第2回:重要なのは、役割の明確化と能力開発の体系化にある!【製造業の若手育成:成功への7つの秘訣】

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製造業の若手育成:成功への7つの秘訣の2つ目を解説

はじめに

若手の育成。あらゆる会社において共通の課題ですよね。
近年では人材不足が深刻化しており、「採用する人を選べない」状況が常態化しています。

このような環境下で、我々はどんなことに取り組んでいけばよいのでしょうか?

第2回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の2つ目「役割の明確化と能力開発の体系化」について紹介していきます。
若手社員がイキイキと働くことができる企業を創るきっかけとしていきましょう。

カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺純先生

1.責任感が芽生えていない状態では知識も技術も伝承しない

「うちでは若手のやる気や真剣みが足りない」「自分で知識や技能を学ぼうとしない」と、嘆いていないでしょうか?
嘆く前にやるべきことがあります。まずは冷静に、次の自己診断(手順書・計画の体系)をやってみてはいかがでしょうか?

自己診断(能力開発の体系)

  • 新入社員に対する「育成の手順書」がある
  • 二年目社員(一般社員)に対する「目標を決める用紙」がある
  • 3年目社員(中堅社員)に対する「後輩のサポート手順書」がある
  • 「いつまでに」「どの技術を」「どうやって学ぶか」決めてある
  • 管理者の側に「若手社員の育成計画」が書いてある

いかがでしょうか?しかし、このような問いかけをすると、次のような本音(言い訳)が聞こえてくることがあります。

「うちは大企業じゃないから、若手の育成は現場任せだ。」
「先輩の頭の中に指導法があるから良いのだよ。」

しかし、その考えを持っているから「若手社員が育たない」としたらどうしますか?

では今度は若手社員の本音を考えてみましょう。

若手社員の本音

  • 1年目の社員から:「掃除や雑用ばかりさせられて、技能に関わる作業は見ていろ!ばかりじゃやる気が出ないですよ」
  • 2年目の社員から:「どうやって技能を習得するのか?どこでチェックしてもらえるのか?さっぱり分からない。良いのか?悪いのか?も曖昧だし、チェックされて突然できないじゃないか!と叱られる」
  • 3年目の社員から:「おい、新人の面倒を見てやれ!」とただ丸投げされる「新人が途中で辞めたり、急に元気がなくなって来ると“先輩の指導が悪い!”と責任を押し付けて来る」

このような現場のヒソヒソ話は、恐らくトップの耳には届かないでしょう。

そうなのです。この時期に何を努力すれば良いのか?その責任感が明確でない状態のまま、先輩をみて学べ!と丸投げするような「現場指導・現場育成」では、既に現場の活力は失われているのです。

ではどうやって現場の指導や育成を手順書にすればよいのでしょうか?

「そもそもそのやり方が分からない」とか「現場はそういう手順書を嫌うから」とか、そういう言い訳や言い逃れが山ほどあります。

では若手社員が辞めても良いですか?育たなくても大丈夫なのですか?言い訳が通用しますか?そんなわけはありません。

更に若手育成をする側の管理者の本音を聞いてみましょう。

若手育成をする側の管理者の本音

  • 「自分が日常的に実作業もするので、部下を育成指導するのは3年目先輩に丸投げするようにしている。なかなか上手く育たないが、3年目辺りに任せるしかない。若手社員を自分が育成指導するそもそも時間がない」
  • 「若手の育成計画なんて作ったこともない、作り方も良く分からない。自分たちは勝手に先輩から技術をみて盗むように成長してきたのだから、育成指導法なんか、知らないよね」

つまり、技術を教える側も、技術を教わる側も、「責任感」がそもそも無いのだと言う事実に気が付きましたか?

両方ともに「責任感」がなく、その代わりに「やらされ感」は一杯なのです。

「全く話が通じないし、技術習得ができないのは相手のせいだ!」と互いに決めつけていませんか?少なくとも内心はそう思っていませんか?

若手社員は「分かるように教えてくれたら習得します。具体的な手順や習得計画を示して欲しいです。先輩を見て学べじゃ分かりません。」と言い、管理者は「とにかく忙しいのだから、自分が出来る事からやれるだろう。先輩に言われたことくらいはさっさと習得しろ!」と言います。

この両者には、信頼感も尊敬・愛情もほとんどないですよね。結局責任感が無い限り技術伝承は無理なのです。これが結論です。

要するに「管理者も若手社員も、技術伝承と言われても、相手が本気でやる気になるまでは無理だ」と自分たちで勝手に決心しています。
だとすれば、「互いに本気になってやる気を出すようにしましょうよ。」と言う単純な問題に行き着くのです。互いの誤解と決めつけを解消しなければ、一切前には進みません。

このまま数年若手育成を放置すると、人手不足倒産が始まります。若手社員があなたの会社・職場にはいなくなってしまいます。恐らく時間の問題でしょう。若手社員入社ゼロ時代は恐らく2021年から始まります。本当の危機は間もなくやってくるのです。

2.本当に人間がやるべき業務を選別して重要な部分を担当させるしかない

2021年~2025年は製造業の職場に「劇的な革命」が起きると言われています。

急速な自動化の波が押し寄せます。比較的手ごろな価格で自動化のロボットやAIが現場や倉庫や事務所にも登場し始めます。そうしないと、若手社員による人手不足倒産に陥るからです。既に物流業界は、若手社員は入社して来ません。応募が無くなっているのです。

「作業レベルで行う技術や業務は大半が自働化できます」と言う時代に、後5年以内になって行くでしょう。熟練技術者のレベルは無理でも若手社員が担う作業領域は50%以上そうなることでしょう。

2021年から2025年までに予測される自動化の波(予測なので確実ではない)

