稼働率と可動率の違い【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第5章】

本ページは、講座「k-004:トヨタ生産方式基礎講座~中級編~ 第5章:稼働率と可動率の違い」の学習ページです。どちらもカドウリツと書く2つの管理指標ですが、実は指標として見える化する目的が異なります。第5章では、2つの指標の意味と運用の目的の違いについて解説しています。

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第1章:標準作業とは
第2章:人の「働き」と「動き」の違い ※無料会員以上限定
第3章:見かけの能率向上と真の能率向上 ※無料会員以上限定
第4章:省力化、省人化、少人化の違い
第5章:稼働率と可動率の違い ⇒ このページはココ
第6章:過剰在庫が生む新たなムダ ※法人会員限定
第7章:後工程引取り生産の成立条件とは ※法人会員限定
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はじめに

トヨタ生産方式においては、2つの設備管理指標があります。

1つは稼働率です。

もう1つは、可動率と書いて、ベキドウリツと読みます。

あなたは、この2つを区別して説明することが出来ますか?

実際には、何となくは分かっているようでも、使い方が間違っていたり、逆に覚えていたりするケースが多々存在します。

本講義では、稼働率と可動率の違いを、自信を持って説明出来るようになるのが目的です。
どちらが現場が責任を持って向上させる指標なのか、どちらが経営幹部が判断する指標なのか、特徴を確認していきましょう。

第5章目次

第5章では、下記の順で学習を行ないます。

1.稼働率とは
2.可動率とは
3.第5章まとめ

1.稼働率とは

まずは、稼働率について確認します。

稼働率とは

稼ぐという字を使う「稼働率」は、「定時での設備フル操業能力に対して、必要生産量を造る為に必要な時間の割合」のことを指します。需要からくる負荷の割合を表すと言ってもよいでしょう。

例えば、定時でフル操業した時に最大2000台を造れる設備があると仮定します。

この時、もし受注が1000台しかなかった場合は、2000台造れるのに1000台しか造る必要がないので、稼働率は、1000台/2000台で、50%となります。

一方で、もし受注が2500台あったとすると、生産必要量は、定時フル操業の能力の2000台を超えていますので、残業や休出操業等の対応をしなければいけません。

従って、稼働率は、2500台/2000台で、125%になります。
このような考え方が稼働率計算の基本です。

稼働率は売れ行きによって決まる

お気づきでしょうか。そう、稼働率は、売れ行きによって決まります。
注文が無ければ0%、多いと200%もあり得るのです。

注意すべきことは、製造サイドで稼働率を無理に上げようとしてはいけない、ということです。

なぜならば、無理に造って必要以上の在庫を溜めることは最大の悪だからです。
稼働率の指標だけを上げようと、在庫を積み上げることは絶対に避けなければいけません。

あくまで必要生産量を前提にすることを忘れないようにしましょう。

ではここで、稼働率について、クルマを例に説明します。
あなたは、車を所有していますか?所有している方は、稼働率はどのくらいでしょうか?

おそらく、通勤、買い物、ドライブ等、多くても2時間程度ではないでしょうか。

稼働率を計算すると、就寝時間を8時間として、1日定時フル操業時間が16時間となり、 2時間/16時間で、12.5%となります。

あなたは、この低い稼働率を上げようとしますか?そんなことをしたら間違いなくムダなので、やらないですよね!

工場における稼働率も同じようなものと考えましょう。
あくまで必要な時に設備を稼働させる、そして、必要な分だけ稼働をさせた場合に、どのくらいの負荷になっているかを、判断する指標が稼働率なのです。

稼働率は設備投資の上手さを表す

以上から、稼働率は、設備投資の上手さを表すと言えます。

予想通りの量が売れると、稼働率は100%になります。
一方で、予想が外れ、売れる量が半分になると、稼働率は50%に落ちます。
また、予想が外れ、売れる量が2倍になってしまうと、稼働率は200%となります。

