産計画に基づいた適切な数量を決定し、仕入れを行い、管理をする必要があります。

③ 数量管理:適正な数量を決め確保することについて説明するスライド

④ 納期管理:適正な納期を決め指示を遵守すること

4つ目は、納期管理です。適正な納期を決め指示を遵守するために、確認事項が2つあります。

・自社が要求する発注のリードタイムは適正か否か
・発注条件の変化にタイムリーに対応が可能か否か

以上の2つです。納期設定では、不慮のアクシデントの影響も考慮した上で、納期を設定する必要があります。生産計画に合わせて、適切なタイミングで納品ができるよう取引先に指示を出すことが大切です。

そして、サプライヤーが柔軟に対応できるかどうかも定期的に確認することで、トラブルを未然に防ぐことも重要になります。

④ 納期管理:適正な納期を決め指示を遵守することについて説明するスライド

⑤ コスト管理:適正なコストで購入すること

5つ目は、コスト管理です。適正なコストで購入するために、確認事項が3つあります。

・供給される品質や供給能力は適正なコスト設定か否か
・適正なコスト設定を見極める能力が身についているか
・サプライヤーと自社の適正利益も考慮されているか

以上の3つです。コストは、企業の利益を左右する大きなファクターです。より良い品質、より安価なコストを維持していくことは簡単なことではありませんが、とても重要な管理項目となります。

⑤ コスト管理:適正なコストで購入することについて説明するスライド

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使用用途 社内教育や発表資料作成における作業効率化等
ファイル形式 PDF
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調達購買の基礎と役割の詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

調達購買の基礎と役割の具体的な内容を、動画や理解度テストにより学習することが可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「k3-52:調達購買の基礎と役割」

調達購買の基礎と役割を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:調達購買の役割(13:52)
Lesson2:サプライヤー評価のポイント(20:11)
Lesson3:原価管理と原価計算(前編)(11:56)
Lesson4:原価管理と原価計算(後編)(15:07)
Lesson5:調達購買業務に必要なスキル(9:31)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約1時間11分
想定学習時間:約2時間18分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各レッスン5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:調達購買の役割」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:サプライヤー評価のポイント」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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LMS活用による製造業の教育DXの進め方 https://kaizen-base.com/column/35690/ Wed, 20 Jul 2022 07:20:38 +0000 https://kaizen-base.com/?p=35690

製造業における教育DX化の必要性

いま注目を集めている「人材教育のDX化(教育DX化)」の取り組みは進んでいらっしゃいますか?
必要な人に、必要な分野の質の高い教育を、必要なタイミングで、低コストで実施する。
このコラムを読んで、貴社の成長の核となる「LMSを活用した教育DX化」に、是非取り組んでみませんか?

教育DXとは?

まずは、製造業における教育DX化の必要性について確認していきます。

DX,Digital Transformationは、あらゆる業種において非常に重要なキーワードになっています。製造業においても様々なDXが推進されており、業務変革のニーズの高まりに伴い、各社で取り組みが加速しています。

製造業において、DXとは「ものづくりの現場でこれまで培ってきたノウハウを個人の経験値として蓄積していくだけでなく、デジタル化により共有しやすくする」ことを指します。
デジタルデータを「生産性向上」「品質向上」「リードタイム短縮」「人材育成」に活かし、日々変動する顧客や社会のニーズに合わせてビジネスモデルに変革をもたらすことが非常に重要となっているのです。

経済産業省「DX推進指標」とガイダンス

経済産業省からも2019年7月に「DX推進指標」とそのガイダンスが発表されています。
そこでは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されており、国を挙げてDXの推進が叫ばれています。

人出不足、コロナ禍、原材料高騰などの社会的背景も後押しとなり、製造業におけるDX推進の重要性は日に日に高まりを見せていると言ってよいでしょう。

教育DXとは?

製造業で推進されているDXの種類

さて、DXと一言で言っても、様々なものが存在します。

開発・設計プロセスDXには、設計・製造データを同期させて検討するバーチャル・エンジニアリング等が該当します。設計担当者個人にノウハウが蓄積するのではなく、会社としてノウハウを蓄積するために、積極的なデジタルデータの蓄積と活用が重要となります。

製造プロセスDXには、製造現場の見える化(IoTデータ活用)、日報データ化・見える化、機械・システムの自動制御等が該当します。IoTデータ活用は製造系のコンサルティング会社を初めとして、システム開発会社も参入し、激しい競争が繰り広げられていることは既にご存知のことですね。

サービスプロセスDXには、提供設備の保全データを活用したメンテナンスサービス等が該当します。モノを売って終わりではなく、販売した後にも精度の高く、かつ効率的なメンテンナンスサービスを行うことが重視されているのです。

意外と忘れがちな人材教育DX

さて、もう1つ意外と忘れがちなDXがあります。それは、人材教育DX(以下、教育DXと呼びます)です。

各種DXを推進していく際、本当に実のある製造DXへ結び付けていくためには、プロセスをカイゼン・改革できる人材が必須です。
既存のプロセスをただデジタルに置き換えることは非効率なプロセスをDX化することにもなります。より無駄のないプロセスに変えて標準化が出来るスキル・マインドを持った人材を短期間で育成していくことが不可欠な時代となっています。

そのために、教育にもDX化を推進していく必要があるのです。

製造業で推進されているDXの種類)

製造業における教育DXの現実

製造現場のプロセス変革のためには、ITシステムへの投資によるDX化だけでは片手落ちと言わざるを得ません。生産活動に携わる人材の教育もDX化により推進速度を加速させていくことが欠かせないのです。

従来型の教育の問題点

従来型の教育は、外部講師による集合教育、社内講師による集合教育・個別教育、外部研修への出張受講等が主たるものでした。

この従来型の教育の問題点は次の通りです。

  • 全員が集合する時間が取れない(ただでさえ人手が足りない・・・)
  • 熱意のある講師人材に依存した体制(この人がいなくなったら・・・)
  • コストの都合で特定の分野にしか対応できない(もっと幅広くやりたいのだけど・・・)
  • 全体設計ができていないため、点の教育に留まっている(1回きりで続かない・・・)

人材教育は継続的に行うことが最も大切な視点です。思いつきで教育を行ったり、手あたり次第教育を行うことは非効率的であると言わざるを得ないのです。

企業における人材教育の基本は、「必要な時に」「必要な人へ」「必要な教育を」行える仕組みを構築することです。
この基本に立ち戻って、どのように企業における教育を進めていくかを考えていくことが大切です。

製造業における教育DXの現実

どうする人材教育?どうする教育DX?

どうする人材教育

あなたの会社では、教育DXをどのように進めていきますか?
その戦略と戦術は明確になっているでしょうか?

製造業における教育DX化の定義と具体策

製造業における教育DX化の定義

ではここからは、製造業における教育DX化の定義と具体策について確認しましょう。

ここからは、製造業において、どのように教育DX化を進めていけば良いか、その方向性を解説していきたいと思います。

弊社では、教育DXを次のように定義しています。

“デジタルツール・デジタルコンテンツをフル活用し、
必要な人に、必要な分野の質の高い教育を、必要なタイミングで、
そして低コストで実施することにより、
自社の成長の核となる人材を継続的に増やしていく取り組みのこと“

製造業における教育DX化の定義と具体策

では、この定義に沿って、進め方の具体策を見ていきましょう。

デジタルコンテンツとは?

まず、「デジタルコンテンツ」というキーワードについて確認しておきましょう。

デジタルコンテンツとは、PowerPointの教育資料、Excelのテスト・アンケート・進捗管理表等、教育に関する各種ツールにおいて、これまで手動で管理しているものを“システム上”で扱えるようになっているもののことを指します。

PowerPointもExcelもデジタルデータではありますが、これらを教育担当者のパソコンやサーバーの中で管理している状態(デジタルデータのアナログ管理!)から、システム上で管理されている状態を目指します。

デジタルコンテンツとは?

教育担当者が辞めたり異動になった瞬間にデータの場所が分からなくなるような状態になっていませんか?
熱意のある教育担当者が孤軍奮闘しているから成り立っている状態になっていませんか?
そうではなく、誰でも同じように、そして継続的に運用管理ができる状態になっていることが求められるのです。

低コストで人材教育を運営するには?

それでは次に、低コストで人材教育を運営するための方法について確認していきましょう。

低コストで人材教育を運営するための方法

人材教育の“質”と“掛ける費用・工数”

人材教育の“質”と“掛ける費用・工数”の2軸で考えてみましょう。

1つ目は、お金も時間も最小限。でも効果も最小限。
⇒これは教育に力を入れているとは言い難い状態ですね。

2つ目は、たくさんお金と時間を掛けたものの効果がイマイチ。
⇒これは経営側と教育部門の独りよがりになっている可能がある状態です。

3つ目は、たくさんお金と時間を掛けて質の高い教育を実施する。
⇒これは教育に力を入れていることは評価されるべきですが、掛かる費用や工数が大きいため、永続的に継続できるか分からない状態です。

そして4つ目は、お金と時間を最小限に抑え質の高い教育を実施する。
⇒教育DXで求めるのはこの状態です。あくまで教育DXで目指すはこの状態でなければならないのです。

低コストで人材教育を運営するには?

教育DXで目指す姿

教育DXで目指す姿は、質の高い教育を低コストで実現することです。たくさんのお金を掛けて実現することではないと捉えることが大切です。
あくまで質を上げながらコストを抑えるのがDX。このことを大前提として押さえておきましょう。

教育DX化を行うと削減できるコストのイメージ

例えば、300名規模の会社の場合の教育DX化による教育コストの変化イメージを想定してみましょう。

従来型の教育方法の場合には、1分野の教育を例えば30人に対して行おうとした場合、外部研修であれば5万円×30人=150万円ほど掛かります。もちろん複数分野で実施する場合には費用は倍・倍で増加します。

それに加えて、社内講師がいくつかの分野で教育を実施する場合、1人では工数的に対応が難しいため、2~3人で対応が必要になります。仮に専属で3名が教育担当として従事した場合、600万円×3人=1800万円ほどの人件費が発生してしまいます。外部支払いだけではなく、社内人件費も含めて考えると、決して安い額ではありませんよね。

教育DXでは、これを1/3に圧縮することを目指します。
eラーニングなどを活用して外部支払いを削減します。eラーニングの場合、同時に複数分野を実施しても倍・倍で増えることはありません。
そして、社内教育担当者は、工数削減により1人で対応ができるような運営方法に変えていくのです。

低コストで人材教育を運営するには?

なぜ、教育担当者の工数が掛かってしまうのか?

では、なぜ教育担当者の工数が掛かってしまうのかを深堀りしてみましょう。一般に、次のようなことが挙げられます。

  • 各自教育記録が紙でファイリングされていて、更新に手間が掛かる
  • 教育後の記録記入漏れが度々ある
  • どこに記録したのか分からなくなる
  • 出向先から帰任すると自分の教育記録が紛失している
  • 上司の変更、異動などの期に記録を取らなくなる
  • 教育内容、キャリアラダーの最新版管理ができない
  • 全部署の管理者、受講者への周知が困難 etc.

これらの工数問題は、キャリアラダー、教材、教育記録、アンケート、実践課題、レポート、評価等をすべてLMS内で一括管理していくことが解決につながります。

LMS(Learning Management System)を活用すれば、データの一元管理により継続的運用の手助けとなり、従業員への教育や研修のより効果化が可能です。従業員の人材育成による企業の成長に欠かせないツールがLMSなのです。

なぜ、教育担当者の工数が掛かってしまうのか?

LMS(Learning Management System)をフル活用する!

LMSを活用すれば、学習動画等の高い品質のデジタルコンテンツを多くの人材に効率的に活用できます。

教育記録、実践課題レポート提出・評価、アンケート等、履歴をデジタルで管理することが可能です。キャリアラダー(人材教育体系)の設定や更新もカンタンに行うことができます。

運用方法が明確になっていれば、担当者が変わっても継続して運用が可能であることも大きなメリットになります。

デジタルデータをアナログで管理する文化から、全てデジタルで管理する文化への変革ためにLMSの活用を検討していきましょう!

LMS(Learning Management System)をフル活用する!

