第6回:本当に活躍する若手社員を見つけて育てるしかない!【製造業の若手育成:成功への7つの秘訣】

製造業の若手育成:成功への7つの秘訣の6つ目を解説

はじめに

若手の育成。あらゆる会社において共通の課題ですよね。
近年では人材不足が深刻化しており、「採用する人を選べない」状況が常態化しています。

このような環境下で、我々はどんなことに取り組んでいけばよいのでしょうか?

第6回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の6つ目「本当に活躍する若手社員を見つけて育てるしかない!」について解説していきます。
若手社員がイキイキと働くことができる企業を創るきっかけとしていきましょう。

カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺純先生

1.次の管理者に誰が相応しいのか?が分からない

いよいよ佳境に差し掛かりました。既に第5回までのコラムを読んで、今までの単純な延長線上にはもはや若手人材の育成を成しえないと言う事がお分かりになったと思います。

では本コラムの一つの結論である、本当に活躍する若手社員を見つけるために必要な視点について、解説を始めていきたいと思います。「その結論は分かるがどうすれば良いのか?」を考えていきましょう。

自己診断(次期経営者)

ではまずは、下記の問いに真摯な気持ちで回答をしてみましょう。

  • 自分の中では「次期経営者候補」が明確にいる
  • 自分の中では「次期管理者候補」が明確にいる
  • それは自分の家族や親族の中から選択できる
  • それは長年の功績を踏まえた年功序列によっている
  • 正直に言えば「次期(5年以上)先」をイメージしていない

さぁ、いかがだったでしょうか?
もし自社が同族経営(家族・親族経営者)ならば、①②③が該当したのかもしれません。自社は同族経営ではなく年功序列での管理者・経営者登用と言う事でしたら④かもしれません。

でもほとんどの方々は、正直に言えば⑤の「次期(5年以上先)」の2025年頃に、誰が会社の経営や管理を担っているか?と言うイメージさえないかもしれません。

しかし、どうでしょうか?5年間なんてあっという間に来ます。

経営者(役員)任期で言えば、2期先でしかありません(取締役任期が通常2年から3年とする)。同族の株式保有による株主にはなれても、自動で経営者(役員)にはなれません。最低3年間は、経営者の養成が不可欠でしょう。どこかの教育会社の「幹部養成講座」とかに派遣する事もできるかもしれませんが、果たして自社の経営に役立つような内容でしょうか?異業種による混成チームでの勉強会では現場での活用は難しいのが実情です。

管理者は、どうでしょうか?中小企業では、大企業のように「役職定年制度」=満55歳になると管理者を退任するというような、役職と定年の年齢を定めた仕組みはないでしょうから、65歳の課長や70歳の部長もいることでしょう。

その方々が「次期管理者」に推すのは、直属のベテラン(40代後半~50代)になり兼ねません。「うちは伝統的に前任者が後任者を指名する」と言う会社もあります。

その理由の大半が、賃金制度がそもそも年功序列なので年齢に相応しい報酬を上げるには年功(長年勤めた)を重ねたベテランを次期管理者登用するしかないと言う制度上の問題点が浮かび上がります。

そうなるとどうでしょうか?

制度上の問題点から予測される事象

  • 予測される事象①:PC等もあまり使いこなせない部課長が誕生する
  • 予測される事象②:現状維持しか方針がなく戦略や戦術を変更しない
  • 予測される事象③:自分の未経験ゾーンの事柄は全て先送りする
  • 予測される事象④:若手人材育成ができず、OJTもままならない
  • 予測される事象⑤:次第に先細る既存事業の立て直しができない
  • 予測される事象⑥:人事制度の運用がうまく行かず好き嫌いの派閥ができる
  • 予測される事象⑦:年齢格差(管理者50代で部下20代)が当たり前になる
  • 予測される事象⑧:管理者になるまで20年以上かかると見限り若手が退職
  • 予測される事象⑨:自社を下支えしてくれる30代・40代の意欲が減退
  • 予測される事象⑩:新任管理者に期待感が持てず面従腹背が蔓延する