そして、稼働率が100%前後で維持管理できている場合は、上手な設備投資が出来ていると判断できます。

逆に、稼働率が50%であったり、200%であったりした場合には、設備投資が不足、あるいは過剰であり、うまくいっていないことになります。

従って、稼働率は、市場環境に対して、設備投資が上手くいっているのかどうか、設備の負荷状況はどうなっているのかを測るモノサシとなる指標なのです。

つまり、日々現場で扱う指標としては向いていません。経営トップ・幹部が事実を正しく理解し、対応を考えていかなければいけないものになります。

稼働率が長期的に低迷している時の対応は

では、稼働率が長期的に低迷している時の対応はどう考えるべきなのでしょうか。
例えば、こちらの図のように、当初計画に対して数ヶ月間連続で稼働率が50%前後であり、今後も同じ傾向が続くと予想される場合です。

このようなケースの場合には、「受注拡大策を実行して受注を増やす」ことや、「不要設備の廃却や遊休化により、負荷を集約させ、稼働率を向上させる」、等の対策案を考えていくようにしましょう。

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2.可動率とは

では続いて、可動率について確認します。

可動率とは

可動率とは、「設備を動かしたい時に、正常に動いてくれていた時間の割合」を指します。保全によってもたらされる設備の信頼性を示すと言ってもよいでしょう。

例えば、設備を運転しようとしていた時間が8時間だと仮定します。

しかし、実際にはトラブル等が発生し、動いていた時間は、6時間だった時の可動率は何%になるでしょうか。

この場合は、6時間/8時間で計算され、可動率は、75%となります。

当然ながら、トラブルは極力ゼロで抑えて、最短の時間で生産を終えたい、というのが現場の目指すところです。

可動率は常に100%を目指すべき指標

したがって、可動率は、動かしたい時間が8時間であれば、8時間動いている状態を目指していかなければなりません。
つまり、可動率は、常に100%を目指すべきであり、現場が責任を持って向上させるべき指標なのです。

可動率は設備の使い方の上手さを表す

以上から、可動率は、設備の使い方の上手さを表すと言えます。
設備は、止まっている時間が少ないほど上手く使えていることになります。

しかし実際には、設備故障(ドカ停、チョコ停)や、段取り替え時間・切替時間、設備メンテナンス時間、清掃時間等、様々なトラブル・必要作業が設備の運転を阻害します。

例えば、本来の設備能力では、何もなければ5時間で完了するはずでも、段取り替えや設備故障で10時間掛かってしまうこともあります。
このような阻害要因をいかに削減できるかが非常に重要であり、削減した分だけ設備を上手に使えていることになるのです。

可動率の計算式

なお、可動率の計算式は、「生産実績数×基準サイクルタイム/総運転時間」 となります。

イメージ図で表すと、ピンク色の部分が阻害要因となり、削減すべき時間です。

どうやって阻害要因を削減し、「生産実績数×サイクルタイム」 を 「総運転時間」へ近づけるか

これが、製造現場の大命題なのです。可動率100%を目指し、日々改善を積み上げていくようにしましょう。

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3.第5章まとめ

最後に、第5章のまとめをしましょう。
まず、稼働率はどのような指標かまとめましょう。
稼働率は、定時フル操業における需要の割合を表し、設備投資の上手さを測る指標です。
無理に現場で上げようとせず、受注拡大や設備集約等の必要性を含めて、向上策を考えていかなければいけません。
次に、可動率はどのような指標かまとめましょう。
可動率は、設備を動かしたい時に、正常に動いていた割合を表し、設備の使い方の上手さを表す指標です。
日々現場で管理し、100%を目指していかなければいけません。
可動率は、製造現場で、設備故障低減や、段取り時間短縮等に取り組むことで、向上させていきましょう。

以上で、「トヨタ生産方式基礎講座 中級編 第5章:稼働率と可動率の違い」」の講義を終わります。
引き続き、「第6章:過剰在庫が生む新たなムダ」の学習を進めていきましょう。

「トヨタ生産方式基礎講座~中級編~」では、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在であるトヨタ生産方式について解説しています。標準作業や、省人化と少人化、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等の基本について学習していきましょう。

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