実践訓練に重点を置くカリキュラムで教育の質を上げる

それでは次に、質の高い教育を実施する方法について確認していきましょう。

質の高い教育を実施する方法

一番大事なことは、知識の詰込み型にせず、実践訓練に重点を置くカリキュラムにすることです。
ラーニングピラミッド(次項参照)の考え方を考慮すると、eラーニングでの学習は、あくまで20%程度の学習定着率でしかありません。

75%以上の学習定着率を目指すためには、「自ら能動的にアウトプットする」カリキュラムを設定することが欠かせないのです。

ポイントとなるのが、「ワークショップ・ケーススタディ」「実践課題」の織り込みです。

「実践訓練に重点を置くカリキュラム

学習定着率の基本 ~ラーニングピラミッド~

では、ラーニングピラミッドについて確認していきます。

ラーニングピラミッドは、学習方法と学習の定着度(≒学習効果)を効果の小さいものから大きいものへ順番にピラミッド状にまとめた経験則です。
あくまで経験則であるため、科学的な根拠があるわけではありませんが、納得度の高い考え方だとして広く用いられています。近年ではアクティブラーニングという名のもとに、学校教育などでもこの考え方が考慮されているのをご存知の方も多いかもしれません。

学習定着率の基本 ~ラーニングピラミッド~

ラーニングピラミッドによると、講義による教育は学習定着度が5%ほどしかないと言われています。Eラーニングは少し上がりますが、それでも20%程度です。
画像の上半分は、受動的(受け身)の学習方法であるため、学習定着度が低く設定されています。

学習定着度を上げるためには、能動的(自ら進んで発信)な学習方法を採用することが必要です。
例えば、ワークショップやケーススタディを行うことにより、自らの頭で考え、自らの口で発言する場を設定することで、学習定着度50%ほどまで一気に向上します。

更に、実践課題に取り組むことにより、更に学習定着度は向上します。
与えられた課題に対して、実際の自分の職場に当てはめて実践を行うことで、実務で使えるスキルが定着するのです。
実践課題まで行うことで、75%の学習定着率であるという認識が大切となります。

まとめると、

  • eラーニングで知識をインプットし、
  • 実践課題で知識をアウトプットすることで学習を定着させる。
  • 必要に応じて、ワークショップ、ケーススタディで段階を踏みアウトプットの質を上げる手助けをする。

という進め方を考慮することで、質の高い教育を行うことが可能となるのです。

※ラーニングピラミッドの詳細については、別記事にて詳しく解説を行いたいと思います。

会社の成長の核となる人材を増やしていく

それでは最後に、継続的に教育を行い会社の成長の核となる人材を増やしていく方法について確認していきましょう。

会社の成長の核となる人材を増やしていく方法

本来、人材教育は中長期に渡って、1歩1歩進めていくものです。
短期間で一気に知識を詰め込もうとすると、教育の効果を上げることはできません。

  • 必要な人に、
  • 必要な分野の教育を
  • 必要なタイミングで
  • 無理なく実施する

そのために、会社はそのためのツールと環境を準備・提供し、階段を上がるサポートを継続することが欠かせません。例えば、組織の年間目標にも落とし込み(本年は係長クラス〇名認定等)、継続的に管理を行うのです。

社員は、自分に求められているものを明確に、焦らず毎年1歩1歩上がっていけば良い状態をつくりましょう。そして、入社から上位職になるまで、「1歩ずつ丁寧に成長の核となる人材を育てる」という姿勢が企業には求められるのです。

そのためにも、人材教育体系図(キャリアラダー)が存在しない企業では、その構築と運用を行っていきましょう。

情報の整理

人材教育体系図(キャリアラダー)に関しては、こちらの記事で詳細を解説しています。

製造業における人材教育体系の作り方

以上となります。弊社では製造業の教育DX化の進め方に関する無料セミナーを定期的に開催しています。
本記事よりも更に具体的な進め方等を解説しています。各回参加者限定のセミナーとなりますので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

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モノと情報の流れ図(VSM,Value Stream Mapping)とは? https://kaizen-base.com/column/35134/ Wed, 20 Apr 2022 00:59:23 +0000 https://kaizen-base.com/?p=35134

モノと情報の流れ図とは?

モノと情報の流れ図とは、その名の通り、「モノ」と「情報」の流れを1つの図に表したものです。
英語ではValue stream mapping(略してVSM)と呼ばれています。直訳すると「価値の情報流れ図」になりますね。

本ページでは、モノと情報の流れ図の概要について確認していきます。

製造における3つの流れとは

どのような流れで製品が生産され、お客様へ納められている?

それでは初めに、どのような流れで製品が生産されお客様へ納められているのか考えてみましょう。

まずは顧客から注文が入って、会社(工場)が受注することで全ての物事が動き出します。内示をもらい、後に実際の生産量が決まるというパターンもありますね。
製造を行うためには、生産量に合わせて材料を仕入れないといけません。そこで、サプライヤーとやりとりが始まります。
そして、届いた材料は加工されるまで一時保管されます。
その後、生産指示に合わせて、上流工程から下流工程へと、どんどんモノが加工され流れていき、最終的には、完成品がお客様のもとへ届けられていくのです。

さて、この生産の流れは、3つの流れに分類することができます。
どのように分類できるでしょうか?

製造における3つの流れとは

製造における”人”の流れ

1つ目は、人の流れです。
人の動きは、標準作業、作業手順によって定められています。

製造における3つの流れとは(人の流れ)

製造における”モノ”の流れ

2つ目は、モノの流れです。
モノの流れは、かんばん等の指示によって定められています。

製造における3つの流れとは(モノの流れ)

製造における”情報”の流れ

3つ目は、情報の流れです。
情報の流れは、お客様の情報に基づいて関係者へ発信する内容等が該当します。

製造における3つの流れとは(情報の流れ)

これらの3つの流れは、製品をお客様へお届けするために必要不可欠なものとなります。
まずは、この3つの流れが存在することを理解した上で、「モノと情報の流れ図」について確認していきましょう。

モノと情報の流れ図の定義

Value Stream Mappingとは?

それでは次に、モノと情報の流れ図とは何かを確認しましょう。

「モノ」と「情報」の流れ図は、英語ではValue stream mapping(略してVSM)と呼ばれており、直訳すると「価値の情報流れ図」になります。
つまり、「物」の流れと、「情報」の流れを一つの図にまとめたものです。
どこからどこへ物が動き、情報がどこからどこへ移動していくのか、そして付加価値、非付加価値工程を明確にした図のことを指します。

モノと情報の流れ図では、情報の動きを示す矢印と、モノの動きを示す矢印とを分けて記載し、全体の流れを見える化します。

「モノ」と「情報」の流れ図 ⇒ 価値の情報流れ図

全体の流れの範囲は?

ちなみに、全体の流れとはどこからどこまでの範囲を指すのでしょうか?

1つの製品において、本来は製品に関わる多くの工場、複数の企業の全てを辿る必要があります。
しかし、複雑になってしまうことで、取り掛かりが出来ない状態になってしまってはいけません。

従って、まずはすぐに取り掛かれるように、構内物流の範囲から取り掛かることをお勧めします。

全体の流れとはどこまでの範囲

ステップバイステップで進めよう

進め方のイメージとしては、まずは分かりやすい構内物流の範囲から、モノと情報の流れ図の作成を開始します。
繰り返し制度を高めていくにつれて、素材からエンドユーザーまでを含めた完全なマップへと範囲を拡大していくことが現実的です。
最終的に目指す範囲を認識した上で、ステップバイステップで作成を進めていくようにしましょう。

VSMで最終的に目指す範囲

作成は1枚の紙に

モノと情報の流れ図の作成の前提条件を確認します。

1つ目は、1つの製品群に関して図示することです。
全ての製品の流れを描いてしまうと、複雑になり過ぎてしまうため、製品群毎に作成を行います。

2つ目は、1枚の紙に全てまとめて描くようにすることです。
細かくなり過ぎてしまいプロセスの全体像が見えなくなることを避けるため、1枚の紙に収まるように作成します。

時間を掛け過ぎず、誰でも作成出来るのが、モノと情報の流れ図(Value Stream Mapping)だと覚えておきましょう!

時間を掛け過ぎず、誰でも作成出来るのがモノと情報の流れ図(Value Stream Mapping)

モノと情報の流れ図と”改善”

改善活動のキホン

それでは次に、モノと情報の流れ図と“改善”について確認していきます。

まずは、改善活動のキホンを振り返っておきましょう。
改善活動は、「問題に気付く」 という問題意識と、「自身にもその責任の一端があると考える」 当事者意識を持ち、自主・自律的に行動することで、経営成果につなげる事です。
改善活動では、問題を改善するという行動を行ないますが、問題を見つけることで改善に繋がり、経営成果を獲得できます。そして、改善をすることで、更に次の問題に気付くという意識改革が促されます。

このサイクルを繰り返し回していくことで、経営成果、意識改革を継続的に獲得していくことこそが改善活動です。

モノと情報の流れ図と“改善”

現状把握と現状分析

では、問題に気付いたら改善を行いますが、その際にはまず何から始めたらよいでしょうか。

まずは問題に対してどこまで良くするのか改善の計画を立てます。そして、問題の要因解析を行います。
その後、対策案の検討・決定した対策を実施し、対策の効果確認を行い、定着させる仕組み作り・反省と更なる今後の計画……というように、PDCAを回していきます。

さて、実はこのステップ、抜けているものがあるのは分かりますか?
実際は、このステップを踏む前に行うべきことがあります。

それは、現状把握、現状分析です。
現状把握、現状分析は、問題解決しようとする現状の状態を正確かつ客観的に掴み、要因解析の手掛かりを掴むステップです。現状把握、現状分析を的確にできないと、この後の要因解析や改善が上手くいかないため、非常に重要なステップとなります。

問題に気付いて改善を行う⇒まず何から始める?

現状把握・現状分析のための手法

では、どのように現状把握、現状分析を行えばよいでしょうか?
現状把握、現状分析する方法としては、次のものが挙げられます。

1つは、QC7つ道具です。データを収集し、グラフを使用して分析や見える化を行う手法です。
もう1つは、新QC7つ道具です。言語データをフローチャート等を利用して分析を行う手法です。

これらの手法を活用して現状把握、分析した結果をもとに対策を進めていきます。

このような方法で策定される対策は、作業方法の変更、作業順序の変更、モノの配置の変更等の人の流れに重きを置いた対策が中心となります。
人の流れの対策はもちろん大切ですが、場合によっては部分最適になってしまうこともあります。

現状把握・現状分析する方法としてQC7つ道具、新QC7つ道具

全体を見ることが改善につながる

部分最適では本当の問題を見失う危険性があり、改善しても全体最適にならない場合もあります。
従って、改善を行う上では部分ではなく、全体を見なければいけません。

では、何を見れば全体が見えてくるのでしょうか?
人の流れは、モノが流れてくることにより発生します。そして、情報が流れてくることでも人が流れます。さらに、モノが流れれば情報が更新され新たなモノが流れて人も流れます。

つまり「モノ」の流れと「情報」の流れを知ることが全体を知ることになるわけです。
そして全体を俯瞰し効果的な改善を行うツールが「モノと情報の流れ図」なのです。

「モノと情報の流れ図」全体を俯瞰し効果的な改善を行うツール

情報の整理とマップ化の進め方

VSMの作成を始める際のポイント

まずは情報を整理しよう

それでは、VSMの作成を始める前に意識すべきことを確認していきましょう。
VSMを作成する前に、まずは情報を整理することが重要になります。

収集する情報は、全体を網羅していることが大切です。部分的な情報収集では、改善の結果が部分最適になってしまいます。

部分最適では、上流の工程での変化に対応できず、それまでの改善努力が、全部ムダになる可能性があることに注意が必要です。
せっかく改善しても後々ムダになってしまうようなことは、極力避けていきたいですよね。

そのためには、工場やラインの様々な側面から、全体を俯瞰して分析を進めていくことが求められます。
特に人、品質、在庫、リードタイム、システム等の側面を見ていくことが大切となると覚えておきましょう!

情報の整理

全体を把握することのメリット

全体を把握できれば、様々なメリットを得ることができます。

例えば、部分的にしか見えていない場合よりも、よりボトルネックとなっている工程を把握しやすくなります。
すると、何から手を付けていいか分からない状況が解決され、問題解決する順番が明確になります。
また、誰もが関係性を理解できるようになり、現状の共通認識を得やすくなります。

そのことで、チーム全体のコンセンサスを得られた上で、改善を進めていくことができます。
このことからも、改善を行う上で、モノと情報の流れ図の活用は非常に効果的と言えるのです。

全体を把握することのメリット

続きは動画で学習しよう!

