第5回:経営者が抱える技能継承への思い込みを捨てる!【製造業の若手育成:成功への7つの秘訣】

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製造業の若手育成:成功への7つの秘訣の5つ目を解説

はじめに

若手の育成。あらゆる会社において共通の課題ですよね。
近年では人材不足が深刻化しており、「採用する人を選べない」状況が常態化しています。

このような環境下で、我々はどんなことに取り組んでいけばよいのでしょうか?

第5回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の5つ目「経営者が抱える技能継承への思い込みを捨てる!」について解説していきます。
若手社員がイキイキと働くことができる企業を創るきっかけとしていきましょう。

カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺純先生

1.優秀な若手社員からむしろ育成法を学ぶべき。彼らの欲する学び方を知る

既に4回のコラムを通じて若手人材の育成は、今までのやり方や方法が全く通用しなくなったと言う事は、ある程度はご理解頂けたかと思います。しかし、まだ根強く残っているのは、経営者自身の技能継承への思い込みなのではないでしょうか?

ここで真摯な気持ちで自己診断をやってみて下さい。

自己診断(技能継承への思い込み)

  • やはり技能継承は、従来のやり方や方法による方が上手く行く
  • 現在の管理者やOJTトレーナーが教えないと上手く行かない
  • 若手人材の学び方をそもそも管理者やOJTトレーナーは知らない
  • いくら目的を示しても手段を生み出せるほど若手は熟達していない
  • マニュアル(手順書)の整備の方が技能伝承に繋がる

さぁ、いかがだったでしょうか?

確かに単純作業労働者の養成ならば、そうかも知れません。しかし、これから求められるのは創意工夫や改善改革と言う技術における知識労働になるのです。

よって、管理者やOJTトレーナーからの技術的なアドバイスは必要ですが、むしろ目的を示して学び方自体は若手人材自身が研究して試行錯誤しながら習得する方がよいのです。

知識労働とは、正解が予め用意されていないような未知数の部分をいかにして創意工夫を加えて改善改革し、更に創造して行くかが大切です。今までのように、正解を早く正しく導くことよりも重視されるのです。

むしろ今までにはない独創的な発想や、新しい技術の結合や連携等が創造的に生み出される必要があります。試行錯誤や早い段階での失敗や路線変更は歓迎すると言うような、より体験的な学び方を若手人材は好みます。

そればかりではなく、若手人材の目線で見てみると、もっと切実な思いが見当たります。若手人材の技能習得に関する不満は、意識的な面でも明らかにあります。これはたとえ話になりますが、「古臭い同じ帽子(従来の技術手順)」を早くかぶれ、早く使いこなせ!と一方的に強要して来ても、ズレが広がるばかりではないでしょうか?

  • そもそも頭の形や大きさが異なるから同じ帽子が無理にはかぶれない
  • 過去は良かったのだろうが古臭いデザインを今更かぶる気になれない
  • 本来帽子の果たす役割を考えれば別の選択肢(ヘルメット等)もありえる

帽子の事例で説明しましたが、技能伝承の方法論も全く同じなのです。
つまり、優秀な若手社員からむしろ育成法を学ぶべきであり、彼らの欲する学び方を知ることからスタートすべきなのだと考えることが必要な時代となっています。

伝統的な技能伝承だと「察し(雰囲気を掴む)と気合(努力と根性)」が中心となり、あまり科学的ではないのです。「そもそも技術とはこういうものだ」と言う、とことん無駄を削ぎ落して結晶化した部分(エッセンス)を学ばせようとします。しかし、若手人材はそうはいきません。彼らは試行錯誤を繰り返しながら、失敗や遠回りを体験して初めてその技術が持つ奥行きの深さや意味合いを体感していきます。その結果として理由や背景が分かっていくのです。

「正解はこれだ。」と言うのでは学びにはなりません。創意工夫や改善改革をするには、そのプロセスが重要なのであり、プロセスを体験しながら「もしこうしたらどうなるのか?」と深い思考を巡らせるところが重要となります。

20世紀後半や21世紀のこの20年あまり、正解志向があまりに行き過ぎて失敗を経験させなくなり、失敗から体験的な気づきや学びを得ることが出来なくなりつつあります。これでは到底のこと、知識労働者は育ってはこないのは当然です。経営者として、この誤解を解消しない限りは、若手人材は育たないと認識せねばなりません。

2.意識や行動がどう技術習得に繋がるのか?を見直す

相当に激しい変化の中で、今経営者に待ったなしで求められている事は何か?について、更に考えてみましょう。

自己診断(経営者自身の行動)

次の自己診断に真摯に回答してみましょう。

  • 経営者の学びを定期的に行っている(講演会や研修会に毎月行く)
  • 社員の教育や研修の折は可能な限りは顔を出して自分も聴く
  • 経営者の団体や仲間とのコミュニティを持ち情報交換している
  • 毎月1冊は、雑誌以外の本(書籍)を読んでいる
  • SNSを活用した幅広い人脈や情報収集を欠かさない

