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第1章:指標管理の目的と位置付け ⇒ このページはココ
第2章:人時生産性とは(前編)
第2章:人時生産性とは(後編) ※無料会員以上限定
第3章:設備稼働率とは(前編)
第3章:設備稼働率とは(後編) ※法人会員限定
第4章:見える化のポイント ※法人会員限定
第5章:指標の運用とプロセス管理 ※法人会員限定
「指標管理の目的と位置付け」動画講義
「指標管理の目的と位置付け」スライド講義
はじめに
1つ目に、指標とは何でしょうか?
2つ目に、なぜ指標管理をしなければいけないのでしょうか?
3つ目に、生産現場における代表的な指標には、どんなものがあるでしょうか?
これらのことを自信を持って説明できるようになるのがこの講座の狙いです。

1.指標の定義
身近な指標
身近にある指標の中で、思い浮かぶものはありますか?
いくつか挙げてみましょう。
景気や物価に関するものでは、GDP(国内総生産)、消費者物価指数、日経平均株価などがありますね!
GDPとは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額を表す指標です。
消費者物価指数は、物価の動きを把握するための統計指標、日経平均株価は、代表的な企業の平均株価の動向を見る指標です。
その他にも、平均寿命、受診率、BMI等の健康に関する指標や、有給取得率、求人倍率、3年離職率等の会社の人事総務に関する指標があります。
生産工場における代表的なものには、人時生産性、利益率、設備稼働率等が挙げられますね!

辞書等を見ると・・・
辞書等を見ると、次のようなことが書かれています。
指標とは、現在の水準を正しく表し、定められた基準・水準からの逸脱や、目指すべき姿(目標値)との乖離(GAP)を明確にするためのツール。
うーーん、いまいちピンときませんね。。。

自分達の職場をより良くするためのモノサシ
簡単に言うと、指標とは、「自分達の職場をより良くするためのモノサシ」のことです。
何か基準があり、数字が変化することで、良くなったのか、 悪くなったのかを見えるようにすること。そして、目標に対して、あとどれくらいかが測れるようにするのが「指標」なのです。
つまり、何かの基準と比較して、変化(良くなった・悪くなった)を数値でしっかり把握し、更に良くするための考動に繋げるツールが指標なのです。

BMIの例
例えば、体重が70kgの人は、多いでしょうか?標準でしょうか?少ないでしょうか?
答えられましたか?
恐らくほとんどの方が、「条件によって、多いか少ないかは判断が異なるのでは?」と思ったのではないでしょうか。
子供の場合と大人の場合とでは、多いか少ないかは全然判断基準が異なりますよね!
そこで、誰でも同じ基準で状態を判断できるように指標化したものがBMIという指標なのです。
BMIは、体重を身長の二乗で割ったもので表します。
表の数字は、痩せ型、標準、肥満の状態を表しており、この基準があるからこそ、誰でも同じように自分の体格の状態を判断することが出来るのです。

2.会社における指標の位置付け
会社においては、指標は非常に重要な役割を果たす
会社においては、指標は非常に重要な役割を果たします。
まず、経営トップ・幹部は、指標を通して、目指すべき方向性を伝えます。
「会社は何を重要視しているのか」「社員にどのような姿に向かってほしいのか」を示すのです。
そして組織は、指標を通して、向かうべき姿を確認することが出来ます。
向かうべき姿が明確になって初めて、あるべき姿に向けて、何を行なえばよいのかを考えることが出来るようになるのです。

結果の見える化という視点
組織が行なった行動の結果は、指標に表れてきます。
自分達の頑張りが指標に表れることで、数字の変化により、やりがいが生まれ、モチベーションが継続します。
また、経営トップ・幹部も指標から現実を認識することで、自分が出した方針に対して、現在の状況はどうなっているのか、今後どのような方針で進めていくべきなのかを判断することができるのです。

人間の行動原理
人間の行動原理は、ABCモデルで説明できます。
Aというのは、先行条件のことで、行動の直前の環境(目的、ゴール、期限等)のことを指します。
Bというのは、行動のことで、実際の行動だけではなく、発言や振る舞い等も含まれます。
Cというのは、結果のことで、行動した直後に起きた環境の変化を指します。
ABCモデルは、A:先行条件のためにB:行動をした時、C:結果が望ましいものであれば、その人はまたA⇒B⇒Cを継続する、というものです。
逆に言うと、Cが好ましいものでなければ、そこで継続することを止めてしまうということになります。
改善活動においては、自分たちの頑張った結果が見えないと、更なる行動のためのモチベーションが継続しません。
頑張りがしっかりと反映される指標をつくり、それが見える状態をつくっていくことは必要不可欠ですね!

3.指標から生まれる4つの機会
知覚・共有・行動・報奨
指標管理を行なうことで、次の4つの機会が生まれます。
1つ目は、知覚機会です。
知覚機会は、行なったことの実績を記入・入力することです。
2つ目は、共有機会です。
共有機会は、事実や問題を共有することです。
3つ目は、行動機会です。
行動機会は、問題を解決・改善するために必要な事を考えること、対策・改善策を実行すること、定着・習慣化する為に標準化・仕組み化する等のことです。
4つ目は、報奨機会です。
報奨機会とは、成果が出て、評価され、褒められ、達成感を感じることです。
これらの4つの機会は、指標があり、どのくらい良くなったか、どのくらい頑張りが表れたかが見えるようになってこそ生まれる機会です。
やりがいを持って改善に臨めるように、しっかりと指標を構築していきましょう。

4.守る管理と変える管理
2つの管理
工場においては、2つの“管理”があります。
現状の実力・水準に対して、1つは守る管理、もう1つは変える管理です。
守る管理は、異常管理とも言います。
現場を日々安定させるために、守るべき基準・標準を明確にして、日々の状態をモニタリングします。
該当する指標は、能率、効率、生産性、不良率、設備稼働率、歩留まり等です。
変える管理は、目標管理とも言います。
工場を目指す姿に変えるために、達成すべき数値目標を決めて、改革・改善テーマの進捗管理を行ないます。
該当する指標は、改善テーマの実行計画、実行進捗、実行結果等です。
守る管理によって生産が安定し、変える管理によって工場が変わっていきます。
これらの管理を行なうことで、工場の体質を改善し、工場の実力を向上させていきましょう。

5.第1章まとめ
何かの基準と比較して、良くなった・悪くなったを数値でしっかり把握し、更に良くするための考動に繋げるツールです。

以上で、「指標管理の基礎と運用のポイント 第1章:指標管理の目的と位置付け」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。
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