本ページでは、モノと情報の流れ図の定義や活用のメリットについて確認を行いました。
具体的なモノと情報の流れ図(VSM)の作成方法は動画で解説しています。
無料会員登録を行うと、Lesson2までお試し視聴することが可能ですので、是非登録して学習を進めてみましょう!

モノと情報の流れ図(VSM)資料ダウンロード

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モノと情報の流れ図(VSM)の詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

VSM(Value Stream Mapping)の具体的な作成方法を、動画や理解度テストにより学習することが可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「k2-52:モノと情報の流れ図(VSM)~基本と作成方法編~」

VSMの概要と作成手順を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:モノと情報の流れ図とは(10:53)
Lesson2:情報の整理とマップ化の進め方(15:31)
Lesson3:集めた情報をマップ化する(15:16)
Lesson4:具体的な情報を追加しマップを完成させる(10:48)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約53分
想定学習時間:約1時間51分
教材の構成:動画コンテンツ4ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:モノと情報の流れ図とは」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:情報の整理とマップ化の進め方」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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A3資料1枚でまとめる!トヨタ式問題解決8ステップとは? https://kaizen-base.com/column/35004/ Sun, 20 Mar 2022 05:30:10 +0000 https://kaizen-base.com/?p=35004

問題解決8ステップとは?

問題解決8ステップとは、トヨタ自動車で生まれた問題解決手法です。

問題解決の効果を最大かつ着実に創出するために、8つのステップに体系化されたものです。8つのステップに沿って問題解決を進めていくことで、再現性のある問題解決力を身に付けることが出来ます。

問題解決8ステップとは

これが問題解決8ステップ!

Step1:取り組む問題の明確化
Step2:問題の層別と問題点の特定
Step3:目標値と達成時期の明確化
Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)
Step5:対策案検討とスケジュール策定
Step6:対策の実行
Step7:効果の確認と評価
Step8:標準化と横展開

1~8のステップに沿って問題解決を進めることで期待される結果を導くことができます。

問題解決8ステップの各ステップ

A3資料1枚にまとめるイメージ

A3資料1枚にまとめるというのは、ここに示す画像のようなイメージです。

左側にStep1~Step3、右側にStep4~Step8の実施結果を記載していきます。

それでは、各ステップの概要をA3資料の配置と合わせて確認していきましょう。

A3資料1枚にまとめるイメージ

問題解決8ステップ 各ステップの概要について

タイトル等の基本情報の記載

まずは、Stepに入る前に、タイトル等の基本情報です。

内容が一目で分かるタイトルを付けましょう。また、作成した人やトレーナー・メンターの方の部署情報や名前も記載します。

なお、タイトルも何となく適当に付けてはいけません。タイトル付けにおいては、聞き手に興味を持たせるタイトル付けの訓練の目的も含まれています。

タイトル等の基本情報の記載

Step1:取り組む問題の明確化

Step1は、取り組む問題の明確化です。自社の置かれている環境から自職場の問題点を明確化していくステップです。

Step1では、物事を戦略的な視点で見る訓練、あるべき姿を描き現状とのギャップを明確にする訓練を目的としています。

Step1:取り組む問題の明確化

Step2:問題の層別と問題点の特定

Step2は、問題の層別と問題点の特定です。大きな問題点を詳細に調査し、具体的な問題点に落とし込むステップです。

Step2では、調査のために必要な分析手法を理解し、誰でも問題を具体的にイメージできるところまで落とし込む訓練を目的としています。

Step2:問題の層別と問題点の特定

Step3:目標値と達成時期の明確化

Step3は、目標値と達成時期の明確化です。数値目標と達成期限を設定するステップです。

Step3では、明確化された問題に対する目標・期限の設定力の訓練を目的としています。

Step3:目標値と達成時期の明確化

Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)

Step4は、真因の特定(なぜなぜ分析)です。なぜなぜ分析により真因を特定していくステップです。

Step4では、なぜなぜ分析の手法の理解により、安易な対策とならないための真因特定の思考プロセスの訓練を目的としています。

問題解決において一番大切なステップです。

Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)

Step5:対策案検討とスケジュール策定、Step6:対策の実行

Step5は、対策案検討とスケジュール策定、Step6は対策の実行です。対策案を複数検討し、QCDの視点から優先順位を決め対策を実行していくステップです。

Step5、Step6では、QCDの考え方を理解し、自分で決めたことを日程通りに遂行する訓練を目的としています。

Step5:対策案検討とスケジュール策定、Step6:対策の実行

Step7:効果の確認と評価

Step7は、効果の確認と評価です。実行した対策がやりっぱなしにならないように、結果と目標値の差異を確認するステップです。

Step7では、対策効果を数字で評価し見極める訓練、PDCAサイクルを回す訓練を目的としています。

Step7:効果の確認と評価

Step8:標準化と横展開

Step8は、標準化と横展開です。対策したことが後戻りしないように標準化により歯止めをかけ、横展開により効果を最大化するステップです。

Step8では、仕組みへの落とし込みと、自職場だけでなく会社全体目線で考える訓練を目的としています。

Step8:標準化と横展開

各ステップをまとめると

以上が問題解決8ステップの流れです。

Step1では、現場を見て問題に気付き、取り組むべき問題を挙げることができること。
Step2では、大きな問題を層別し、手法を用いて分析し優先順位を付けることができること。
Step3では、適切な目標水準と完了時期を設定できること。
Step4では、なぜなぜ分析を活用し、真因を特定できること。
Step5,6では、複数の対策を立案し、実行スケジュールを見える化できることと、粘り強く対策をやり遂げることができること。
Step7,8では、手法を活用し効果を評価し、標準化や横展開に繋げることができること。

これらが各ステップのポイントになります。問題解決8ステップの流れを体で覚え、 A3資料1枚にまとめるプロセスを通じて、精度良く改革・改善が出来るスキルを身に付けていきましょう!

各ステップのまとめ

問題解決8ステップを効果的に実践するために

問題解決8ステップのポイント

問題解決8ステップのポイントは、実践で成果を出しながら人材育成を行うアプローチであることです。
成果を出すプロセスを体験しながら、次に挙げる要素の習得により、人材育成を目指します。

実践で成果を出しながら人材育成を行うアプローチ

伝えたいことを資料に要約する力

1つ目は、実践した内容を効果的にA3資料1枚にまとめ、伝えたいことを資料に要約する力です。
問題解決のプロセスでは様々な分析や考察を行います。
これらをA3サイズの資料1枚に整理し、第三者にも分かる形にまとめる力を身に付けていきます。

プレゼン力

2つ目は、上位職の方々の前での発表を通したプレゼン力です。
伝えたいことを簡潔にA3資料にまとめ、それを伝える技術を身に付けていきます。

分析手法(なぜなぜ分析、QC7つ道具等)の実践での活用力

3つ目は、各ステップにおける分析手法(なぜなぜ分析、QC7つ道具等)の実践での活用力です。
手法は覚えただけでは意味を成しません。しっかりと実践で活用する力を付けていきます。

関係者を巻き込んだリーダーシップ

4つ目は、関係者を巻き込み活動を進めていくことを通したリーダーシップです。
問題解決はテーマが大きいほど、関係者を巻き込んでいくことが求められます。
関係者を動機づけしながら問題解決していく力を付けていきます。

業務マネジメント力

5つ目は、自ら対策計画を立てて実行し、結果の検証をする業務マネジメント力です。
成果を出すために、PDCAサイクル・マネジメントサイクルを確実に回していく力を付けていきます。

問題解決8ステップの活用目的

1つ目は、8ステップに沿って進めていくことにより、複雑な問題でも着実にプロセスを踏んで解決を進めることです。
簡単な問題なら決め打ちでも良いですが、難しい問題の場合はそうもいきません。
問題解決8ステップを身に着けることにより、すぐに解決策に飛びつかずに、本質を見極める力を養うことができるようになります。

2つ目は、問題解決を進めるチームメンバーと問題認識や到達イメージを共有することです。
メンバーが個々に頭の中に描くイメージは異なっていることも多いものです。
問題解決8ステップに沿って進めていくことで、同じイメージを描くことができるようになります。

3つ目は、問題解決を行ったことを形に残し、ノウハウとして会社の財産とすることです。
問題解決8ステップにより、標準化まで落とし込むことで、数年後にまた同じ改善… というムダを無くし、知見の上に知見を積み上げることができます。

問題解決8ステップの活用目的

その他にも、対象範囲やターゲットを明確化し、議論の発散を防ぐことや、いつまでにどの水準まで変化させるか、全員が同じ認識を持つこと、真因、対策の有効性や効果などをストーリーと数字で見える化すること、標準化、横展開まで含めて完了させることで、改善の効果を最大限に発揮すること等が問題解決8ステップを活用する目的となります。

ステップに沿って問題解決を進める力を身に着けることで、実務で発生する問題を解決したり、組織目標を達成するための課題を達成できる人材を目指していきましょう!

問題解決8ステップのその他の活用目的

問題解決8ステップ資料ダウンロード

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問題解決8ステップの詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

問題解決8ステップに関して、動画や理解度テストにより詳細な内容の学習が可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「ps-51:トヨタ式問題解決8ステップの進め方~Part1~」

問題解決8ステップの概要とStep1~Step3の詳細を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:問題解決の重要性(7:47)
Lesson2:問題解決8ステップの概要(10:24)
Lesson3:Step1:取り組む問題の明確化(12:55)
Lesson4:Step2:問題の層別と問題点の特定(15:31)
Lesson5:Step3:目標値と達成時期の明確化(10:14)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約57分
想定学習時間:約1時間54分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:問題解決の重要性」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:問題解決8ステップの概要」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

学習コース「ps-52:トヨタ式問題解決8ステップの進め方~Part2~」

問題解決8ステップの概要とStep1~Step3のおさらいから始め、さらにStep4以降に踏み込み「なぜなぜ分析」の正しい運用方法、スケジュール策定の重要性、標準化・横展開の効果などを、より具体的に解説します。すぐ実践に生かしていきたい問題解決法について、順を追って学習しましょう。

学習コース目次

Lesson1:Step4 : 真因の特定(なぜなぜ分析)(15:28)
Lesson2:Step5 : 対策案検討とスケジュール策定(14:02)
Lesson3:Step6 : 対策の実行(12:41)
Lesson4:Step7 : 効果の確認と評価(13:40)
Lesson5:Step8 : 標準化と横展開(12:36)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約1時間48分
想定学習時間:約2時間55分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:Step4 : 真因の特定(なぜなぜ分析)」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:Step5 : 対策案検討とスケジュール策定」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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第1回カイゼン事例大会レポート https://kaizen-base.com/column/34135/ Fri, 14 Jan 2022 05:37:46 +0000 https://kaizen-base.com/?p=34135

第1回カイゼン事例大会には約300名の方にご参加頂きました!

本ページは、2021年12月13日(月)に開催した”第1回カイゼン事例大会”に関するレポート記事です。12月の師走でとてもお忙しい中、約300名ほどの方にご参加頂き、大盛況に終わったイベントの様子をご紹介いたします!

第1回カイゼン事例大会開催概要

多くの企業で仕事の一部として取り組んでいるカイゼン活動。長く活動を行っているが故に新しい視点が不足してしまったり、本当にこのやり方でいいのか等、自信なく進めている企業も多いのが実態です。

本セミナーイベントでは、他社・他業種の改善事例を知り、新しい発想や気づきを得ることにより、既存の延長ではない新たなステージでのカイゼン活動へステップアップして頂くことを目的として開催いたしました。

発表企業としてご参加頂いた企業様

第1回では、下記の企業の皆さまに自社の改善事例の発表を行って頂きました!(発表順)

株式会社資生堂様
京浜ドック株式会社様
株式会社荏原製作所様
パナソニック株式会社様

なお、僭越ながら私藤澤からも「製造業におけるキャリアラダー(人材教育体系)の構築と運用におけるポイント」について特別講演をさせて頂きました!

