改善全般/生産/物流

第1章TPMの概要

TPMの概要【ロスゼロ必達!TPM基礎講座:第1章】

TPMでは、故障は起こるものではなく、人間が起こすものと考えます。ロスの考え方を初めとして、指標のつくり方、組織としての活動の進め方等について解説しています。

◆カイゼン講座:TPM基礎講座◆

本講座では、ロスの考え方を初めとして、指標のつくり方、組織としての活動の進め方等について学習を進めていきます。
TPM活動を進めていくための基礎知識の習得に向けて、確実に学習をしていきましょう。

第1章:TPMの概要 ⇒ このページはココ
第2章:ロスの考え方と管理方法(前編)
第2章:ロスの考え方と管理方法(後編) ※無料会員限定
第3章:ロスを減らす活動 ※無料会員限定
第4章:ロスを防ぐ活動 ※法人会員限定
第5章:全員参加でのTPM推進 ※法人会員限定

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はじめに

故障とは?TPMの概要-スライド3

はじめに、あなたは故障の語源をご存じですか?

「人間が故意に障害を起こすこと。」 実は、これが故障の語源なのです。

TPMでは、故障は起こるものではなく、人間が起こすものと考えます。それには、「故意」だけでなく、「過失」も含まれます。
人間がやるべきことをやっていれば、故障はゼロにできる。これがTPMの考え方の基本です。

そして、やるべきことを確実にやる為には、継続的に改善を進められる活動組織が必要です。
ロスが定量的に見える指標が必要です。
そして、異常を発見できる人材の育成が必要になります。

本講座では、ロスの考え方を初めとして、指標のつくり方、組織としての活動の進め方等について学習を進めていきます。
TPM活動を進めていくための基礎知識の習得に向けて、確実に学習をしていきましょう。

1.TPMの定義

TPMとは何かTPMの概要-スライド7

TPMとは何か、一言で表すと、「全員参加でロスゼロ化を推進し、儲かる企業体質をつくる活動」です。

TPMとは、
「Total Productive Maintenance」
「Total Productive Management」
の頭文字を取ったものです。メンテナンスだけでなく、マネジメントのMも含まれます。

設備稼働の効率化はもちろん、生産システムにおける
「あらゆるロスをゼロにすること。」
「あらゆる部門が全員参加で取り組むこと。」
これがTPMの活動のポイントです。

TPMの正式な定義TPMの概要-スライド8

日本プラントメンテナンス協会による正式な定義はこちらです。

生産システム効率化の極限追求(総合的効率化)をする企業体質づくりを目標にして、
生産システムのライフサイクル全体を対象とした、「災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ」等、あらゆるロスを未然防止する仕組みを、現場現物で構築し、
生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたって、
トップから第一線従業員にいたるまで、全員が参加し、
重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成すること。

いまの段階では、この定義を全て覚える必要はありません。
「あらゆるロスを未然防止」、「トップから第一線従業員にいたるまで全員」、という部分をポイントとして押さえておきましょう。

2.TPM活動の3つのパート

現場から会社全体へTPMの概要-スライド10

TPM活動は、3つのパートで活動が展開されます。

お客様からの受注から、営業、研究開発、生産技術、生産管理、製造、保全、品質保証、原価管理、調達購買、人事、物流サービス、出荷までの一連のプロセスにおいて、

パート1は、製造、保全の製造現場が中心の活動です。

そして、パート1が一定のレベルまで進むと、次は、パート2の生産プロセスへ拡大した活動を行ないます。

更に、パート2が一定のレベルまで進むと、パート3のビジネスプロセス全体へ拡大した活動を行ないます。

このように、現場から会社全体へ対象を拡大していくのがTPM活動なのです。
製造現場における保全活動だけでなく、会社全体のプロセスまで含めて、ロスゼロ化を推進し、企業収益向上を目指していく活動であると、しっかりと認識しておきましょう。

