省力化、省人化、少人化の違い【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第4章】

本ページは、講座「k-004:トヨタ生産方式基礎講座~中級編~ 第4章:省力化、省人化、少人化の違い」の学習ページです。
省力化、省人化、少人化はそれぞれ別の意味を表しています。この3つの言葉の違いと、需要環境の変動に追従できる少人化ラインを構築するために必要なことについて解説しています。

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「省力化、省人化、少人化の違い」動画講義

「トヨタ生産方式基礎講座 中級編」他の章の学習はココをクリック!
トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。
本講座では、標準作業や、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等を学習することが出来ます。

第1章:標準作業とは
第2章:人の「働き」と「動き」の違い ※無料会員以上限定
第3章:見かけの能率向上と真の能率向上 ※無料会員以上限定
第4章:省力化、省人化、少人化の違い ⇒ このページはココ
第5章:稼働率と可動率の違い
第6章:過剰在庫が生む新たなムダ ※法人会員限定
第7章:後工程引取り生産の成立条件とは ※法人会員限定
第8章:目で見る管理とアンドン ※法人会員限定

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「省力化、省人化、少人化の違い」スライド講義

はじめに

トヨタ生産方式では、少ないという漢字に目の付いた、省人化と、目の付かない少人化という言葉があります。ショウジンカではなく、ショウニンカと読みます。

さらに、一般的な用語として、省力化という言葉もあります。

あなたはこの3つの言葉の違いは分かりますか?

本講義では、この3つの言葉の違いを明確に理解し、説明できるようになりましょう。

第4章目次

第4章では、下記の順で学習を行ないます。

1.省力化と省人化
2.省人化から少人化へ
3.少人化ラインを構築するために
4.第4章まとめ

1.省力化と省人化

初めに、「省力化と省人化」 について説明します。

省力化の意味

まずは、省力化について、言葉の意味を押さえましょう。

例えば、10人で仕事をしているラインがあると仮定しましょう。

このラインにおいて、能率を上げようと考え、作業改善を行ない、0.9人分の仕事を減らすことができたとします。

この時、能率のアップは、10人÷9.1人で計算され、9.9%の能率アップとなります。

しかし、これで満足してはいけません。

たとえ、0.1人分でも仕事が残ってしまうと、その人は減らすことはできません。

そうです、これが省力化です。省力化だけでは、収益には結びつかないこともあると認識する必要があるのです。

会社の収益に結びつけるには、確実に1人分の仕事を減らす

しっかりと会社の収益に結びつけるためには、確実に1人分の仕事を減らすまで改善しなければいけません。

これが省人化なのです。
省人化を行なうことができれば、この場合1人をラインから抜き、他の仕事をさせることが可能となります。

最後は省人化へ繋げることを前提に、今できる省力化の改善を積み上げる

実際の改善活動では、省力化を行なったものの、省人化にはなっておらず、実際の成果(つまり利益)に結びついていないケースが多々存在します。

改善活動においては、成果が出なければ、自己満足と同じことになってしまいます。

成果が出ない自己満足を繰り返していると、収益は上がらないため、頑張りが社員へ還元されることもなく、モチベーションは低下してしまいます。
そういった事態に陥らないように、省力化で満足せず、省人化まで行なうことを意識して改善を進めていくことが大切です。

ただし、「すぐに省人化に結びつかず、省力化にしかならないから、この改善はやらない」 という考えをしてはいけません。
最後は省人化へ繋げることを前提に、今できる省力化の改善を積み上げていくことも非常に重要なことなのです。

2.省人化から少人化へ

次に、「省人化から少人化へ」 についてです。

ジャストインタイムの究極の狙いは、「売れるスピードで」モノを造ること

トヨタ生産方式の柱の1つに、「ジャストインタイム」があります。

このジャストインタイムの究極の狙いは、「売れるスピードで」モノを造ることです。

この、「売れるスピードでつくる」というのは、どういうことをしたらよいのでしょうか?

その答えの1つが、少人化です。目の無い省人化と呼ばれるものです。
では、少人化について確認していきましょう。

お客様の受注量は、毎月、毎週、毎日変動する

まず、大前提として、お客様の受注量は、毎月、毎週、毎日変動しています。

従って、必要な生産量は、例えば1週目は10人分の仕事、2週目は7人分の仕事、3週目は9人分の仕事、といったように、変化するのが普通です。

このような状況下で、例えば最大10人のラインにおいて、いつも10人で造っていては、
・モノが余ってしまい、造りすぎのムダが発生してしまいます。
・また、手待ちのムダが発生してしまいます。

少人化(ショウニンカ)とは

そこで必要になってくる考え方が、少人化なのです。
少人化とは、生産量の増減に応じて、最も少ない人数で対応することを言います。

大事なことは、7割の仕事しかない時は、7割の人員で作業できるようなラインを構築しなければならない、ということです。

先程のイメージ図においては、
・10人分の仕事の時は、10人体制のライン
・7人分の仕事の時は、7人体制のライン
・9人分の仕事の時は、9人体制のライン
といったように、自在に人員数を変動できることが理想です。

つまり、定員制からの脱却を行なうことが少人化です。
少人化体制が構築できれば、ムダが削減され、収益向上に直結します。
複数人で作業を行なうラインにおいては、この少人化ラインを目指していきましょう。

3.少人化ラインを構築するために

次に、「少人化ラインを構築するために」 についてです。

人員数を自在に変更可能な少人化ライン目指す

定員制ではなく、生産増減に応じて、人員数を自在に変更可能な少人化ラインをつくるために、次のことを行なっていきましょう。

・標準作業を確実に構築すること
・異なる複数の機械を扱えるようにすること
・職場内、職場間の多能工を育てること
まずは、標準作業をしっかりと構築した上で、どこの配置でも作業ができる人材を育てていかなければいけません。

そして、
・いつでも機械を移動できるような柔軟なレイアウトにすること
・自在な生産ラインを構築するために“知恵”を絞り続けることも必要です。

諦めずに知恵を絞り続けよう!

売れるスピードが激しく変動している現代・・・

生産ラインの人員数を固定していることにより、「ムダ」が発生している可能性が大いにあります。

このことをしっかりと認識し、変幻自在な生産ラインの構築に向けて、諦めずに知恵を絞り続けましょう!

4.第4章まとめ

最後に、第4章のまとめをしましょう。
第1問、なぜ省力化で満足してはいけないでしょうか。
正解は、たとえ0.1人分でも仕事が残ってしまえば、その人をラインから抜けず、収益に結びつかないからです。
省力化で満足せず、人をラインから省ける、省人化まで確実にやりきることが大切です。
第2問、少人化ラインとはどんなラインでしょうか。
正解は、生産増減に応じて、人員を変動させることができる変幻自在なラインのことです。
第3問、少人化ライン構築のために必要なことは何でしょうか。
正解は、標準作業の構築、多能工の育成、柔軟なレイアウト、そして諦めず知恵を出すことです。
お客様からの受注変動に追従した生産体制が、ジャストインタイムの理想です。
固定概念を捨てて、知恵と工夫を出し、そして諦めずに、少人化ラインの構築を目指していきましょう。

カイゼンベース(イラスト)
以上で、「トヨタ生産方式基礎講座 中級編 第4章:省力化、省人化、少人化の違い」の講義を終わります。
引き続き、「第5章:稼働率と可動率の違い」の学習を進めていきましょう。

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トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。
本講座では、標準作業や、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等を学習することが出来ます。

第1章:標準作業とは
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