発表までの流れのご紹介

発表当日までの道のりについて簡単にご紹介させて頂きます。発表企業様と共に、数ヶ月かけて準備し、本番に臨む形で進めました。

2021年7~10月・・・発表企業様のご招待

今回、第1回の開催ということで、実は1番のハードルがここにありました。

「まだ発表出来るレベルではないので、第1回は視聴参加だけにしたい・・・」といったように、様子見の企業様がとても多かったのです。

そんな中、今回ご参加頂いた企業様には、そのご厚意に本当に本当に感謝しております!

2021年10~11月・・・発表資料のブラッシュアップ

通常業務に支障が出ないように、基本的には「既存の資料を活用して頂く」という方針で進めさせて頂きました。
各社2~3回ほど、WEBミーティングで内容を一緒に検討させて頂き本番に臨みました。

また、2021年11月末には、各社の発表者様にWEB上で集まって頂き、顔合わせを行いました。意外なところで共通点があったりと、緊張感がありつつも楽しい時間を過ごさせて頂きました。
普段違った業種の方とお話しする機会も少ないため、とても刺激になったとおっしゃって頂き、我々も嬉しく感じています。

各発表者様の発表の様子

それでは、当日の様子のご紹介です。
今回は、Zoomのウェビナーの機能を使って開催をさせて頂きました。

我々運営側(ホスト)と発表企業様(パネリスト)が発表している風景を、視聴のみのユーザーの方が閲覧している形で行いました。
ただし、可能な限り双方向型でコミュニケーションが取れるように、視聴者の方からも、ウェビナーの「Q&A」という機能を使って、質問やご意見・感想を書き込んで頂き、ファシリテーターを務めた私が紹介するという形で行っています。

第1回カイゼン事例大会の発表の様子

実際の接続の様子はこちら。接続端末数160台、合計参加者約300名という沢山の方にご参加頂きました。
発表者の皆さま、とても緊張しているかと思いきや、WEBの効果(?)もあり、とても落ち着いて発表されておりました(素晴らしい!)

第1回カイゼン事例大会の発表の様子

発表者、視聴者の皆さまは、日本全国(一部海外)、様々な場所から接続して頂きました。こういったことが容易に出来るようになったのは、世の中がWEBミーティングに慣れることができたお陰だと感じています。リアルでの開催だけではなく、今後も積極的にWEBツールを活用したイベントやセミナーを開催していこうと思います。

それでは、各発表企業様の様子をご紹介していきたいと思います。

株式会社資生堂様

株式会社資生堂様には、「生産性向上につなげるためのLabor Productivity指標の整備と仕組み化」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 資生堂様の発表の様子

カイゼン事例は、指標整備だけでなく活動の定着とPDCAを回し続ける仕組みづくりについてご紹介頂き、とても参考になる内容だったと感じました。カイゼン自体の進め方も、QCストーリーの王道に則った形であり、基本に忠実な進め方だったのがとても参考になったという声も視聴者から頂きました。

「指標整備」と一言で言っても、なかなか現場へ浸透させることが容易ではありません。今回の資生堂様の発表では、現場で働く1人ひとりへの意識付け自主的な活動が、カイゼンの浸透と進化を支えるんだなということを改めて感じることができた発表だったと思います。

京浜ドック株式会社様

京浜ドック株式会社様には、「現場における作業性の改善や創意工夫による、安心安全な職場環境づくり」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 京浜ドック様の発表の様子

カイゼン事例は、船という大物製品の製造において、誰でも安心安全に作業できるようにするための各種改善をご紹介頂きました。

作業者が安全に、そして楽に作業できることが、生産性を向上させるために1番大切なことだということを感じる発表だったと思います。カイゼンの効果をしっかりと金額換算していること等、オーソドッグスな改善のアプローチが大変参考になったという感想を視聴者の方から頂きました。

株式会社荏原製作所様

株式会社荏原製作所様には、「荏原製作所における生産革新活動」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 荏原製作所様の発表の様子

今回の事例発表では、2008年から始まった生産革新活動で行っている自主研の活動内容や、各国で行っている活動の全体像についてご紹介頂きました。

トヨタ生産方式をベースとした自主研などの人材育成の進め方等、内外多数の生産拠点を持つ荏原製作所様ならではの視点でご紹介頂き、私もとても興味深く聞かせて頂きました。トップの方がしっかりと関与して進めていること等、活動全体の動かし方が参考になったと視聴者の方からも感想を頂きました。

パナソニック株式会社様

パナソニック株式会社様には、「IoTツール(カイゼンスイッチ)を使った組み立て工程の生産能率向上」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 パナソニック様の発表の様子

カイゼンの現場でも普及を始めているIoT。今回の事例発表では、社内で開発したIoT稼働管理ツールであるカイゼンスイッチを使った組み立て工程の改善事例についてご紹介頂きました。大きなシステムとしてIoTを活用するのではなく、スモールIoTとしてカイゼンスイッチを開発し、自社内で活用していること等をご紹介頂き、IoT活用の1つの選択肢としても興味深く聞かせて頂きました。

【特別講演】カイゼンベース株式会社 代表取締役 藤澤 俊明

各発表企業様の発表の後には、私藤澤から「製造業におけるキャリアラダー(人材教育体系)の構築と運用におけるポイント」と題しまして、製造業における人材教育体系の必要性やポイントについて解説させて頂きました。

第1回カイゼン事例大会 カイゼンベース藤澤の発表の様子

教育体系の構築においては、「基本スキル」と「実務スキル」を分けて考えることが必要であることや、教育の範囲だけではなく深さを決めることが重要であること等を、ある企業様で実際に行った事例をもとに説明させて頂きました。大変ありがたいことに、本内容に関してもたくさんの反響を頂きましたので、別途無料セミナーの開催を検討しています。ご興味がありましたら是非ご参加いただければ嬉しいです。

第1回カイゼン事例大会を振り返って

今回、様々な業種の企業様に、自社の改善事例を発表頂くという初めての試みを行いました。自動車サプライチェーンのように、グループ内で事例発表を行ったり、関係会社でお互いに発表を行っている企業もありますが、全く異なる業種の発表を聞くというのは、なかなか無いことです。

弊社では、今後もこのような取り組みを行っていきたいと思いますが、より今後も参加した方々にご満足いただけるように、視聴後のアンケート結果をしっかりと分析させて頂いています。ここではその一部を紹介させて頂きます。

良いコメント

まずは、発表の内容に関することや、イベントそのもの自体をご評価頂いたコメントが多く、とてもありがたい限りです。

以下、良いコメントを一部ご紹介します。

  • 全体を通じて大変ためになる内容でした。また視聴させて下さい。
  • このような発表を聞くことがなかったので、とても有意義でした。
  • 各社様しっかりと準備をされていてスムーズで、カイゼンベース様も時間管理をしっかりされていたので、聞いていてストレスは無かったです。
  • 的を絞った攻め方で効率よく効果を出したい。現場作業者の実際の声を聞きながら、正しいデータ採取を行うところから社員と一緒に考えて攻める的を早く共有していきたいと感じました。
  • 異業種の会社様の改善発表を聞ける機会は、本当に貴重で有難く思っております。
  • 各社の資料のまとめ方や発表の仕方がとても上手く、それらがとても参考になりました。 etc.

課題を頂戴したコメント

一方、次回に向けて、ご要望やご意見もたくさん頂きました。資料を共有してほしい、もう少し具体的な事例が聞きたい、もっと小さな会社の事例を知りたい等のコメントをたくさん頂きました。これらにつきましては、次回以降の課題と認識し、しっかりと改善をしていきたいと思います。

以下、ご意見を頂いたコメントを一部紹介します。

  • 今回の発表は大きな企業が多かったですが、中小企業の改善事例も多く取り扱って欲しい。
  • もう少し現場に近いところでの泥臭い改善事例が数多く聞けると嬉しいです。
  • 例報告資料のポイントだけでも事前配布、頂けますと幸いです。
  • 公開可能な範囲内でいいので、発表資料の共有をいただきたいです。
  • 発表いただいた内容に聞き入ってしまう中でなかなかメモを取るのも難しい状況でした。資料を事後に参照させていただけると更に勉強させていただける機会になると感じました。
  • 次回以降、物流部門(特に製造業の倉庫作業系)の事例も聞けると嬉しいです。
  • 改善内容のbeforeとafterの事例をもっと増やしてほしい。 etc.

最後に・・・

“情報を発信するところに、良質な情報は集まってくる”
“企業間同士の情報共有が新たな気付きを生み出し、カイゼンに新たな1歩が生まれる”
“その1歩1歩が日本のカイゼンをより元気にして、再び日本が“カイゼン”の発信地に”

当日の最後のまとめのお時間でもお話したことですが、今回のイベントは、このような考えのもとに採算度外視で開催を致しました。

実際に開催した結果を振り返ると、改善事例の共有への期待を大きく感じた一方で、当初から懸念していた「発表に費やす企業様側の工数の問題」「機密情報の問題」など、課題もたくさん見えて参りました。これらは引き続き今後の継続開催に向けた課題となると考えています。

ただ、「色々制約があるから難しいよね」というだけでは発展はないと思います。より多くの企業様がご参加いただけるイベントとして、より良い形で開催が出来るように試行錯誤を行っていきたいと思います。

今回参加できなかった方も、是非次回はご参加頂けたら嬉しいです。そして、発表企業様、募集しています!

以上、第1回カイゼン事例大会のレポートです。第2回へ向けて、引き続きチャレンジして参ります!!!

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5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の定義や効果、取り組みのポイントを解説 https://kaizen-base.com/column/31305/ Wed, 03 Nov 2021 08:20:45 +0000 http://kaizen-base.com/wp/?p=31305

5Sとは?5S活動とは?

5Sとは?

5Sとは、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)をローマ字読みした際の頭文字の「S」を取ったものです。躾は、「習慣化(Shukanka)」と表すこともあります。仕事を行う上で、モノや情報を常に取り扱い易い状態にするための取り組みのことで、職場環境の維持・改善を目的として用いられるキーワードです。

ちなみに、整理、整頓、清掃、清潔、躾を英語で表すと、下記のようになります。全て「S」から始まるため、英語でも5Sと呼びます。たまたま一緒になったというよりも、英語でも5Sとなるように単語が選定されたと言った方が正しいかもしれません。ここではまずは、「5S」というキーワードは、日本だけではなく、世界でも共通用語として使われていると覚えておきましょう。

英語でも5S

整理(Seiri)・・・Sorting
整頓(Seiton)・・・Setting-in-order
清掃(Seisou)・・・Shining
清潔(Seiketsu)・・・Standardizing
躾(Shitsuke)・・・Sustaining

仕事の効率を上げるための5S活動

企業において、モノや情報を利用する際には、必要なものがどこにあるのかが、誰でも一目で分かるようになっていることが大切です。必要なものがすぐに見つからないと、仕事の効率が悪化します。また、間違いやミスが増えてしまうことで、品質においても安全においてもリスクがある状態になってしまいます。

そのため、多くの企業では、5S活動という名のもとに、職場のモノや情報を適切な状態に維持する取り組みを行っています。5Sレベルが高い職場は、働きやすく、かつ仕事の効率が良いと言われています。

以降では、仕事の効率を向上させる「5S」について、その定義やポイントについて解説していきます。

5Sの定義

それではまずは、それぞれの一般的な定義を説明していきます。

5Sの定義

整理(Seiri)とは?

整理とは、必要な物と不要な物を明確に区分し、不要な物を捨てることです。「1Sする」というのは、一般的に、「整理をする」という意味で使います。

整理(1S)の定義とポイント

整理(Seiri)のポイント ~① 不要なモノの区分~

整理のポイントの1つ目は、不要なモノの区分が明確になっていることです。

「必要なモノと不要なモノの区分が明確になっているか。」
「いつかはどれも必要になるものと思って、とりあえず保管することが常態化していないか。」
といった視点で整理を進めていきましょう。

「いつか使えるかもしれない」のも分かりますが、それを言い訳に整理が進まない職場になってはいけません。
「迷ったら自分がお金を払ってでもほしいと思わないモノは捨てる」ことが原則です。

判断を先送りにしないように心掛けていきましょう。

整理(Seiri)のポイント ~② 赤札(あかふだ)~

整理におけるポイントの2つ目は、赤札です。

赤札とは、5S活動において、主に整理を行なう際に用いられる「不要品に貼る付ける札」のことです。材料、部品、機械、設備、治工具に加え、資料、文書等、あらゆる業務に関わる「不要品」が一目で分かるように「赤札」を貼り、赤札が貼られた物は速やかに処分していきます。

赤札を使った「整理」活動を継続的に行なうことにより、必要なものだけが職場にある状態を維持していくことが狙いです。

赤札とは

整頓(Seiton)とは?

