トヨタ生産方式(TPS)基礎講座~中級編~

見かけの能率向上と真の能率向上【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第3章】

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見かけの能率向上と真の能率向上【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第3章】」の学習ページです。
現代は、造れば造るほど売れる時代ではありません。このような時代における、見かけの能率ではなく、真の能率向上を目指す考え方について解説しています。

第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

◆カイゼン講座:トヨタ生産方式基礎講座 中級編◆

トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。

本講座では、標準作業や、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等を学習することが出来ます。

初級編はこちらから

第1章:標準作業とは
第2章:人の「働き」と「動き」の違い
第3章:見かけの能率向上と真の能率向上 ⇒ このページはココ
第4章:省力化、省人化、少人化の違い
第5章:稼働率と可動率の違い
第6章:過剰在庫が生む新たなムダ ※無料一般会員限定
第7章:後工程引取り生産の成立条件とは ※無料一般会員限定
第8章:目で見る管理とアンドン

カイゼンベース(イラスト)

動画講義

1.増産時代の能率向上

造れば売れる時代なら・・・第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

まずは、「増産時代の能率向上」についてです。

例えば、10人で1日100個の生産が出来る生産ラインがあると仮定します。

このラインを、改善していくことにより、10人で1日120個の生産が出来るラインとなりました。

これは、能率20%アップになります。

本当に儲けに繋がるでしょうか?第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

そして、生産計画(販売計画)が120個に増産する場合、人数を増やさずに生産台数がアップするので、これは儲けに繋がります。

しかし、ちょっと考えてみましょう!

生産計画(販売計画)が100個のままの場合、あるいは、80個に減産する場合、これは本当に儲けに繋がるでしょうか?

見かけの能率向上第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

イメージ図で確認してみましょう。

1日8時間、10人で100個を製造している工程において、20%短い時間で作業ができると、余力時間が生まれます。

この余力時間を増産へ活用することが出来れば、当然能率は向上します。

しかし、増産が出来なければ、ただ余力時間、つまりムダが発生するだけなのです。

これが、見かけの能率向上なのです。

会社収益に繋がらない見かけの能率向上で満足してはいけません。

改善ではなく改悪第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

そして、減産時は、いくら沢山造れるからと言っても、必要以上に造ってしまうと1日に何十個も余ってしまいます。

必要以上に早い段階でつくってしまうと、「材料費、労務費の先食い」になります。

そして、在庫が溜まってしまう状態になると、「保管スペースの増加」「在庫管理のための人員の発生」に繋がります。

つまり、かえってコスト高になってしまうのです。

そう、これでは改善ではなく、改悪です。

これからの時代、造った分だけ売れることのほうが珍しいと思っておかなければいけません。
それどころか、少し市場環境が変化しただけで、大きな減産になることも珍しくはないのです。

2.減産時代の能率向上の考え方

少ない人数で造れるようにする第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

それでは、「減産時代の能率向上の考え方」について確認しましょう。

生産必要数が同じ、あるいは減産の時、能率向上を儲けに繋げるにはどうすればよいのでしょうか?

それは、少ない人数で100個を造れるように改善を進めるのが正解です。

必要数が100個の場合、10人で120個造れるようにするのではなく、8人で100個を造れるようなアプローチで改善を行なっていかなければなりません。

正しい姿で能率向上を目指そう第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

もう一度、先程のイメージ図で確認してみましょう。

とにかく短い時間で造り終えようとするアプローチは、余力時間というムダの1種が生まれるだけなので、NGです。

また、必要数以上に造りすぎることは、新たなムダを生んでしまうため、NGです。

そう、やはり正しい姿は、8人で必要数を決められた時間で造らなければならないのです。

見かけの能率向上と真の能率向上第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

それでは、減産時代における、見かけの能率向上と真の能率向上についてまとめていきます。

まず、現在が10人で1日の必要数100個造っている状態だったとすると、10人で1日120個造れるように改善すること、これが見かけの能率向上です。

そして、8人で1日100個造るのが、真の能率向上なのです。

能率を上げていく上では、あくまでお客様に購入して頂ける台数が前提条件にあります。

自分達の職場、工程だけを考えて、ニーズ以上の生産を追い求めていっても、会社の利益には繋がりません。
お客様のニーズを確実に押さえた上で、全体最適で能率向上を進めていかなければいけないのです。

3.第3章まとめ

第3章:見かけの能率向上と真の能率向上

第1問、減産時代では、なぜ造れる分だけ造ってはいけないでしょうか?

⇒コスト高になってしまうからです。材料費、労務費の先食い、保管スペースの増加、管理人員の発生に繋がり、余計なコストが掛かってしまいます。

第2問、見かけの能率向上とは、どういうことを指すでしょうか?

⇒顧客ニーズを考えず、とにかく沢山造れるような能力UPの改善だけを推進することです。

第3問、見かけの能率向上にならないためには、どのようなことを意識していかなければいけないでしょうか?

⇒顧客ニーズを確実に押さえた上で、全体最適で能率向上のアプローチを決めることです。
増産が求められる場合には、能力増強の改善はもちろん有効です。
ただし、販売数が横ばいあるいは減産の状況下では、少ない人数で必要数を造れるような改善を推進していかなければいけないのです。


以上で、「トヨタ生産方式基礎講座 中級編 第3章:見かけの能率向上と真の能率向上」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。

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