さぁ、いかがでしょうか?
最低限度3つは該当しなければ、もはや若手人材育成どころか、激変する社会情勢に全くついて行くことができなくなるでしょう。「テレビや新聞は見ているから」と言い訳するかもしれませんが、既にテレビや新聞レベルでは、時代や社会の激変に追いつけないという認識が必要です。

社会人基礎知識のレベルにおいて、経営者自身がどれだけの能力を身に付けているのでしょうか?因みに以下に示すのが、社会人基礎知識や行動ガイドラインと呼ばれるものです。様々な規範がありますが、一つの事例として参考に見て下さい。

社会人基礎知識及び行動ガイドライン(一つの事例)

1:前進力
 ①主体変革性(意識)
 ②働きかけ力(行動)
 ③実行力(行動)

2:課題解決力
 ④課題発見力(意識)
 ⑤計画力(行動)
 ⑥創造力(行動)

3:組織労働力
 ⑦論理的伝達力(行動)
 ⑧柔軟性(意識)
 ⑨状況把握力(行動)
 ⑩規律性(意識)
 ⑪利他性(意識)
 ⑫陽転指向性(意識)

4:組織貢献力
 ⑬意思決定支援力(行動)
 ⑭人材育成力(行動)
 ⑮組織標準化力(行動)

これが我が国における「社会人基礎知識・行動ガイドライン(事例)」になります。いろいろな機関が提示していますので、一つの事例だと思って下さい。

これら6つの模範的意識と、9つの模範的行動を企業人・社会人として習得するべきだと言うのです。しかもこれは社員向けです。管理者や経営者は、もっと上のレベルを求められています。

理由は簡単です。我が国は「世界初の知識社会を実現しないと存続できない人口構成の国家」になったからです。桁違いに少子高齢化が深刻な日本は、もはや「作業労働者による労働集約型社会」を計画的に脱却して、より高度な「知識労働者による改善改革・創造型社会」を早期に構築する必要があります。

つまり、6つの模範的な意識醸成と9つの模範的な行動促進を総力挙げて取り組まない限りは、国家も企業・組織も存続できないほど「追い詰められている社会」なのです。

これが国策なのです。早急に知識社会への転換を図る必要がありますが、大企業はともかく中堅(50人以上)中小企業が全く準備不足ではないでしょうか。もはや零細・中小企業は、存続を危ぶまれる事態に近づいています。

3.解決の処方箋!技能継承の模範例をあなたの会社に作る

6つの意識醸成と9つの行動促進を掲げて中堅・中小企業の抜本的な若手人材への教育研修を提供している教育会社やコンサルティング会社はほとんどありません。多くの教育会社やコンサルティング会社は、大企業を相手にして十分な糧を得られるからです。しかも教育予算が少なく、かつ経営者に教育研修への意識が乏しい事も原因となっています。

しかし、それで間に合うのでしょうか?
2025年辺りからは、当たり前のように「知識労働者の社会」に転換しているのに、自社の若手人材は6年後その社会的な激変について行くことが出来るのでしょうか?

  • 限られた教育予算
  • 少数の若手人材(20代~30代)
  • 待ったなしの技能継承の要求
  • 6つの意識醸成と9つの行動促進が必須
  • 経営者の直轄による選抜型教育

技能継承の模範例をあなたの会社に作る覚悟が必要になります。まだ最長6年間はあります。最短は2年間(2021年まで)。
経営者が腹を括る場面に差し掛かっているのです。

4.本ページのポイントまとめ

では、第5回のコラムで重要な5つのことについて振り返りしてみましょう。

  1. 自己診断(技能継承への思い込み)
  2. 自己診断(経営者自身の行動)
  3. 社会人基礎知識及び行動ガイドライン(一つの事例)
  4. 解決の処方箋!技能継承の模範例

第5回のコラムは以上となります。第6回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の6つ目「本当に活躍する若手社員を見つけて育てるしかない!」について解説していきます。

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カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺 純

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

コンサルタント歴26年!未来の希望と未知開く勇気を全てのクライアントから引き出すことを誓約している組織開発コンサルタント。新入社員教育、一般&中堅社員教育、管理者教育、部門長教育のプログラムのオリジナル開発、新規事業構想や次期技術幹部の養成、人事制度改革や営業&マーケティング改革、技術経営~ビジネスプロセスリエンジニアリング等、360度広角の圧倒的に広い専門領域を持つ唯一無二の存在。


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カイゼンベース株式会社 藤澤カイゼンベース株式会社
代表取締役CEO 藤澤 俊明

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

東京理科大学大学院修了後、トヨタ自動車(株)では生産技術部門で新規生産ライン構築や海外工場立上げ等に従事。その後製造系大手コンサルティングファームを経て独立。自動車部品工場、組立工場、鋳造工場、食品、化学プラント等、幅広くコンサルティング実績を積み重ねている。2015年にカイゼンベース株式会社を設立し、人材教育等の現場力・カイゼンの発展に向けて活動している。


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