トヨタ生産方式(TPS)基礎講座~中級編~

標準作業とは【トヨタ生産方式基礎講座 中級編:第1章】

標準の無いところには改善はないと言われます。標準作業の定義と目的、標準作業の3要素である「タクトタイム」、「作業順序」、「標準手持ち」とは何かについて解説しています。

第1章:標準作業とは

◆カイゼン講座:トヨタ生産方式基礎講座 中級編◆

トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。

本講座では、標準作業や、稼働率と可動率の違い、後工程引取り生産の成立条件等を学習することが出来ます。

初級編はこちらから

第1章:標準作業とは ⇒ このページはココ
第2章:人の「働き」と「動き」の違い
第3章:見かけの能率向上と真の能率向上
第4章:省力化、省人化、少人化の違い
第5章:稼働率と可動率の違い
第6章:過剰在庫が生む新たなムダ ※無料一般会員限定
第7章:後工程引取り生産の成立条件とは ※無料一般会員限定
第8章:目で見る管理とアンドン

標準作業とは 目次

  1. 標準作業の定義と目的
  2. 標準作業の3要素とは?
  3. 標準作業と作業標準の違い
  4. 第1章まとめ

動画講義

学習スタート!

目次第1章:標準作業とは-スライド3

本講義では、次の4項で学習を進めていきます。

1.標準作業の定義と目的
2.標準作業の3要素とは?
3.標準作業と作業標準の違い
4.第1章まとめ

1.標準作業の定義と目的

標準作業とは第1章:標準作業とは-スライド5

まずは、「標準作業の定義と目的」 についてです。

標準作業とは、人の動き、モノ、設備の、最も効率の良い組合せを考え、良い品物を、より早く、安全に、ムダ無く造るための作業方法のことです。

標準作業構築・運用の目的第1章:標準作業とは-スライド6

標準作業を構築し、運用する目的は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、モノの造り方のルールの明確化です。
標準作業が存在することで、モノの造り方が人によって異なる等、作業方法や管理方法のバラツキによって生じうるムダを最小限にできます。これは能率の向上に繋がります。

2つ目は、改善のツールとしての活用です。
ムダムラムリを見つける、正常と異常を区別する等、改善のツールとして活用することが出来ます。

「標準の無い所に改善は無い」と言われるように、標準作業は、何が問題なのかを判断する基準になるのです。

2.標準作業の3要素とは?

3要素を覚えよう第1章:標準作業とは-スライド8

次に、「標準作業の3要素とは」 について説明します。

標準作業の3要素とは、

・タクトタイム
・作業順序
・標準手持ち

の3つです。
この3要素が揃っていないものは、いくら作業手順書が存在していたとしても、標準作業とは呼びません。

ではそれぞれの要素の概要について確認していきましょう。

タクトタイム第1章:標準作業とは-スライド9

要素の1つ目は、タクトタイムです。

タクトタイムとは、毎日の生産の中で製品1台あるいは部品1個を「何秒で造らなければならないかという時間」のことを言います。

作業を行なう際の1サイクルの時間を、このタクトタイムに合わせていくことが改善のアプローチとして非常に重要になります。

タクトタイムの計算式は、「稼働時間÷必要数量」となります。
タクトタイムは、余裕率は見込まずに計算をします。

タクトタイムの計算方法第1章:標準作業とは-スライド10

では、例題でタクトタイムを計算してみましょう。

計算の前提条件として、
・1日の稼働時間が480分
・必要数が1000個とします。

それでは、10秒間で計算してみてください。

正解は、このようになります。

この例の場合、約28.8秒がタクトタイムであり、この時間で1個造ればよいことになります。

実際には、付帯作業など、サイクル外のものも発生してくるため、実際のサイクルタイムはもっと短く設定していかなければいけません。

ただし、あくまでもサイクルタイムとタクトタイムがイコールになるように、付帯作業なども改善を進めていくことが大切です。

作業順序第1章:標準作業とは-スライド11

要素の2つ目は、作業順序です。

作業順序とは、材料から製品が完成するまでのプロセスにおいて、作業者がモノの運搬、機械への取付け取外し、加工・組立等の作業を「最も効率的に行なう」ための順序のことです。

作業順序は、現時点で最も効率的な作業の順序が決まっており、このイメージ図のように、①⇒②⇒③ という、誰でも同じ作業が出来るような順序に落とし込まれていることが大切です。

標準手持ち第1章:標準作業とは-スライド12

要素の3つ目は、標準手持ちです。

標準手持ちとは、同じ手順で繰返し作業が出来るための必要最小限の手持ち(工程内の仕掛品)のことです。
「これより多くても少なくてもいけない」数量を分析し、設定することが大切です。

・標準手持ちは、レイアウトや作業順序を考慮し決定します。
・決められた標準手持ちに達したら、作業を止めるというルールが必須です。いくら手待ちが発生しようが、標準手持ち以上造ってはいけません。

なぜならば、標準手持ちの設定と徹底により、造りすぎのムダが無くなり、作業ロスが一目で判るようになるからです。
手待ちを隠そうと標準手持ち以上のモノを作っていると、問題が隠れてしまい、改善が遅れてしまいますので、絶対にやってはいけません。

以上が標準作業の3要素となり、標準作業を構築していく際の基本となります。確実に覚えておくようにしましょう。

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