整頓とは、必要なモノを、必要な時に、誰でも使えるようにすることです。「2Sする」というのは、一般的に、「整理整頓をする」という意味で使います。

整頓が進んでいない職場でよく出てくるNG発言があります。それは、

  • 自分はどこに何があるか把握しているから、これ以上の整頓は不要だという発言。
  • 作業者によって必要なモノが異なるので、整頓なんて出来ないという発言。
  • この散らかっている状態は一時的なものだから、問題ないという発言。

これらは、単なる言い訳にしか過ぎません。整頓を進める上では、「新人でも誰でも探さず・迷わず使えるような状態をつくる」ことを目指さなければなりません。

整頓(2S)の定義とポイント

整頓(Seiton)のポイント ~2S3定/3定管理~

整頓を進める上でポイントになるのが「2S3定/3定管理」です。

2S3定/3定管理とは、「何が」を表す定品、「どこに」を表す定位、「いくつ」を表す定量の“3つの定”を取った管理方法のことです。2S3定/3定管理は、5S活動の中で最重要の取り組みの1つです。

モノの置き場は、3定がしっかりとあってはじめて「異常状態に気付く」ことが可能になります。5S活動と言ったら「2S3定」と言われるほど重要なポイントです。確実に覚えるようにしましょう。

2S3定/3定管理に関して、詳しくは、下記のページで解説していますので、ご存知ない方はご一読ください。

こちらをチェック!

[reg-bnr]2S3定(にえすさんてい)/3定管理・三定管理(さんていかんり)とは あなたの会社、職場では、5S活動を行なっていますか?5S活動では、どんな取り組みに力を入れていますか? 5S活動においては、赤札作戦や一斉清...

整理整頓されて工場のイメージ画像
3定管理とは

清掃(Seisou)とは?

清掃とは、整理整頓された職場をキレイに維持し、点検により異常に気付くことです。「3Sする」というのは、一般的に、「整理整頓に加え、清掃まで行なう」という意味で使います。

徹底的な清掃を継続的に行なうことで、設備や職場環境等の異常箇所の発見に繋がります。

清掃(3S)の定義とポイント

清掃(Seisou)のポイント ~清掃は点検なり~

掃除と清掃は異なりますが、何が違うか説明できますか?

それは、掃除とは、掃き汚れを取り除くという動作であるのに対し、清掃とは、掃き清めることをいいます。つまり、ただ形だけの意味のない掃除、隅々までやり遂げるという意志のない掃除は清掃とは言えません。

よくある悪い事例としては、掃き掃除がしやすい箇所だけを掃除し、掃除がしにくい所、既に埃が堆積している所は見て見ぬふりというケースです。「職場をキレイにする」という意思をしっかりと持ち掃除をすることで、初めて清掃になるのです。

そして、徹底的な清掃を継続的に行なうことで、設備や職場環境等の 異常箇所の発見に繋がっていきます。これが本来の清掃の目的であり、「清掃は点検なり」と言われる所以です。

清掃と点検を組み合わせた「清掃点検表」は、このスライドのようなもので表されます。Excelデータが下記のページからダウンロードできますので、是非ご活用ください。

清掃点検チェック表

清潔(Seiketsu)とは?

清潔とは、3Sが維持管理できる仕組みをつくり、職場を正常状態に保つことです。
「維持管理」という部分がポイントです。
「4Sする」というのは、一般的に、「3Sをただ行なうだけでなく、仕組みづくりまで行なう」という意味で使います。

清潔(4S)の定義とポイント

清潔(Seiketsu)のポイント ~原因を深掘りして予防~

清潔の秘訣は2つあります。

1つは「要らない物が出ない、乱れない、汚れない」ように原因を深掘りすることです。このためには、予防整理、予防整頓、予防清掃を行っていかなければなりません。

もう1つは、5Sレベルを客観的に評価できる仕組みをつくることです。

そのためには、下記の取り組み等をおこなっていく必要があります。

  • 5S委員会の設置
  • 5S統一基準の作成
  • 5Sチェックリスト作成とパトロール実施
  • 5Sレベルの見える化

躾(Shitsuke)とは?

躾とは、ルールを守り、自主自律的に5Sを推進できる人材を育成することです。
「自主自律」という部分がポイントです。
「5Sする」というのは、「5Sに関わることを行なう。」「4Sに加えて躾まで行なう。」という意味で使います。

躾(5S)定義とポイント

躾(Shitsuke)のポイント ~結局は“人”~

整理・整頓・清掃・清潔を実現するのも、維持するのも、壊すのも、結局は“人”です。

つまり、5Sは躾に始まり躾に終わると言っても過言ではありません。どんなに良い方法を採用しても、それを実行する人たちが納得せずに進めていたのでは、すぐに元に戻ってしまいます。

後戻りを防止し、5Sを定着化し、活性化させていくためには、次の取り組みが必要となります。

  • 躾の基本である 叱ることを正しく理解すること。
  • 5Sスローガンを決めて、社員への意識付けを行なうこと。
  • 5S新聞、ポスター等を活用して意識付けを行なうこと。
  • 5S月間、5Sの日を設定して全員で取り組むこと。
  • 5S教育の実施・意識付けを日頃から行なうこと。
  • 5S発表会等の交流の場を設け事例を共有すること。
  • 管理者が意識すべきこと。

これらのことを地道に愚直に徹底的に行なっていくことで、本物の5S活動になり、定着化、活性化へ向かっていきます。

以上の5Sの定義から分かるように、5S活動は単なる職場の美化活動ではありません。キレイにするだけでなく、仕組みづくりや人材育成まで含めた活動となります。

自社流の5Sの定義を設定している事例

定義は自分達の言葉で

5Sの定義は、本に載っているものをそのまま使うのではなく、“自社流にアレンジ”し、会社、職場の想いを吹き込むことがおススメです。

例えば、ある食品会社では、5Sの定義を次のようにアレンジしています。

清掃は、「清掃、洗浄、殺菌により職場の微生物が基準以下の状態を維持すること」と定義し、
清潔は、「3Sが維持出来る仕組みをつくり、微生物レベルで職場をキレイに保つこと」と定義しました。
これは、「自分達の工場では、食品を扱っている」という意識を強く持つことを狙いとし、微生物という圧倒的なレベルでキレイな職場にしようという想いが込められています。

5Sの定義は、“自社流にアレンジ”し、会社、職場の想いを吹き込みましょう

組立工場における定義の事例

もう1つ、ある組立工場における定義の事例を紹介します。

この会社では、5S活動を発展させ、7S活動として取り組んでおり、大きな成果を上げています。それぞれの定義について説明します。

整理 「何が不要か誰でもすぐに判断できる職場をつくる。」
これは、不要と判断できないから不要物が溜まってしまう、という風習を打破したい、という想いが込められています。

整頓 「新人でも研修生でも迷わず働ける職場をつくる。」
この会社では、外国人研修生も多数在籍しており、日本語が十分に分からない人でも、迷わず作業ができるようにしたい、という想いが込められています。

清掃 「こまめな清掃で異常がすぐに気付く職場をつくる。」
これは、異常は現場の作業者が率先して見つける意識を高めたい、という想いが込められています。

清潔 「徹底的な仕組み化により、乱れない・汚れない職場をつくる。」
これは、なぜ乱れたり、汚れたりしてしまうのか、深掘りをする意識を高めてほしい、という想いが込められています。

躾 「社員全員が7Sを理解し説明できる職場をつくる。」
これは、一部社員だけでなく、全員が同じ目線で7Sに関する会話ができるように、という想いが込められています。

安全(セーフティー) 「ヒヤリハットが一切発生しない職場をつくる。」
これは、5S状態は安全にも直結することを意識させるために、追加した定義です。

笑顔(スマイル) 「苦しい時こそ笑顔で改善を進める職場風土をつくる。」
これは、職場の雰囲気が明るくなるように笑顔を意識して欲しい、という想いが込められています。

本気で5S活動を行なっている会社では、定義1つを取っても、しっかりと自分達の想いが入っています。あなたの会社・職場では定義は決まっていますか?トップを初め、自分達の想いが込められたものになっていますか?

組立工場における定義の事例

5Sの対象になるもの

5Sの対象になるものは何か、4Mと1Iの視点で確認していきましょう。

4Mと1Iの視点

4Mとは、人(Man)、モノ(Material)、設備(Machine)、作業方法(Method)の視点のことです。

  • 人(Man)・・・「挨拶の習慣付け」「ルール遵守の習慣付け」「5Sに対する意識付け」等が対象になります。
  • モノ(Material)・・・「備品、治工具、台車」「製品、仕掛品、原材料」等が対象になります。
  • 設備(Machine)・・・「機械、設備、運搬車両」「パソコン、電話機」等が対象になります。
  • 作業方法(Method)・・・「各作業の手順書、処理業務の方法」「行っている業務自体」「ルール、判定基準」等が対象になります。

ここで覚えておきたいポイントとしては、5Sはモノや設備だけでなく、習慣付け等の人に関することや、その業務自体、手順・判定基準などの作業方法に関することも対象になるということです。

また、情報(Information)の視点からも、「パソコン内のデータ」「稼働データ、顧客情報」「記録表」等も5Sの対象になります。

もうお分かりだと思いますが、5Sは会社で行なう全ての仕事に関係していることになります。つまり、5S活動は現場だけの活動ではなく、間接部門や営業部門等、会社のあらゆる部門で取り組みを行わなければいけないものになります。

5Sの対象になるもの

5S活動の目的とは?

儲け続ける強い会社の共通点、5Sが定着している職場の特徴、5S活動の本質は何かについて解説していきます。

儲け続ける強い会社の共通点が5S力

工場の利益と製造基礎力

まずは、「儲け続ける強い会社の共通点」について説明します。

「儲け続ける強い会社」、つまり「ムダの少ない会社」には、必ずと言っていい程、ある共通点があります。それは、「管理のベースに5Sがしっかりと定着している。」ということです。

スライドの真ん中のピラミッドを見てみましょう。企業は次のような順番で会社の利益に繋がっていきます。

まず、作業手順や業務の決め事等、守るべきルールが明確になっていること。
そして、守るべきルールを守る習慣が出来ていること。
そして、新人でも誰でも 同じように仕事をすることが出来ること。
そして、ムダが無く、常に改善が進んでいること。
そのことにより、達成感のある職場であること。

これらのことが、会社の利益に繋がっていきます。この中で、特に土台の部分は、5Sをはじめとする「製造基礎力」です。この土台がどのくらいしっかりとしているかで、企業の利益の大きさが、変化すると言っても過言ではありません。

儲け続ける強い会社は管理のベースに5Sがしっかりと定着している

儲け続ける強い会社へ

なお、5S活動では、ムダやロス、ミスが削減されていくプロセスを通じ、社員に信頼感・達成感が共有され、良き企業風土の醸成が期待できます。今一度、5Sへの意識改革により「儲け続ける強い会社」への変革を目指していきましょう!

5Sへの意識改革で儲け続ける強い会社へ変革しよう!