私は26年間、経営コンサルタントをしてきて上記の生々しい事象を無数に見て来ました。そして、私が導入をお勧めして大成功した事が「階層別アセスメント制度」です。

階層別人材アセスメント制度の概要

  1. 入社2年間はないが、3年~5年目に「昇格審査」を設ける
    ⇒職場の問題点を整理してレポートに解決策と共に書き上げる
    =外部審査会社のアセッサーによる採点と育成アドバイスを受ける
  2. 入社10年目に、OJTトレーナー養成講座(1日)を受講した後に6か月間の新入社員OJTを委託し6か月後に「昇格審査」を設ける
    ⇒外部審査会社のアセッサーによるOJTトレーナーと新入社員の両方面談
    =後輩とのコミュニケーション能力の採点と育成アドバイスを受ける
  3. 入社11年目以降に、初級管理者登用の「昇格審査」を設ける
    リーダー養成講座(1日×2回)を受講する
    =外部審査会社のアセッサーにより2日間の成果を分析して採点し育成アドバイスを受ける

他にも職務等級の昇格時点で行う事が多いです。恐らく中堅・中小企業の場合、階層別アセスメントを受講する対象者は、2人とか3人でしょう。たとえ1人だとしても大丈夫です。数社合同の実施が当たり前になっていますし、動画eラーニングによる受講も可能です。

重要なポイントをここで整理してみましょう。

階層別アセスメント制度のポイント

  • 最短11年(30歳前後)に最大3回のアセスメントが実施できる
  • 定点観測として、成長や改善幅を一人一人測定できる
  • 知識やスキルばかりではなく、コミュニケーション等の部分も分かる
  • 少人数でも実施が可能=1人の場合動画eラーニングでも受講できる
  • 次期管理者候補を30歳前後で選抜する事ができる

「次の管理者に誰が相応しいのか?が分からない」と言う多くの中小企業の経営者の悩みに回答するならば、この「階層別アセスメント制度」をお勧めします。

大企業ばかりではなく、系列の子会社や関連会社・協力会社には、既に当たり前に導入されています。因みに入社3年目レポートの審査だけでも私は年間100人分は審査しています。

2.自立人材が本当にいるか?どうか?が分からない

では次に階層別アセスメント制度におけるアセッサーが審査しているポイントはどこにあるのでしょうか?もちろん審査基準は多岐にわたりますので、詳細な解説は割愛しますが、いくつか重要な審査基準があります。

では経営者の皆さんは、階層別アセスメント制度における重要な審査基準を選んでみてください。もちろん複数選んでもOKですが、あえて1つだけ選ぶとしたらどの基準ですか?

自己診断(階層別アセスメント制度における重要な審査基準)

  1. 人柄や人間性と言う人物本位を最重要な審査ポイントにする
  2. 実務能力における知識や技能の高さを最重要な審査ポイントにする
  3. コミュニケーション能力の高さを最重要な審査ポイントにする
  4. 改善改革や新規の創造性を発揮する点を最重要な審査ポイントにする
  5. 自分の仕事の意義や使命感を持っている点を最重要なポイントにする

さぁ、いかがでしょうか?

なかなか難しいですよね。確かに程度の差こそあれ、5つ全部が欲しいところです。こういう5つの審査ポイントを全部兼ね備えているのは「自立人材」と呼ばれています。一番重要な基準がどれかに関しては、事項で説明します。

人間は、何者かに依存している間はその可能性や創造性を十分には発揮できません。内在する可能性や創造性を発揮するには、3つのステップが必要です。

可能性や創造性を発揮する3つのステップ

自立:精神的に他者から自立する(他者に依存したり、物事を他責にして逃げることなく、常に自分ごととして向き合う姿勢)

自律:自分で自分の成長や進化を具体的にイメージして、未来志向で計画してPDCAサイクルを回す(自分に対する厳しさを持つ姿勢)

自走:セルフモチベーションが働き、自分が設定したゴールに向かって自分らしく遣り遂げて行く(より良い状態を常に目指す、自己満足しない姿勢)

このような3段階を踏まえて、人間的な成長や成熟が図られるのです。つまり、その第一段階が「自立人材」になると言う事になります。

経営者の皆さんは「うちには自立人材なんか?一人もいないよ。」と最初から諦めていませんか?確かに多くの経営者は異口同音にそう言います。しかし、実際にやってみると「どうでしょうか?」みるみるうちに良くなります。見違えるほど成長するのです。

