トヨタ生産方式(TPS)基礎講座~中級編~

省力化、省人化、少人化の違い【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第4章】

省力化、省人化、少人化の違い【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第4章】」の学習ページです。
省力化、省人化、少人化はそれぞれ別の意味を表しています。この3つの言葉の違いと、需要環境の変動に追従できる少人化ラインを構築するために必要なことについて解説しています。

第4章:省力化、省人化、少人化の違い

◆カイゼン講座:トヨタ生産方式基礎講座 中級編◆

トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。

本講座では、標準作業や、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等を学習することが出来ます。

初級編はこちらから

第1章:標準作業とは
第2章:人の「働き」と「動き」の違い
第3章:見かけの能率向上と真の能率向上
第4章:省力化、省人化、少人化の違い ⇒ このページはココ
第5章:稼働率と可動率の違い
第6章:過剰在庫が生む新たなムダ ※無料一般会員限定
第7章:後工程引取り生産の成立条件とは ※無料一般会員限定
第8章:目で見る管理とアンドン

省力化、省人化、少人化の違い 目次

  1. 省力化と省人化
  2. 省人化から少人化へ
  3. 少人化ラインを構築するために
  4. 第4章まとめ

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はじめに

省力化、省人化、少人化の違い

トヨタ生産方式では、少ないという漢字に目の付いた、省人化と、目の付かない少人化という言葉があります。ショウジンカではなく、ショウニンカと読みます。

さらに、一般的な用語として、省力化という言葉もあります。

あなたはこの3つの言葉の違いは分かりますか?
本講義では、この3つの言葉の違いを明確に理解し、説明できるようになりましょう。

目次省力化、省人化、少人化の違い

本講義では、次の4項で学習を進めていきます。

1.省力化と省人化
2.省人化から少人化へ
3.少人化ラインを構築するために
4.第4章まとめ

1.省力化と省人化

省力化とは省力化、省人化、少人化の違い

初めに、「省力化と省人化」 について説明します。

まずは、省力化について、言葉の意味を押さえましょう。

例えば、10人で仕事をしているラインがあると仮定しましょう。
このラインにおいて、能率を上げようと考え、作業改善を行ない、0.9人分の仕事を減らすことができたとします。

この時、能率のアップは、10人÷9.1人で計算され、9.9%の能率アップとなります。

しかし、これで満足してはいけません。

たとえ、0.1人分でも仕事が残ってしまうと、その人は減らすことはできません。

そうです、これが省力化です。省力化だけでは、収益には結びつかないこともあると認識する必要があるのです。

省人化とは省力化、省人化、少人化の違い

しっかりと会社の収益に結びつけるためには、確実に1人分の仕事を減らすまで改善しなければいけません。

これが省人化なのです。

省人化を行なうことができれば、この場合1人をラインから抜き、他の仕事をさせることが可能となります。

実際には・・・省力化、省人化、少人化の違い

実際の改善活動では、省力化を行なったものの、省人化にはなっておらず、実際の成果(つまり利益)に結びついていないケースが多々存在します。

改善活動においては、成果が出なければ、自己満足と同じことになってしまいます。

成果が出ない自己満足を繰り返していると、収益は上がらないため、頑張りが社員へ還元されることもなく、モチベーションは低下してしまいます。

そういった事態に陥らないように、省力化で満足せず、省人化まで行なうことを意識して改善を進めていくことが大切です。

ただし、「すぐに省人化に結びつかず、省力化にしかならないから、この改善はやらない」 という考えをしてはいけません。
最後は省人化へ繋げることを前提に、今できる省力化の改善を積み上げていくことも非常に重要なことなのです。

2.省人化から少人化へ

ジャストインタイムの狙い省力化、省人化、少人化の違い

次に、「省人化から少人化へ」 についてです。

トヨタ生産方式の柱の1つに、「ジャストインタイム」があります。

このジャストインタイムの究極の狙いは、「売れるスピードで」モノを造ることです。

この、「売れるスピードでつくる」というのは、どういうことをしたらよいのでしょうか?

その答えの1つが、少人化です。目の無い省人化と呼ばれるものです。

では、少人化について確認していきましょう。

受注量は変動する省力化、省人化、少人化の違い

まず、大前提として、お客様の受注量は、毎月、毎週、毎日変動しています。

従って、必要な生産量は、例えば1週目は10人分の仕事、2週目は7人分の仕事、3週目は9人分の仕事、といったように、変化するのが普通です。

このような状況下で、例えば最大10人のラインにおいて、いつも10人で造っていては、モノが余ってしまい、造りすぎのムダが発生してしまいます。また、手待ちのムダが発生してしまいます。

少人化省力化、省人化、少人化の違い

そこで必要になってくる考え方が、少人化なのです。

少人化とは、生産量の増減に応じて、最も少ない人数で対応することを言います。

大事なことは、7割の仕事しかない時は、7割の人員で作業できるようなラインを構築しなければならない、ということです。

先程のイメージ図においては、
・10人分の仕事の時は、10人体制のライン
・7人分の仕事の時は、7人体制のライン
・9人分の仕事の時は、9人体制のライン
といったように、自在に人員数を変動できることが理想です。

つまり、定員制からの脱却を行なうことが少人化です。
少人化体制が構築できれば、ムダが削減され、収益向上に直結します。
複数人で作業を行なうラインにおいては、この少人化ラインを目指していきましょう。

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