5Sが定着している職場の特徴

簡易版5S定着度チェック項目

では、次に、「5Sが定着している職場の特徴」について説明します。

それでは、5Sが定着している会社には、どのような特徴があるのか、簡易版の5S定着度チェック項目を使い、確認していきましょう。あなたの職場では、何個当てはまるか、考えてみてください。

① モノの状態、計画や進捗が誰でも一目で分かる。
② 職場の清掃が行き届き清潔感がある。
③ 社員が5Sを守れる仕組みがある。
④ 社員に活気があり、明るい。
⑤ 5Sの定義を全社員が説明できる。
⑥ 定期的に5Sのイベントを行なっている。

いかがでしょうか。あなたの職場では、どのくらい特徴が当てはまっていましたか?1個でもバツが出たら、要注意。今すぐ5Sへの意識改革が必要です。

簡易版5S定着度チェック項目

5S活動の本質とは

形式的な活動にしてはいけません

5S活動において注意したいことは、活動を形式的なものにせず、本質的な活動にしていかなければいけない、ということです。言うまでもなく、ただの形式上の5S活動では、ムダも無くならず、会社の利益に繋がることもありません。

5S活動がうまくいっていない職場では、次のような言い訳が沢山出てきます。

  • 5Sは収益改善に結びつかないから、怒られないくらいにやっておけばいいや。
  • 5Sをやると余計な時間が発生するから、忙しい時は業務を優先しよう。
  • 物の置き場は自分が理解していれば十分。これ以上管理をする必要はない。

これらの発言は、完全に間違いです。
これらのような発言が出てくる職場では、社員は5S活動を形式上のもの、あるいは、やらされている活動と認識している可能性があります。

5Sを形式的な活動にしてはいけません

あくまでも5S活動の本質は、社員の“考え方”や“行動の質”を変え、それによりモノ・設備・業務進捗・情報等の管理レベルの基礎を向上させることで、社員がイキイキと仕事ができ、それが会社収益の向上に繋がる事です。

5S活動の本質

5Sは業務の一部

5Sは業務の一部です。「忙しいから業務を優先する」、という発想自体がナンセンスであることを、しっかりと認識するようにしましょう。そして、全員参加で儲ける5Sを推進していきたいですね!

5Sは業務の一部

5Sの効果について

5Sの効果として当てはまるものはどれ?

5Sはなぜ必要なのでしょうか?自信を持って答えられますか?

次の問いを考えてみましょう。①~⑤の中で、5Sの効果として当てはまるものはどれでしょうか。当てはまるものを全て選んでください。

① 5Sが徹底された職場は、災害が少ない
② 5Sが徹底された職場は、生産性が高く、ロスが少ない
③ 5Sが行き届いた職場は、クレームが少ない
④ 5Sが徹底された職場は、社員のまとまりがある
⑤ 5Sが行き届いた職場は、社員の充実度が高い
5秒間考えてください。

正解は、全て「当てはまる」でした。意外でしたか?予想通りでしたか?

以降では、5Sと安全、品質、生産性が、どのように関係しているのかについて重点的に説明していきます。

5Sはなぜ必要なのでしょうか?自信を持って答えられますか?

5S不足により発生する各種のムダ

5S不足とムダ

5S不足により、次のようなムダが発生してきます。それは、探すムダ、運搬・移動のムダ、手待ちのムダ、在庫のムダ、仕事自体のムダ、不良・ミスのムダ、聞く・聞かれるムダ、等です。

これらのムダは整理、整頓、清掃、清潔、躾のどれが不足しても発生してきます。

例えば、整理が不足すると、探すムダが発生するのは当然ですが、どこにあるのかを聞いたり聞かれたりするムダが発生します。また、管理の仕組みが出来ていない等の清潔不足では、本来不要な作業をやっているというような、仕事自体のムダが発生します。

このように、5S不足により、あらゆるムダに直結するのです。そして、これらのムダを徹底的に排除することにより、コスト低減、生産性向上、不良低減、故障低減、安全性・安心向上、意欲向上、顧客評価向上、次世代人材育成に繋がっていくのです。

5S不足により発生する各種のムダ

5Sと安全の関係

安全の土台は5S

また、あなたもお分かりのように、5S不足は、事故や災害に直結します。

例えば、

  • 油漏れや水漏れにより、滑って怪我をすることに繋がってしまいます。
  • 切粉や粉塵が飛散することで、目に入って災害になることがあります。
  • 素手で触れてはいけない物がすぐそばに置いてあることで、火傷・怪我に繋がります。
  • 清掃し難い設備の中を清掃することで、角に頭をぶつけて怪我をしてしまうかもしれません。
  • 火気がある場所で油漏れが発生することで、工場火災のリスクが生まれます。
  • 粉塵や油煙により、環境汚染・公害に繋がります。

このように、5S不足の状態は、事故、災害のリスクを持っているのと同じことなのです。そして、5Sを徹底して進めている職場では、あえて安全注意と言わなくとも、怪我や災害が減っていく傾向にあります。

つまり、安全の土台は5Sの徹底なのです。

5Sと安全の関係

5Sと品質の関係

5S不足が大問題に

安全と同様に、品質も5Sと密接な関係があります。

例えば、

  • 電子・精密機器部品では、ゴミ・埃・髪の毛等が製品不良の元になります。
  • 食品業界では、ゴミ・埃・髪の毛が顧客クレームに直結します。また、1つのルール違反が会社を揺るがす大問題に発展することがあります。
  • 加工工程では、切粉やバリ等により加工精度を落とすことに繋がります。
  • 組立工程では、落下部品の拾い込みや、異種部品組立、誤品出荷等が発生します。

このように、決めたことを決めた通りに実施しなかった等、5Sを疎かにしたことで発生した不良・損失は、過去に数えきれません。

5Sと品質の密接な関係

5S不足が大問題に

たかが5Sと思ってしまい、ルールを疎かにしたことで、会社自体が傾いた事例は枚挙に暇がありません。あなたの会社ではこのような大問題が発生するリスクが潜んでいないか、日々意識して職場を観察するようにしていきましょう。

ルールを疎かにして会社自体が傾いた事例は枚挙に暇がありません

5Sと生産性の関係

工具探しで試してみよう

次に、5Sと生産性の関係について説明します。当然のことながら、5Sは生産性・効率にも直結します。

ではここで、整理整頓の徹底で本当にロスが少なくなり、効率が上がるのか、工具探しを題材に試してみましょう。

5Sと生産性の関係

次のスライドで、一番小さいスパナを探してください。何秒くらい掛かるでしょうか?

一番小さいスパナを探してください

恐らく、この2つのうちどちらかを選んだと思います。どちらが正解でしょうか?

どちらが正解でしょうか?

正解は、左側にあったスパナでした。正解出来ましたか?もし、間違って工具を取り出してしまったら、探す時間に加えて、更にロスが発生してしまいますね。

正解は、左側にあったスパナでした

さて、あなたは探すのに何秒掛かったでしょうか。今回の場合、平均すると、10秒くらいの時間が掛かっている方が多いと思います。

では、スパナ探しの年間コストを計算してみましょう。計算の前提条件として、
「1日10回スパナを使用する」
「職場内で10名がスパナを使用する」
「1時間あたりの労務費2000円、年間200日の稼働日」
と仮定します。では、10秒間で計算してみてください。計算できましたか?正解は、このような計算式になり、11万円強となりました。

スパナ探しの年間コストを計算してみましょう

では次に、整理整頓された状態では、どのくらい探す時間が短縮されるか、確認してみましょう。

整理整頓された状態では、どのくらい探す時間が短縮されるか、確認してみましょう

先程と同じように、一番小さいスパナを探してみてください。と言っても、カウントを数えるまでもなく、もう見つかりましたよね?

一番小さいスパナを探してみてください。と言っても、カウントを数えるまでもなく、もう見つかりましたよね?

先程と比べていかがでしたか?恐らく1秒あれば探すことが出来たと思います。

同じようにコストを計算すると、このように、1万1千円強となりました。

以上の計算から、整理整頓前後の差額を計算すると、10万円もの金額になりました。いかがですか?この金額は多いと思いますか?大したことはないと思いますか?恐らくほとんどの方が意外と高い金額が発生していると感じたと思います。

整理整頓前後の差額を計算すると、10万円もの金額になりました

今回は1つの職場で10人と仮定してシミュレーションをしてみました。

1つの職場での探すロスが10万円だとしても、これがもし10個の職場で発生しているとすると、100万円になります。それを10年間で計算すると、何と1000万円ものコストが発生していることになります。たかが整理整頓と言っても、馬鹿に出来ないくらいのロスコストが発生してしまうことが分かったと思います。

このように、整理整頓は、生産性向上、コスト低減に直結するのです。あなたの職場では、どんな「探すロスコスト」が発生しているか、一度洗い出しをしてみましょう。

たかが整理整頓と言っても、馬鹿に出来ないくらいのロスコストが発生しますね!

5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の定義や効果、取り組みのポイントのまとめ

以上で学んだことをまとめてみましょう。

5Sとは?5S活動とは?

  • 5Sとは、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)をローマ字読みした際の頭文字の「S」を取ったもののこと
  • 英語でも5S(整理:Sorting、整頓:Setting-in-order、清掃:Shining、清潔:Standardizing、躾:Sustaining)
  • 多くの企業では、職場のモノや情報を適切な状態に維持する5S活動の取り組みを行ってる
  • 5Sレベルが高い職場は、働きやすく、かつ仕事の効率が良い

5Sの定義とは

  • 整理とは、必要な物と不要な物を明確に区分し、不要な物を捨てること
  • 整頓とは、必要なモノを、必要な時に、誰でも使えるようにすること
  • 清掃とは、整理整頓された職場をキレイに維持し、点検により異常に気付くこと
  • 清潔とは、3Sが維持管理できる仕組みをつくり、職場を正常状態に保つこと
  • 躾とは、ルールを守り、自主自律的に5Sを推進できる人材を育成すること
  • 5S活動は現場だけではなく、間接部門や営業部門等、会社のあらゆる部門で取り組みを行わなければいけない

5Sの目的とは

  • 儲け続ける強い会社の共通点が5S力
  • 5S活動では、ムダやロス、ミスが削減されていくプロセスを通じ、社員に信頼感・達成感が共有され、良き企業風土の醸成が期待できる
  • 5S活動の本質は、社員の“考え方”や“行動の質”を変え、それによりモノ・設備・業務進捗・情報等の管理レベルの基礎を向上させること
  • 社員がイキイキと仕事ができ、それが会社収益の向上に繋がる5S活動を進めていくことが大切
  • 「忙しいから業務を優先する」という発想自体がナンセンス。全員参加で儲ける5Sを推進していていくことが大切

5Sの効果とは

  • 5Sと安全、品質、生産性は密接に関係している
  • 5S不足により、探すムダ、運搬・移動のムダ、手待ちのムダ、在庫のムダ、仕事自体のムダ、不良・ミスのムダ、聞く・聞かれるムダに繋がる
  • 5S不足の状態は、事故、災害のリスクを持っているのと同じ
  • 決めたことを決めた通りに実施しなかった等、5Sを疎かにしたことで発生した不良・損失は、過去に数えきれない
  • たかが整理整頓不足と言っても、積み重なれば馬鹿に出来ないくらいのロスコストが発生する

5Sは企業の土台と言えるもの。たかが5Sとは思わずに、仕事の一部として、しっかりと5Sを進めていくことが大切ですね。また、一部の人だけが行うのではなく、全員参加で5S活動を推進していくことが、非常に大切になりますね!

「5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の定義や効果、取り組みのポイント」に関する教材ダウンロード

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5Sの定義
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整理整頓における2S3定、3定管理のポイント(姿置き、形跡整頓) https://kaizen-base.com/column/31308/ Wed, 03 Nov 2021 08:20:44 +0000 http://kaizen-base.com/wp/?p=31308

2S3定(にえすさんてい)/3定管理・三定管理(さんていかんり)とは

あなたの会社、職場では、5S活動を行なっていますか?5S活動では、どんな取り組みに力を入れていますか?

5S活動においては、赤札作戦や一斉清掃など、さまざまな取り組みが行われておりますが、中でも最重要と言われているものが、「3定管理」です。

3定管理とは、「何が」を表す定品、「どこに」を表す定位、「いくつ」を表す定量の“3つの定”を取った管理方法です。3つの「定」を明確にした物の置き方をすることで、物の置き場が乱れない状態をつくり維持することを狙いとしています。2S(整理整頓)において3定は重要なキーワードであることから、「2S3定」と呼ばれています。5S活動と言ったら「2S3定」と言われるほど重要なポイントであると覚えておきましょう。

2S3定/3定管理とは

物の置き場を見た時、3定が明確になっていなければ、「物がない」のかすら判別できません。
元々必要な物が準備されていないのか、本来は置いてあるはずのものが今現在使用中で無いのかが分からないと、考えるムダ、探すムダ、聞くムダなど様々な無駄につながってしまいます。

つまり、3定があってはじめて、異常な状態に気付くことができるのです。作業では「標準」がないと、良いのか悪いのかが分からないのと同じで、物の置き方でも3定という「標準」が必要だということですね。

3定管理により、何がどこに何個置いてある状態が正常なのか、誰でも分かるようになり、作業効率の向上に繋がります。

3定管理は探すムダ、教えるムダを削減する

この写真を見てください。あなたの職場の工具台車は、このような状態になってはいませんか?

