カイゼンベース / KAIZEN BASE

PDCAサイクル、OODAループとは?ビジネスの質を高める2つの回転

PDCAサイクルを表す画像
藤澤 俊明

藤澤 俊明

代表取締役
シニアコンサルタント

トヨタ自動車の生産技術部門を経験後、製造系大手コンサルティングファームを経て2015年にカイゼンベース株式会社を設立。国内外の製造業を中心とした人材育成・改善支援に尽力中。

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PDCA(ぴーでぃーしーえー)サイクルとは

期待される結果を確実に得るためのPDCAサイクル

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価・進捗チェック)、Action(改善・再実行)を継続的に回していくこといにより仕事の結果の質を高めるサイクルのことです。それぞれのアルファベットの頭文字を取ってPDCAサイクルと呼ばれています。

PDCAサイクルは、マネジメントサイクルとも呼ばれることから分かるように、マネジメント(管理)を行う考え方の1つです。ビジネスにおいては、当初決めた計画が、必ずしもその通りに進まないこともあります。むしろ計画通りに進まないことも多い中で、当初の計画をずっと変えないことが、悪影響になることも少なくありません。

そこでPDCAサイクルを活用し、計画またはルール通りに業務が実施されているかを確認し、必要に応じて修正・改善を繰り返していきます。それにより、期待される結果が確実に得られるように仕事を進めていくのです。

期待される結果を確実に得るためのPDCAサイクル

PDCAサイクルのポイント

Plan(計画)のポイント

Planでは、期待される結果が出るような、現実性、具体性のある計画を立てることが必要です。

Do(実行)のポイント

Doでは、計画に沿った確実な実行が大切です。

Check(評価・進捗チェック)のポイント

Checkでは、計画と実績の差異を正しく測定し、差異を埋める行動を考えることが求められます。

Action(改善・再実行)のポイント

Actionでは、期待される結果へ向けて、行動の修正に加え、再発防止策、仕組み化等まで含めた行動をすることが大切です。

このPDCAサイクルは、普段から意識して回さなければいけませんが、実はそれが出来ている人は意外と多くありません。計画をしっかりと立てずに、「いきなり何かを実行」してしまったり、実行したものの、評価がされることはなく「やりっ放し」になっていたりということは、枚挙にいとまがありません。

自分では出来ているつもりでも、実は全然出来ていないこともあり得ますので、普段の仕事の中で、自分は本当にPDCAサイクルを回せているか、一度振り返ってみましょう。

【参考】Action? Act? 正しい表記は?

「Action」は「Act」と表現されることもありますが同じ意味で活用されます。
元々Actionと表記されて使われていましたが、英語の使い方として、「Plan,Do,Check」は動詞であるのに「Action」だけ名詞なのはおかしいのではないかという議論がありました。

「Act」の方が英語表現としては正しいという意見がありますが、日本においては同じ意味として使われていることを踏まえ、「どちらを使っても間違いではない」と思って頂いて差し支えありません。

5S活動のPDCAの事例

それでは次に、PDCAサイクルを事例として確認してみましょう。今回は、5S活動を例に取ってみます。

5S活動におけるPlan(計画)

まず、Planの計画策定では、5Sレベルの評価結果等をもとに、自職場の現状をしっかりと認識したうえで、重点的に実施する内容とそのスケジュールを決めます。

5S活動におけるDo(実行)

そして、Doの改善実施では、決めた内容をスケジュールを守り実行します。
例えば、整頓では、置き場の区画線を追加し、置き場の一覧表を作成するといったことを行ないます。

5S活動におけるCheck(評価・進捗チェック)

そして、Checkの定期フォローでは、改善した結果、5Sレベルの評価点数がどう向上したかを確認し、目標に足りていない項目に対して再度検証・検討を行ないます。

5S活動におけるAction(改善・再実行)

そして、Actionの行動の修正、追加改善では、必要に応じて実行内容の変更・追加を実施します。例えば、清潔では、棚卸し業務の標準化により、二度と乱れない仕組みを作るといったことを行ないます。

5S活動のPDCAの事例

なお、これらのことは一度きりにするのではなく、継続してサイクルを回していくことで、継続的な改善が進んでいくのです。5S活動以外でも、沢山の場面でPDCAサイクルで仕事を進めることが求められます。

いくら面倒でも、いくら時間がなくても、しっかりとPDCAを回しながら仕事を進めることで、確実に結果を出せる人材を目指していきましょう。

OODAループ(うーだるーぷ)とは

スピード感を持って仕事を回すためのOODAループ

OODAループとは、Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字を取ったものです。

分かりやすく言うと、「観る」「分かる」「決める」「動く」というループのことです。

現代はスピードを求められることが多くなっており、必ずしもPDCAの「Plan:計画」に時間を掛けることが出来ないことも珍しくありません。そこで生まれてきた考え方がOODAループです。スピード感を持って仕事を進めていくために、机上の計画に時間を掛けずに、まずは対象をObserve(観察)することから始めていこうという意味が込められています。これからの時代、益々重要になってくる考え方ですね!

OODAループのポイント

Observe(観察)

新しいことに取り組み際や改善を進める際には、まずはしっかりと現場・作業などのモノゴトを観察することが大切です。

Orient(状況判断、方向づけ)

そして、観察した結果から問題点を見つけ、課題を明確化しなければいけません。

Decide(意思決定)

課題に対しては、どのような計画で改善するのか決める必要があり、同時に役割分担も明確に決めることが必要です。

Act(行動)

決めるべきことを決めたら、計画に基づき改善を進めます。期限までに結果を出すために、後回しにせずに行動することが求められます。

一度切りの実行で終わるのではなく、OODAループを何度も素早く繰り返すことが大切と覚えておきましょう。

OODAループとは

PDCAサイクル、OODAループのまとめ

以上で学んだことをまとめてみましょう。

PDCAサイクルとは

  • Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善の頭文字を取ったもののこと
  • マネジメントサイクルとも呼ばれ、期待される結果を得るために必須の業務の進め方
  • Plan:計画では、期待される結果が出るような現実性、具体性のある計画を立てることがポイント
  • Check:評価・進捗チェックでは、計画と実績の差異を正しく測定し、差異を埋める行動を考えることがポイント
  • Action:改善・再実行では、期待される結果へ向けた行動の修正に加え、再発防止策、仕組み化等まで含めた行動をすることがポイント

OODAループとは

  • Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字を取ったもの
  • 一度切りの実行で終わるのではなく、OODAループを何度も素早く繰り返すことが大切

PDCAサイクルもOODAループも、1度だけではなく、継続的に何度も回すことで、結果の質を向上させるための考え方ですね!

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