要するに、未訓練だったに過ぎません。今まで未経験だったから、誰からも教育される機会が無かったからに過ぎないのです。よって必ず「自立人材」は潜在化(まだ表れていないがいる)しています。例えば20代5人。30代10人。合計15人を審査すると最低限20%はいます。3人です。そして彼等こそが、5年後自社の再建を担う管理者候補になってくれます。

3.解決の処方箋!簡単な行動診断の活かし方

ではここで自己診断(階層別アセスメント制度における重要な審査基準)における最重要な審査ポイントの回答をお伝えします。

それは、「①人柄や人間性と言う人物本位を最重要な審査ポイントにする」ことです。

②~⑤は教育する事が可能です。しかし、①人柄や人間性と言う人物本位は生まれながらに決まっています。

誠実さ⇔反対は、要領よく誤魔化す
真剣さ⇔反対は、適当に手抜きする
生真面目さ⇔反対は、努力を惜しみ自己満足する

私が26年間やってきた簡単な行動診断は2種類です。
・YG性格行動傾向検査 
・クレペリン精神検査

2種類実施しても、90分間で診断結果が出てきます。しかも「YG性格行動傾向検査」「クレペリン精神検査」を応用的に掛け合わせて独自診断しますので、以下の行動傾向が観察されます。

「YG性格行動傾向検査」「クレペリン精神検査」による行動傾向の観察

  • 人柄・人間性 特に対人関係の能力
  • 作業能率=器用さや注意深さ=課題解決能力
  • 物事への取組姿勢(気乗りの良さ・悪さ)
  • ストレス下での行動特徴(ロスミス発生)
  • レジリエンス(苦しい出来事への対応力)

もちろんお一人でも簡単に検査は出来ますし、検査用紙は2種類合わせても500円以内です。しかし最重要なノウハウは、過去26年間で35000人以上の診断実績を持つ者が診断する事にあります。誰でも出来る事ではありません。

4.本ページのポイントまとめ

では、第6回のコラムで重要な8つのことについて振り返りしてみましょう。

  1. 自己診断(次期経営者)
  2. 制度上の問題点から予測される事象
  3. 階層別人材アセスメント制度の概要
  4. 階層別アセスメント制度のポイント
  5. 自己診断(階層別アセスメント制度における重要な審査基準)
  6. 可能性や創造性を発揮する3つのステップ
  7. 解決の処方箋!簡単な行動診断を活用する
  8. 「YG性格行動傾向検査」「クレペリン精神検査」による行動傾向の観察

第6回のコラムは以上となります。第7回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の7つ目「これが決め手だ、若手社員に育成方法を託せ!」について解説していきます。

本気で若手社員を活かすための企業改革をお手伝いします!

若手社員や次世代管理者の育成のためには、社内の風土改革はもちろん、人事制度改革も含めて検討していかなければなりません。しかし、経営者・幹部だけでは過去のしがらみやベテラン社員への必要以上の忖度が働いてしまい、上手く進められないことも多いのが実情です。

カイゼンベースでは、経営コンサルタント(人事のプロ+生産のプロ)が貴社の企業改革・工場改革を二人三脚でサポートします。

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カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺 純

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

コンサルタント歴26年!未来の希望と未知開く勇気を全てのクライアントから引き出すことを誓約している組織開発コンサルタント。新入社員教育、一般&中堅社員教育、管理者教育、部門長教育のプログラムのオリジナル開発、新規事業構想や次期技術幹部の養成、人事制度改革や営業&マーケティング改革、技術経営~ビジネスプロセスリエンジニアリング等、360度広角の圧倒的に広い専門領域を持つ唯一無二の存在。


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カイゼンベース株式会社 藤澤カイゼンベース株式会社
代表取締役CEO 藤澤 俊明

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

東京理科大学大学院修了後、トヨタ自動車(株)では生産技術部門で新規生産ライン構築や海外工場立上げ等に従事。その後製造系大手コンサルティングファームを経て独立。自動車部品工場、組立工場、鋳造工場、食品、化学プラント等、幅広くコンサルティング実績を積み重ねている。2015年にカイゼンベース株式会社を設立し、人材教育等の現場力・カイゼンの発展に向けて活動している。


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