この状態では、たとえベテランだとしても、間違いなく探すムダは発生してしまいますよね。いつも置き場が違うため、イチイチ探す時間が出てしまうと、ムダな時間が発生してしまうのはもちろん、気持ちの面でも悪い影響が現れます。

忙しい時には、イライラしてくるのです。「イライラ」は、職場の雰囲気の悪化、人間関係のギクシャク、ミスの誘発等、様々なリスクに繋がります。

3定管理は探すムダ、教えるムダを削減する

そして、新人に対しても、これはスパナ、これはメガネレンチ、といったように、イチイチ全ての工具名を教えなければいけなくなります。いくらOJTが大事とは言え、本来見れば分かるような単純なことをベテランが1つ1つ教える時間は、ムダの1つと認識しなければなりません。

名称などの単純なことはパッと見てすぐに分かるようにしておき、その他ベテランの人でなければ教えられないことに時間を使っていきたいものです。

例えば、勘コツ等の技能に関する部分に対する教育訓練に時間を使うことができれば、会社の将来のための時間に代わっていきます。三定管理は、教育訓練の視点から見ても非常に重要であることを、特に管理者・監督者は認識をしておくことが大切です。

3定管理のレベルは、5S活動のレベルに等しい、もしくは現場力のレベルに等しいと言っても過言ではありません。工場の中に入った瞬間、「あ、この現場は生産性が高いな」と感じる会社では、ほぼ100%この3定管理が定着しています。あなたの会社でも是非こだわりを持った3定管理を推進してみてください。

姿置き(すがたおき)/形跡整頓(けいせきせいとん)とは

3定管理の代表例、姿置き/形跡整頓とは

姿置き/形跡整頓とは、治工具等のモノの整頓方法の一種で、予めそこに置くモノの形の跡を置き場に描いておき、使用したモノを戻す際に、誰でもすぐに戻せる仕組みのこと。2S3定の代表例で、生産現場の治工具だけではなく、事務所における事務用品等にも応用されています。姿置きも形跡整頓も同じ意味ですので、呼びやすい方で構いません。

例えば、工具台車にいて、型をくり抜いておくことで、もとの場所に戻さなければ入らない、あるいは隙間が出来るといった方法があります。また、工具掛けにおいて、工具の形を表示しておき、同じ形の場所に戻すといった方法もあります。

なお、どの方法で姿置きを行なうかは、作業内容や使用頻度、レイアウト等によっても変わってきます。「必ずこの方法でなければならない」というものはありませんので、自職場に合う方法を考えて選定することが大切です。

繰り返しになりますが、これらの工具台車・工具掛けの姿置きにより、「工具の紛失にすぐに気付く」「間違った場所に置いた時にすぐに気付く」といった効果があります。ただし、あくまで姿置きは「迷いや間違いを無くし、効率を高める手段である」ことを忘れないように注意をしましょう。

よくある失敗事例は、形にこだわり過ぎてしまうことです。例えば、作業の中で高頻度で使用するにも関わらず、少し離れた工具掛けに毎回置くというルールを作ってしまったらどうなるでしょうか?

誰も守らなくなってしまい、余計に置き場が乱れてしまいますよね。

従って、無理なルールをつくってしまい、結局誰もルールを守らなくなるようなやり方だけは避けなければいけません。手段が目的とならないよう、作業性の変化や効果の検証を忘れないようにすることが大切です。

姿置き/形跡整頓の事例

この写真は、工具台車や工具掛けの姿置きの事例です。

写真の左の工具台車のように、型をくり抜いておくことで、もとの場所に戻さなければ入らない、あるいは隙間が出来るといった方法があります。また、右の写真の工具掛けのように、工具の形を表示しておき、同じ形の場所に戻すといった方法もあります。

このような状態で現場に物が置かれていたら、見ただけですぐに必要な物が取り出せるので、作業効率の向上はもちろん、イライラせずに仕事ができるというメリットもありますね。自分の職場でもこのような形跡整頓(姿置き)を活用できないか、検討してみましょう。

工具台車・工具掛けの姿置き事例

4定管理、5定管理、6定管理とは?

それぞれの「定」は何を指す?

3定管理は、5S活動においても最重要になる取り組みであることをここまでの解説で確認しました。

さて、実は3定管理からさらに発展させた形である、4定管理、5定管理、6定管理とは何か知っていますか?4定、5定、6定と呼ぶ場合には、下記の3つを追加します。

・定方向(どの向きで)
・定高(どの高さまで)
・定時(どのタイミングで)

三定管理、四定管理、五定管理、六定管理とは

多くの場合、3定にこれらのどれかを1つを加えて「4定管理」、2つを加えて「5定管理」、全て加えて「6定管理」と呼んでいます。

つまり、下記となります。
4定管理 ・・・ 「定品、定位、定量、定方向」 or 「定品、定位、定量、定高」 or 「定品、定位、定量、定時」
5定管理 ・・・ 「定品、定位、定量、定方向、定高」 or 「定品、定位、定量、定方向、定時」 or 「定品、定位、定量、定高、定時」
6定管理 ・・・ 「定品、定位、定量、定方向、定高、定時」

会社によってどのような定義にしているかは異なります。3定より4定の方が優れているというものではなく、どんなことに意識を高めたいかで定義をしていけば良いでしょう。

自職場では何が必要か考えることが大切

例えば、大物の置き場が多く、水平直角な物の置き方を意識させたい場合は「定方向」を加えたりします。

高さ制限がなかなか守られずに苦労していて、それを意識させたい場合は「定高」を加えたりします。

また、ジャストインタイムに取り組んでいる会社等では、物を決められた時間・タイミングに動かすことが求められます。その「時間」に対する意識を持たせるために、「定時」を加えることもあります。

以上のように、4定、5定、6定で何を定義するのか、明確なルールは存在しません。もちろん、「六定の方が多いから良いんだ」なんてこともありません。どんな定義にしても間違いではありませんので、自職場で必要なことを考えた上で、「自分たちの〇定はこれだ」を納得感を持って決めていくことが大切となります。

2S3定/3定管理のポイントのまとめ

以上で学んだことをまとめてみましょう。

2S3定/3定管理とは?

  • 3定管理とは、「何が」を表す定品、「どこに」を表す定位、「いくつ」を表す定量の“3つの定”を取った管理方法のこと
  • 3つの「定」を明確にした物の置き方をすることで、物の置き場が乱れない状態をつくり維持することを狙いとしている
  • 2S(整理整頓)において3定は重要なキーワードであることから、「2S3定」と呼ばれている
  • 5S活動と言ったら「2S3定」と言われるほど重要なポイント
  • 3定管理は探すムダ、教えるムダを削減する

姿置き/形跡整頓とは

  • 姿置き/形跡整頓とは、治工具等のモノの整頓方法の一種で、予めそこに置くモノの形の跡を置き場に描いておき、使用したモノを戻す際に、誰でもすぐに戻せる仕組みのこと
  • 2S3定の代表例で、生産現場の治工具だけではなく、事務所における事務用品等にも応用されている
  • 姿置きも形跡整頓も同じ意味なので、呼びやすい方でOK
  • 姿置きにより、「工具の紛失にすぐに気付く」「間違った場所に置いた時にすぐに気付く」といった効果がある
  • 形にこだわり過ぎてしまうと、誰も守らなくなってしまい、余計に置き場が乱れてしまうので注意
  • 手段が目的とならないよう、作業性の変化や効果の検証を忘れないようにすることが大切

4定管理、5定管理、6定管理とは

  • 3定管理に、定方向(どの向きで)、定高(どの高さまで)、定時(どのタイミングで)を追加したもの
  • 3定より4定の方が優れているというものではなく、どんなことに意識を高めたいかで定義をしていく

いかがでしたか?たかが3定管理、されど3定管理。5S活動をこれから本格的に進めようとしている会社はもちろん、長年活動しているけれどもマンネリ化してしまっている会社では、今一度この3定管理をこだわりを持って徹底的に行なってみてください。

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標準3票とは?工程別能力表、標準作業組み合わせ票、標準作業票について解説 https://kaizen-base.com/column/31459/ Wed, 03 Nov 2021 08:20:33 +0000 http://kaizen-base.com/wp/?p=31459

標準3票とは?

標準3票とは、標準作業を構築する上で役に立つ、工程別能力表、標準作業組み合わせ票、標準作業票の3つのツールのことです。繰り返し作業における標準作業を見える化する際、この標準3票は活用頻度が高く、トヨタ生産方式における代表的なツールでもあります。

本ページでは、標準3票とは何か、どのように作成を行うのかについて解説していきたいと思います。

標準作業とは

まずは、標準作業についておさらいです。
標準作業とは、人の動き、モノ、設備の、最も効率の良い組合せを考え、良い品物を、より早く、安全に、ムダ無く造るための作業方法のことです。

モノの造り方のルールの明確化や改善のツールとして、標準作業は非常に重要な考え方になります。

標準作業には、「タクトタイム」「作業順序」「標準手持ち」の3要素と呼ばれるものがあります。詳細は下記のページで解説していますので、分からない方はチェックしておきましょう!

こちらをチェック!

[reg-bnr]標準作業とは 標準作業の定義と目的 標準作業とは、人の動き、モノ、設備の、最も効率の良い組合せを考え、良い品物を、より早く、安全に、ムダ無く造るための作業方法のことです。 標準作業を構築し、運用す...

標準作業_kaizenbase

標準作業のタイプと帳票

さて、標準3票を説明する前に、前提となる考え方を整理しておきたいと思います。

仕事には様々な種類のものがありますよね。繰り返しの作業や、定期的に行う作業、1回だけの作業など、工程の違い等により様々です。

そこで、標準作業は、3つのタイプに分けて考えていきます。ほとんどの作業は、次の3つのタイプのいずれかに該当するはずです。それぞれを確認してみましょう。

タイプⅠ

標準作業の3要素を用いて、繰り返し標準作業が組める工程がタイプⅠです。

タイプⅠは、タクトタイムが明確に設定される工程です。1個当たりの時間が明確に設定されており、「日当たり何個造る」というような扱いの製品が主な対象です。

こういった工程では、タクトタイム=サイクルタイムが理想となります。標準3票はこのタイプⅠで活用する帳票です。

タイプⅡ

タクトタイムは算出できるものの、組合せ種類が多く1人分の作業量を書き表しにくい工程がタイプⅡです。

タイプⅡは、タクトタイムを加重平均でも表すことができる工程です。タイプⅠと同様に、基本的には、タクトタイム=サイクルタイムが理想となります。

タイプⅡで使われる帳票には、作業手順書、標準作業組合せ票、山積表(工程編成ボード)、要素作業票が挙げられます。

タイプⅢ

非繰り返し作業を行なっている工程がタイプⅢです。

タイプⅢでは、総負荷量=定時となっているのが理想です。

タイプⅡで使われる帳票には、作業手順書、山積表(負荷表)、稼働分析表が挙げられます。

タイプⅠで活用する帳票である標準3票を確認!

ということで、そもそも標準作業には3つのタイプがありますが、その中で標準3票は、タイプⅠで活用する帳票であることを覚えておきましょう。つまり、どんな工程にでも使えるわけではなく、繰り返し作業において活用する帳票です。

それではここからは、標準3票(工程別能力表、標準作業組み合わせ票、標準作業票)について概要と作成方法を解説していきます。

標準作業のタイプと帳票

工程別能力表とは?

工程別能力表は、機械別の生産能力の基礎になる(つまり機械別の標準工数を見える化する)情報ツールです。部品毎の工程の生産能力が把握でき、標準作業組合せ票を作成する時の基準になります。

工程別能力表では、手作業時間、機械の自動送り時間及び刃具交換時間等を記入し、工程の能力を算出していきます。機械・設備の生産能力を明確化することにより、ボトルネック工程を明らかにし、投資や改善の対象を決める際等の判断基準に用いることができるのです。

工程別能力表を作成する目的

次のことを目的として工程別能力表を作成します。

  • 各工程の機械・設備の生産能力を明確にする
  • ボトルネック工程を明らかにする
  • ボトルネック工程に対し、作業時間の短縮、動作改善による生産能力の増強を検討する
標準3票の工程別能力表とは

標準作業組合せ票とは?

