トヨタ生産方式(TPS)基礎講座~初級編~

かんばんの基本について【トヨタ生産方式基礎講座 初級編:第5章】

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かんばんの基本について【トヨタ生産方式基礎講座 初級編:第5章】」の学習ページです。
かんばんを活用していく上では、基本となる知識を確実に理解しておくことが必要不可欠です。このページでは、かんばんの役割、基本ルール、種類、運用方法について解説しています。

第5章:かんばんの基本について

◆カイゼン講座:トヨタ生産方式基礎講座 初級編◆

トヨタ生産方式は、今や生産活動の基本中の基本と言ってよい存在です。

本講座では、トヨタ生産方式の2本柱である「ジャストインタイム」や「自働化」をはじめ、平準化、7つのムダ等の基本を学習することができます。

中級編はこちらから

第1章:トヨタ生産方式とは(基本思想と2本柱)
第2章:ジャストインタイム生産とは
第3章:ニンベンの付いた自働化とは
第4章:ジャストインタイムと自働化の関係 ※無料一般会員限定
第5章:かんばんの基本について ⇒ このページはココ
第6章:平準化について(前編)
第6章:平準化について(後編) ※無料一般会員限定
第7章:7つのムダとは

カイゼンベース(イラスト)

動画講義

1.かんばんとは

かんばんとは何か?第5章:かんばんの基本について-スライド5

まずは、かんばんとは何か、説明していきます。

かんばんとは、製造や運搬に必要な情報が記載された、1枚の紙切れのことです。

トヨタ生産方式の2本柱であるジャストインタイムとニンベンの付いた自働化を成立させるためのツールの1つです。

トヨタ生産方式の2本柱とその目的第5章:かんばんの基本について-スライド6

ここで、トヨタ生産方式の2本柱とその目的について補足をしておきましょう。

トヨタ生産方式の2本柱は、ジャストインタイムとニンベンの付いた自働化です。

ジャストインタイムは、「必要なモノを 必要な時に 必要な分だけ」を意味しています。

ニンベンの付いた自働化は、「異常や問題があればその場で止まる、判る」ことを意味しています。

この2つの柱をカイゼン・改革の切り口とし、阻害要因を1つひとつ知恵を出して解決することで、徹底的なムダ排除による原価低減を実現すること、これがトヨタ生産方式の目的です。

ジャストインタイムについて第5章:かんばんの基本について-スライド7

ジャストインタイムについても補足をしておきましょう。

当然のことながら、ジャストインタイムとは、「造りたいモノを、造りたい時に、造りたい分だけ」造ること、ではありません。
「供給したいモノを、供給したい時に、供給したい分だけ」運搬すること、これも間違いです。

正解は、「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」造るあるいは運搬することです。

ジャストインタイムには3原則と呼ばれるものがあります。
それは、後工程引取り、工程の流れ化、必要数でタクトを決める の3つです。

この中で、かんばんは、後工程引取りを正常に機能させるために大きな役割を果たします。

かんばんの生い立ち第5章:かんばんの基本について-スライド9

では次に、かんばんの生い立ちについて説明しましょう。

かんばんが始まったのは、今から60年以上前の昭和28年頃と言われています。
当時は、自動車工場でも在庫は至る所に山積み状態でした。

例えば、鋳造工程から機械加工工程への粗材や、エンジン組付工程から車両組立工程へのエンジンの完成品などです。

そんな状態に、大野耐一氏は一石を投じます。

在庫の運搬に関して2つの指示を出したのです。
1つ目は、あらゆる在庫は、後工程が取りに行くまでは運ばないこと。
2つ目は、在庫にはそれが何なのか明示することです。
これが後工程引取りの誕生です。

しかし、実際にこれを実行してみると、ある問題が発生しました。
それは、今不要なモノまで持ってきてしまうことです。

そこで大野耐一氏は次の一手を打ちます。
それは、権利書を使用して、不要なモノを持ってこれないようにすることです。
この権利書が現在のかんばんの始まりと言われています。

2.かんばんの役割

3つの役割第5章:かんばんの基本について-スライド11

では次に、かんばんの役割について説明していきます。

かんばんには、大きく分けて3つの役割があります。

1つ目は、運搬や生産の指示としての役割です。
2つ目は、目で見る管理としての役割です。
3つ目は、カイゼンの道具としての役割です。

もう少し詳細を確認していきましょう。

生産指示・運搬指示第5章:かんばんの基本について-スライド12

まず、運搬や生産の指示としてのかんばんです。

かんばんには引取りや運搬指示に関することが記載されており、情報をやりとりすることができます。これにより、後工程引取りのためにタイミングを計ることが可能になります。