  • 視覚領域(認証等)は、高性能カメラとセンサーで代替
  • 区分けや形状識別・ピッキング(必要なものだけ取り出す)等はAIやロボットで代替
  • 定型反復作業での取り付け・取り外し・不良品排除等もロボットで代替
  • 配車や工程変更及び作業変更や在庫発注の計画や指示等はAI等で代替
  • 入社3年目以内の若手社員領域の「身体感覚」を伴わない作業=ロボットやAIに可能な感覚器官(触覚・嗅覚・味覚・聴覚等)は各種センサーで代替
  • オフィスでの営業活動80%以上は自働化してWEB対応に代替
  • 店舗レジはほぼ無人化=盗難防止に一人オペレーションに代替
  • オフィスの内勤管理業務のほぼ50%は「ペーパーレス化」してAIが代替

2025年以降になれば、若手社員の作業領域はもう自働化機器が代替しています。今の若手がベテラン社員になる頃には、本当に人間にしか対応できない領域(身体感覚をフル活用する領域)以外は、職人(技術者)は不要になるのです。そういう時代があなたの会社にも、いよいよ迫ってきていると認識しなければいけません。

つまり若手社員には今のうちから、本当に人間がやるべき業務を選別して重要な部分を担当させるしかありません。あなたの会社で今から5年間で若手に習得させる知識や技術は具体的には何に変化しますか?

2021年以降2025年までは「明治維新並みの社会変化(文明開化)が起きる」と言うのが私の予測です。もしそうならば5年間であなたの会社は別世界に移行することはできますか?

当然2019年今から始めなければ、若手育成は間に合いません。教育や研修のやり方、現場指導や現場育成のやり方からまずは変わっていくのでしょう。実は私は既にこの6年間、富士ゼロックスグループの中でそれを実践してきました。若手社員の教育研修をが100%変わる瞬間を作り出してきました。2025年までは6年間あります。あなたの会社でもまだ間に合います。

しかし、もう回り道は許されません。

本当に人間がやるべき業務を選別して重要な部分を若手社員に早期に担当させなければ生き残ることはできません。10年かけて一人前の職人に育てるのではもう間に合わないのです。最大6年間、その中でもまだ若手社員が採用可能な3年間が勝負です。

3.解決の処方箋!教育体系を作成して若手社員に未来を描かせる

では解決策の処方箋をお伝えします。

  • 若手社員(入社10年以内)を対象とする教育体系を構築する
  • その教育体系の具体化を若手社員自身が参画して詳細にする
  • 若手社員自身が、育成のトレーナー役となる先輩や管理者を指名する
  • 若手育成計画を作る
  • 育成計画をベースに若手社員が自分の未来像(2025年)を描いてみる

決して押しつけにならないように配慮して、若手社員を中心とした「教育プログラムの組み立て」をすることがポイントです。もちろんこれらは自社の中だけで行なうのは難しいかもしれません。その際には、実践経験が豊富な経営コンサルタントのサポートを活用することも含めて進めていきましょう。無理に自社だけで行ない失敗するよりも、コンサルタントを活用してスピード、コスト、質ともに満足のいく活動を行なうことが必要な時代です。

もちろん若手社員を育成した経験やノウハウがない管理者に丸投げするだけではいけません。若手社員が内面に持つ「未来への不安感」「未知なる技術に挑戦する勇気」を受け止める事ができれば、若手社員は自分から学び始めます。それは、あなたの会社にも必要な変化であることは間違いありません。

4.本ページのポイントまとめ

では、第2回のコラムで重要な3つのことについて振り返りしてみましょう。

  1. 自己診断(能力開発の体系)
  2. 2021年から2025年までに予測される自動化の波
  3. 解決の処方箋

第2回のコラムは以上となります。第3回のコラムでは、製造業の若手育成に関する成功への7つの秘訣の3つ目「若手社員(20代~30代)を簡単に退職させない!」について解説していきます。

本気で若手社員を活かすための企業改革をお手伝いします!

若手社員や次世代管理者の育成のためには、社内の風土改革はもちろん、人事制度改革も含めて検討していかなければなりません。しかし、経営者・幹部だけでは過去のしがらみやベテラン社員への必要以上の忖度が働いてしまい、上手く進められないことも多いのが実情です。

カイゼンベースでは、経営コンサルタント(人事のプロ+生産のプロ)が貴社の企業改革・工場改革を二人三脚でサポートします。

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人事制度、経営リスク、工場改革に関する無料相談
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人事制度診断
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私が人事制度改革・経営リスク診断をサポートします!


カイゼンベース株式会社 田辺純先生富士生涯教育大学校・人間共育学部
カイゼンベース株式会社 監査役
田辺 純

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

コンサルタント歴26年!未来の希望と未知開く勇気を全てのクライアントから引き出すことを誓約している組織開発コンサルタント。新入社員教育、一般&中堅社員教育、管理者教育、部門長教育のプログラムのオリジナル開発、新規事業構想や次期技術幹部の養成、人事制度改革や営業&マーケティング改革、技術経営~ビジネスプロセスリエンジニアリング等、360度広角の圧倒的に広い専門領域を持つ唯一無二の存在。


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カイゼンベース株式会社 藤澤カイゼンベース株式会社
代表取締役CEO 藤澤 俊明

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

東京理科大学大学院修了後、トヨタ自動車(株)では生産技術部門で新規生産ライン構築や海外工場立上げ等に従事。その後製造系大手コンサルティングファームを経て独立。自動車部品工場、組立工場、鋳造工場、食品、化学プラント等、幅広くコンサルティング実績を積み重ねている。2015年にカイゼンベース株式会社を設立し、人材教育等の現場力・カイゼンの発展に向けて活動している。


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