3.TPMの基本理念

5つの基本理念TPMの概要-スライド12

TPMの基本理念は、次の5つです。

1つ目は、儲ける企業体質づくりです。
活動することが目的ではなく、最終的には収益を向上させることを目指します。

2つ目は、予防哲学(未然防止)です。
ロスは予防する、未然防止するもの、という考え方が基本となります。

3つ目は、全員参加(参画経営・人間尊重)です。
リーダーだけが行なう活動ではなく、全社員が参加して、自分の職場を改善することが求められます。

4つ目は、現場現物主義です。
机上の空論ではなく、現場で現物を見ながら議論することは絶対条件です。

5つ目は、常識の新陳代謝です。
過去に囚われずに、常識を打ち破っていくことが求められます。

以上の5つの基本理念を忘れずに、TPM活動を推進していきましょう。

4.生産活動における16大ロス

生産活動におけるムダ・ロスの構造TPMの概要-スライド14

生産活動におけるムダ・ロスの構造を確認しましょう。

ロスは、大きく3つの切り口に分けることができます。

1つ目は、「人の効率化を阻害するロス」です。
管理ロス、動作ロス、編成ロス、物流ロス、測定調整ロスが挙げられます。

2つ目は、「設備の効率化を阻害するロス」です。
計画停止ロス、故障ロス、切替調整ロス、治具交換ロス、立上りロス、チョコ停空転ロス、速度低下ロス、不良手直しロスが挙げられます。

3つ目は、「原単位の効率化を阻害するロス」です。
エネルギーロス、型・治工具ロス、歩留りロスが挙げられます。

TPMでは、これらの3つの切り口における、全16個のロスをゼロにしていく為に、様々なテーマで取組みを行なっていきます。

5.TPMの8本柱

8つの柱で全員参加活動を推進TPMの概要-スライド16

TPMでは、16大ロスゼロ達成のために、次の8つの柱で全員参加活動を推進していきます。

8つの柱とは、

  • 生産システム効率化の個別改善
  • オペレータの自主保全体質づくり
  • 保全部門の計画保全体制づくり
  • 製品・設備開発管理体制づくり
  • 品質保全体制づくり
  • 教育訓練の体制づくり
  • 管理間接部門の効率化体制づくり
  • 安全衛生と環境の管理体制づくり

ここでは詳細については割愛しますが、8本の柱で進めていくことをしっかりと覚えておきましょう。

6.TPMとTPS(トヨタ生産方式)

互いの活動により相乗効果を得るTPMの概要-スライド18

トヨタ生産方式の2本柱は、必要なモノを必要な時に必要なだけ造る、「ジャストインタイム」と、異常・問題があればその場で止まる・判る、「ニンベンの付いた自働化」です。
ニンベンの付いた自働化は、ジャストインタイムを支える役割を果たします。

自働化では、機械に異常が発生した際にすぐに止まる機構を組み込み、不良を造り続けることによるロスの増大を防いでいきます。

とは言うものの、実際の生産活動の中では、異常が出て止まる状態が頻発していては、ジャストインタイムでモノを造ることができません。

従って、異常の発生自体を減らすために、可動率(動かしたい時に動く状態)を向上させていくことが必要不可欠となります。

TPM活動では、先程説明した16大ロスのゼロ化により、可動率の向上にも寄与していきます。
つまり、ジャストインタイム生産を下支えするのがTPMなのです。

全く異なる活動ではなく、互いの活動により、相乗効果を得られることを覚えておきましょう。

7.第1章まとめ

TPMの概要-スライド20TPMの概要-スライド24

第1問、TPM活動の対象は、どの部門でしょうか。

⇒TPMでは、製造現場・保全だけではなく、受注から出荷までのビジネスプロセスに関わる全ての部門が対象となります。
パート1として、製造現場中心の活動、パート2として、生産プロセスへ拡大した活動、パート3として、ビジネスプロセス全体へ拡大した活動を行ないます。

第2問、TPM活動を一言で表すと、どんな説明になるでしょうか。

⇒「全員参加でロスゼロ化を推進し、儲かる企業体質をつくる活動」です。
自分の言葉で説明ができるようにしておきましょう。

第3問、TPM活動の推進の柱は何本あるでしょうか。

⇒柱は8本です。TPMでは、16大ロスのゼロに向けて、8本の柱で全員参加活動を推進していきます。


以上で、「ロスゼロ必達!TPM基礎講座 第1章:TPMの概要」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。


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