また、生産指示情報も記載されているため、前工程はかんばんが外れた分だけ造ればよいため、生産管理が非常に楽になります。

目で見る管理第5章:かんばんの基本について-スライド13

次に、目で見る管理としてのかんばんです。

かんばんが無い時は造らない・運ばないので、造りすぎや運び過ぎを防ぐことが可能になります。

また、必ず現物にかんばんが付いていることで、誰が見てもそのモノが何か一目で分かり、現物票としての役割も果たします。

改善の道具第5章:かんばんの基本について-スライド14

最後に、カイゼンの道具としてのかんばんです。

かんばんは必要な数のみが記載されており、かんばんに記載されている以外の余分な在庫は運んではいけません。

それにより、不良品が度々混ざっていると、前工程はしょっちゅう不足分を補充しに行かなければいけません。

つまり、不良品を出した工程が「痛さ」を感じる仕組みにより、自工程保証が推進されます。

また、在庫管理や問題を顕在化するためにも、当然かんばんは役割を発揮します。

かんばんの枚数を減らしていくことで、問題が顕在化され、異常が少ない高レベルなライン実現が可能になるのです。

3.かんばんの基本ルールと前提条件

では次に、かんばんの基本ルールと前提条件について説明します。

3つのルール第5章:かんばんの基本について-スライド16

かんばんの主な3つのルールを説明します。

1つ目は、「使い始めにかんばんを外し、速やかにポストへ入れる」ことです。
かんばんを外し忘れると、前工程はまだ未使用であると判断し、次回未納入となります。
そして欠品やラインストップに繋がってしまいます。
外し忘れが発生しないように、教育がしっかりと出来ていることが重要です。

2つ目は、「小刻みに回収する」ことです。
大きなロットで運搬することは、在庫過剰やリードタイムの悪化の原因になります。
可能な限り小刻みに回収し、在庫低減やリードタイム短縮に繋げることが重要です。
当然ながら、かんばんがポストに溜まる状態は厳禁です。

3つ目は、「等ピッチで回収する」ことです。
回収ピッチが大きくバラツクと前工程は欠品のリスクが高くなり、それを回避しようと余計な在庫を持つことに繋がってしまいます。
また後工程は、生産の先食いや大きな遅れの後の急激な追い込みは避けなければいけません。

かんばんの前提条件第5章:かんばんの基本について-スライド17

そして、かんばんの前提条件は、後工程が平準化されていることです。

この平準化は、ジャストインタイム生産が成立するために非常に重要です。

平準化の必要性については、「第6章:平準化の考え方」の講義で詳細を学習していきます。

・平準化について(前編)

・平準化について(後編)

4.かんばんの種類

かんばんは基本2種類第5章:かんばんの基本について-スライド19

かんばんは、基本は2種類です。

1つ目は、引取りかんばんです。
引取りかんばんには、工程間引取りかんばんと外注部品納入かんばんがあります。

2つ目は、仕掛けかんばんです。
仕掛けかんばんには、工程内かんばんと信号かんばんがあります。

なお、基本は2種類ですが、その他にもいくつかかんばんの種類が存在します。

プールかんばんもその1つです。
後工程のバラツキにより、自工程の作業が振られてしまい、ロスが大きくなり過ぎる場合に使用します。
つまりバラツキ吸収のために、通常とは別に追加するかんばんです。
発行する際には、後工程へのカイゼン要求と共に、いつまで使用するかを明確にする必要があります。

非常かんばんというものもあります。
設備に安定可動する実力が無いことで、後工程が欠品になる場合、特別に追加するバックアップ在庫用のかんばんです。
非常かんばんの場合は、上位職の承認許可や、日時、どの製品に使用したかを記録する必要があります。

これらのかんばんはあくまで期間限定の臨時で使うかんばんです。
しょっちゅう使う必要が発生するのであれば、どこかに異常やアンバランスが存在していることを認識しなければなりません。

5.かんばんの運用方法

かんばんの運用イメージ第5章:かんばんの基本について-スライド21

かんばんの基本である、引取りかんばんと仕掛けかんばんの運用方法について、自動車の組立ラインを例に説明します。

まず、後工程の自動車組立ラインでは、部品を使う時にかんばんを外します。

みずすましは、外れたかんばんを持って部品を取りに行きます。

そして、前工程の部品置き場へ行き、部品に付いてある仕掛けかんばんを外し、持ってきた引取りかんばんを取り付けます。
この時、引き取られた部品から外れた仕掛けかんばんが、前工程の生産指示になります。

そして、後工程では、引取りかんばんを付けた部品を組立ラインへ運びます。

一方前工程では、仕掛けかんばんに記載された種類の部品を、指示された数だけ造ります。

そして、仕掛けかんばんを造った部品に付けて置き場に置きます。
このようなイメージでかんばんはループされ運用されます。
実際の運用時には複数の工程であったり、製造リードタイムの違いなど、色々な制約があり、状況に応じて応用がされていきますが、基本はこの考え方になります。

6.第5章まとめ

第5章:かんばんの基本について-スライド23

第1問、かんばんの3つの役割とは何でしょうか。

⇒運搬指示・生産指示としての役割、目で見る管理としての役割、カイゼンの道具としての役割の3つです。
運搬・生産指示だけではなく、カイゼンの道具としての役割も持っていることを、しっかりと認識しておきましょう。

第2問、かんばんの3つの基本ルールは何でしょうか。

⇒1つ目は、使い始めにかんばんを外し、速やかにポストへ入れること。
2つ目は、小刻みに回収すること。
3つ目は、等ピッチで回収することです。
これらを守らなければ、かんばんが本来の役割を果たすことは出来ません。

第3問、かんばんの基本の2種類は何と何でしょうか。

⇒引取りかんばんと仕掛けかんばんです。
引取りかんばんには、工程間引取りかんばん、外注部品納入かんばんがあります。
仕掛けかんばんには、工程内かんばん、信号かんばんがあります。


以上で、「トヨタ生産方式基礎講座 初級編:第5章 かんばんの基本について」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。

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