標準作業組合せ票は、タクトタイムを基準として、人の動きと機械の動きを組合せ、1人がどれだけの範囲を担当し、作業の順序をどのように行なうかを決めるツールです。

標準作業組合せ票では、標準作業を行なう「人」と「設備」の動きの組み合せを描きます。タクトタイムを基準とし、誰がどれだけの範囲を受け持ち、どのような手順で作業をするか決定することができます。

標準作業組合せ票を描くと、作業手順と作業時間の経過が容易に判断できるので、作業改善の切り口を見つけるために有効です。また、一定期間が経過した後も、この票と現状の作業の違いを容易に判断することができるのです。

標準作業組合せ票を作成する目的

次のことを目的として標準作業組合せ票を作成します。

  • 作業順序と作業時間の経過が一目で容易に判断できる
  • 作業改善の切り口を見つけるためにも大変有効なツール
  • 教育訓練の際、標準作業組合せ票に対して、どこが不足しているか客観的に判断できる
標準作業組合せ票を作成する目的

標準作業票とは?

標準作業票は、作業者毎の作業範囲、標準作業の3要素 (タクトタイム、作業順序、標準手持ち)を図示したものです。

主に作業動線の問題点を見つけるツールです。品質確認、安全注意等の記号も記入していきます。

標準作業票では、工程内の設備の配置、作業者の動線を1枚のシートに描いていきます。作業範囲と標準作業の3要素、タクトタイム・作業順序・標準手持ちが記載されます。管理者が原則として作成し、現場に掲示することで、改善のツール・管理のツール・指導のツールとして活用できます。

標準作業票とは

工程別能力表の作成方法

それではここからは、工程別能力表の作成方法について確認していきたいと思います。

工程別能力表の基本フォーマット

このスライドに示すものが基本フォーマットです。各項目について確認していきましょう。

工程別能力表の基本フォーマット

工程別能力表作成の手順

品番、型式、品名、個数を記入

  • 品番、型式、品名、個数を記入します
  • 改定があった場合は、改定に赤〇を付け、改定日を下に赤で記入します
      例)2014年 4月1日
        2015年12月3日
品番、型式、品名、個数を記入

工程の順番、工程名称、機番を記入

  • 工程の順番を記入します
  • 工程名称(●●工程、〇〇加工機、◎◎測定機 etc.)を記入します
  • 機番を記入します。機番が無い場合は記入不要です
工程の順番、工程名称、機番を記入

手作業時間を記入

  • 作業者が行なう手作業時間を測定して記入します(工程間の歩行時間は含まず書きます)
手作業時間を記入

自動送り時間を記入

  • 起動スイッチが入った瞬間から、自動送りが全て完了し、次のワークの手作業が出来るまでの時間を測定し記入します
自動送り時間を記入

完成時間を記入

  • 部品を加工するために必要な時間を記入します(手作業時間+自動送り時間)
完成時間を記入

刃具交換等を記入

  • 刃具交換や小物部品交換時間を測定して記入します
  • 例えば、工順1の場合、刃具交換は100個に1回、1分5秒掛かるということになります
  • 個当たり刃具交換時間は自動計算されるようにしておきましょう
刃具交換等を記入

加工能力を記入

  • 各工程に対して、一番能力が小さい(数字が小さい)工程の数値を書きます
  • この工程がボトルネック工程になります
  • 加工能力は、下記の式で計算します
    =定時480分×60秒/(完成時間+個当たり刃具交換時間)
    ※加工能力は自動計算されるようにしておきましょう
加工能力を記入

備考を記入

  • 結果を可視化している部分です(ボトルネック工程が長くなります)
  • 手作業は実線、自動送りは破線で描き、それぞれの線の上に数値を記入していきましょう
備考を記入

品質チェック等を記入

  • 品質チェック等において、何回かに1回行なう場合は、その数字を記入します
  • 例えば、5回に1回の場合は、品質チェック(1/5)となります
品質チェック等を記入

工程別能力表のテンプレートのダウンロード

以上が工程別能力表の作成方法になります。1から作成するのは少し大変なので、テンプレートを活用して作成することをお勧めします。

工程別能力表のテンプレートは、下記のページからダウンロードが可能です。是非ご活用ください!

標準作業組合せ票の作成方法

それではここからは、標準作業組合せ票の作成方法について確認していきたいと思います。

標準作業組合せ票の基本フォーマット

このスライドに示すものが基本フォーマットです。各項目について確認していきましょう。

標準作業組合せ票の基本フォーマット

標準作業組合せ票作成の手順

品番・品名、工程名、作成年月、改定日、所属を記入

  • 品番・品名、工程名を記入します
  • 作成年月、改定日、所属を記入します
品番・品名、工程名、作成年月、改定日、所属を記入

直当たり必要数、タクトタイム、実行タクトタイムを記入

  • 直(日)当たり必要数からタクトタイムを計算し、記入します
  • タクトタイム=定時稼働時間/直当たり必要数
    =8時間×3600秒/680個=42秒
  • 実行タクトタイムは、実際の運用上の時間で、部品交換や刃具交換、可動率・残業時間等を考慮した時間を記入します
直当たり必要数、タクトタイム、実行タクトタイムを記入

作業名、手作業時間、機械送り時間、歩行時間を記入

  • 作業名と手作業時間、機械送り時間、歩行時間を記入します
  • 現地現物でのストップウォッチ測定や動画撮影・分析を行ない、必ず実態を記入します
  • その工程に対して初めて作成する場合、モデルとなる作業者はベテラン等、作業が習熟している人を選定することが大切です
作業名、手作業時間、機械送り時間、歩行時間を記入

線の描写

  • 分析した手作業時間、機械送り時間、歩行時間から線を描写します
  • サイクルタイム線、タクトタイム線を赤線で描写します
  • タクトタイム線に対する手待ち時間は赤矢印を引き、一目で分かるようにします
線の描写

T.T、実行T.T、C.Tの記入

  • 上部にT.Tと書きます
  • タクトタイムと実行タクトタイムが異なる場合は、実行T.Tと書きます
  • サイクルタイムがタクトタイムをオーバーしている時は、サイクルタイム線も黒線で描きます
  • 上部にサイクルタイムは黒でC.Tと書きます
T.T、実行T.T、C.Tの記入

付帯作業(非毎回作業)の記入

  • 付帯作業(非毎回作業)も全ての作業をモレなく記入します
  • 付帯作業(非毎回作業)は1個当たり時間をサイクルタイムの後ろに追加します
  • サイクリックな作業だけでなく、非毎回作業時間も加えることで、現実的な標準作業か評価できます
付帯作業(非毎回作業)の記入

表(おもて)化する

  • カイゼン前には、標準作業組合せ票の「標」の字を黒の斜め2本斜線で消し、斜め左上に「表」と書きます
  • カイゼンを行なう前に、実際の工程がありのままに表現された組合せ票のことを「おもて標準作業組合せ票」と呼びます

ちなみに、なぜ「表」にするのか分かりますか?
これは、現状作業のやり方を“表(オモテ)”にすることを意味しています。

表(おもて)化する

カイゼン後の線の描写

  • カイゼン前後で比較がしやすい様に、カイゼン前の線は上段、カイゼン後の線は下段に描きます
  • 実際にカイゼンを行ない、表準とどこが変わったのかを赤で示します
  • 「表」の下に赤で「標」と書きます(「表」は2本線で消しません)
  • カイゼン後の組合せ票は、「木(き)標準作業組合せ票」と呼びます
カイゼン後の線の描写

カイゼン後の線の描写

  • 標準作業組合せ票は基本的に1人の作業を描くものです。
  • ただし、2人の作業を比較したい場合も多々あります。その場合は上下に並べて描き、ギャップを見えるようにしてもよいでしょう
カイゼン後の線の描写

標準作業組合せ票のテンプレートのダウンロード

以上が標準作業組合せ票の作成方法になります。1から作成するのは少し大変なので、テンプレートを活用して作成することをお勧めします。

標準作業組合せ票のテンプレートは、下記のページからダウンロードが可能です。是非ご活用ください!

標準作業票の作成方法

それではここからは、標準作業票の作成方法について確認していきたいと思います。

標準作業票の基本フォーマット

このスライドに示すものが基本フォーマットです。各項目について確認していきましょう。

  • 1人単位で作業動線を描きます
  • 非毎回作業は、標準作業票には記入しません
標準作業票の基本フォーマット

標準作業票作成の手順

作業内容、作成日、改定日を記入

  • 作業内容を、「作業の始まりは左詰め」「作業の終わりは右詰」で記入します
  • 作成日、改定日を書きます。後から状態がすぐに分かるように、確実に書きましょう
作業内容、作成日、改定日を記入

ボトルネックの表示、機番を記入

  • ボトルネックの機械は斜線で塗り、手作業時間、自動送り時間を表記します
  • ボトルネックは工程別能力表で確認しましょう
  • 機械の機番を表記します
  • 票の半分より上に描く機械は上側に、半分より下に描く機械は下側に書くようにしましょう
ボトルネックの表示、機番を記入

安全マーク、手持ちマークを記入

  • 自動機には、緑安全のマークを表記します。手作業の機械には不要です
  • 標準手持ちがある場所に、その数だけマークを表記します。例えば、2個の場合は、2個このマークを描きます
  • この工程全体での総手持ち数を表記します。素材や完成品は含みません
安全マーク、手持ちマークを記入

品質チェック、タクトタイムとサイクルタイムを記入

  • 品質チェックを行なう工程にこのマークを表記します
  • 毎サイクルの場合は記号のみで構いませんが、何回かに1回の場合は、その回数を記入します(例:5回に1回⇒1/5)
  • タクトタイムとサイクルタイムを記入します
  • タクトタイムと実行タクトタイムが異なる場合は、実行タクトタイムを書き、上に「実行」と書き足します
品質チェック、タクトタイムとサイクルタイムを記入

歩行線、分解番号を記入

  • 工程間の歩行は実線(矢印無し)で描きます
  • 最初の工程への戻り歩行のみ、矢印破線で描くようにします
  • ライン全体で何個の工程に分かれているか(何個の標準作業票が存在するか)を分解番号として表記します
  • 分母はそのラインの工程数、分子は工程順番を書きます
歩行線、分解番号を記入

表(おもて)化する

  • カイゼンを行なう前には、標準作業票の「標」の字を黒の斜め2本斜線で消し、斜め左上に「表」と書きます
  • 実際の工程がありのままに表現された作業票で「おもて標準作業票」と呼びます
表(おもて)化する

カイゼン後の描写

  • 実際にカイゼンを行ない、表準とどこが変わったのかを赤で示します
  • 「表」の下に赤で「標」と書き(「表」は2本線で消さない)、「木(き)標準作業票」と呼びます
カイゼン後の描写

2名、3名の作業工程の場合

  • 2名、3名の作業工程を同じ票に書きたい場合には、この様なフォーマットを活用します
  • 書き方は基本フォーマットと同様です
2名、3名の作業工程の場合

標準作業票のテンプレートのダウンロード

以上が標準作業票の作成方法になります。1から作成するのは少し大変なので、テンプレートを活用して作成することをお勧めします。

標準作業票のテンプレートは、下記のページからダウンロードが可能です。是非ご活用ください!

標準3票まとめ

いかがでしたか?標準3票の概要と作成イメージは掴めましたか?
標準作業は、一度つくって終わりではありません。

①標準作業の決定
②標準作業の教育訓練
③標準作業の改善

これらのサイクルを継続的に回していくことが求められます。

標準作業の改善サイクルのポイント

①標準作業の決定においては、標準作業が無い場合は、ベテラン社員を基準に作成していくことがポイントです!

②標準作業の教育訓練においては、標準作業で全員が作業が出来ているか、定期的にチェックすることがポイントです!

③標準作業の改善においては、標準作業は1度決めたら終わりではないので、何度も何度も永遠に改善していくことがポイントです!

『標準のないところにカイゼンは無い』という有名な言葉があります。これは非常に的を得た言葉です。
何がどう悪いのか、どのくらい劣っているのか、それらは全て標準作業が基準になります。何となく良い/悪いという議論ではなく、「標準に対してこのくらい良い/悪い」という議論ができることが大切です。

そのためにも、生きた標準作業をつくることで、改善の土台をつくっていきましょう!

標準作業の改善サイクル

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使用用途 社内教育や発表資料作成における作業効率化等
ファイル形式 PowerPoint
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