品質クレームを無くすために必要なこと-スライド14

ダブルチェックは効果が薄い!?品質クレームを無くすために必要なこと(前編)

品質クレームに対して、あなたの会社ではどのような対策アプローチを行なっていますか?ダブルチェック、トリプルチェック、・・・・、そんな多重のチェックを行なっているにも関わらず、クレームが減らない一方で効率ばかりが低下する。そんな状況にはなっていないでしょうか?ダブルチェックは意味が有るのか無いのか、よく議論になりますが、果たして実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、品質クレームを無くすために必要なことについて解説していきます。

後編はこちらから

前編では、良い品質とは何か、後工程はお客様とは何かを解説

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目次

3つの視点から説明していきます。

1.良い品質と品質管理
2.後工程はお客様で考える品質管理と品質保証
3.品質問題を起こさないために必要なこと

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1.良い品質と品質管理

まずは、良い品質と品質管理についてです。
良い品質ってどんなものなんでしょうか?2つの視点から品質とは何か解説していきます。
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品質にも定義があります。

「品質とは、その製品やサービスが使用目的を満たしている程度(使用目的への適合性)」

何だかよく分かりませんよね。もう少し噛み砕いて言うと、
「お客様から求められたものを納めた時、どのくらい満足してもらえたか?」が品質です。

つまり、1つ目の大事な視点は、「お客様の満足度」がまさに品質であると言えます。

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では、お客様の満足度が高く、「品質が良い」ものというのは、どういうものなんでしょうか。

実はこの質問、一概に答えることはできません。どういうことでしょうか?

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例えば、10万円のブランドバックを購入した時、少しでも汚れが付いていたら、「品質が悪い!」と言ってカンカンに怒ってしまうかもしれません。
一方、100円の紙袋にも同じくらいの汚れが付いていても、「まぁいいか」という程度でしょう。

同じ汚れでも、受け取り方はまるで違うのです。

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つまり、品質とは顧客が支払う「対価」に対する「価値」のことでもあります。

品質は相対的なものなのです。一般に、品質は顧客が決定し、生産者は品質を決める事は出来ません。

「モノは良くないし、値段も高いんだよなぁ」⇒こんな品質は問題外ですよね。

「モノは今一歩だけど、値段は安いんだよなぁ」⇒これも今の時代、あまり受け入れられません。

「モノは良いんだけど、値段は高いんだよなぁ」⇒これも同様に、今の時代、あまり受け入れられません。

「モノは良いし、値段も納得できるんだよなぁ」⇒狙うべきはココですよね!

「モノは良いし、値段も格安なんだよなぁ」⇒これはどうなんでしょうか?実はこの考えには注意が必要です。

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当然ながら、企業である限りは、青天井に品質を高めていくことには限界があります。

品質の2つ目の大事な視点は、「品質とコストの両立」を達成することです。

良い品質で低コストの製品を販売し、利益を出す。
そして、出た利益を、更に良い品質・低コストの製品を造るために投入する。

このグッドサイクルが回り続けることを目指していくのが企業の本来の姿です。
いくらでもコストを掛けて高品質を求めることは、短期的にはお客様に認められることになるでしょう。
しかし、それにより利益が出ない体質になってしまうのであれば、継続的な品質の改善もままならなくなります。

長期的な時間軸でも品質のレベルアップを行なっていくためにも、お客様に納得して頂ける狙いの品質の製品やサービスを、コストと両立しながら作り上げていくことが必要不可欠なのです。
それをどう達成するのかを管理するのが、「品質管理」の仕事ですよね!

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ここまでをまとめると、
・品質の良し悪しは、自分たちで決められない。
・お客様がどれくらい満足してくれたかで品質は決まる。
・品質はコストも含めて考えなければいけない。
・モノはいいけどコストが高い⇒品質が良いとは言えない。
・お客様のニーズにマッチするモノを低コストで造らなければいけない。
ということになり、これらを成り立たせる活動が、品質管理の活動であると覚えておきましょう!
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2.後工程はお客様で考える品質管理と品質保証

それでは次に、「後工程はお客様で考える品質管理と品質保証」について解説していきます。
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でははじめに、品質管理はQCと略されますが、QCとは何の略でしょうか?

Quality Checkではないですよね。そう、Quality Controlが品質管理です。

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なぜこんな簡単な問題を出したかというと、品質管理は、「品質をCheckするのではなく、Controlするもの」という当たり前を今一度確認してほしいからです。

言い方を変えると、いくら何度も品質チェックを行なったとしても、品質管理をしていることにはなりません。

ダブルチェック、トリプルチェック、・・・。品質問題の対策にはいつも出てくるこれらの言葉、意味が無いとは言いませんが、効果は一時的であることは認識しなければなりません。

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では、なぜ効果が薄いのか、スイスチーズモデルという考え方をもとに、チェック工程をチーズに例えて考えてみましょう。
スイスチーズモデルは、チーズを防御壁、チーズの穴を抜け・漏れ流出のリスクに例え、多重にチーズを並べることで、穴を貫通する(流出やクレーム、事故等が発生する)確率が減少することを説明したモデルです。

このチーズの穴は、どこに発生するか、どのくらいの大きさで発生するかも分からないため、時々刻々と変化します。

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抜け・漏れによる流出・クレームは、この穴が重なった時に発生するのです。
このモデルで考えると、穴が重ならないように何枚もチーズを並べれば(チェック工程を増やせば)、流出も減るようにも思います。

しかし、このモデルの落とし穴は、穴の大きさにあります。
1つ1つの穴を小さく出来ている会社はたしかにこの考え方でよいのです。
しかし、流出・クレームが多い会社は、そもそも1つ1つの穴が大きい状態なので、何枚チーズを並べても(チェックを増やしても)、穴が貫通する確率はそれほど下がらないのです。
 
つまり、抜け・漏れが多い状態でいくらチェックを増やしても、本質的には改善されていることにはなりません。

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更に良くないことに、ここに人間の感情が絡んできます。

チェックが沢山あるという安心感から、1つ1つの穴は更に大きくなりがちになるのです。
責任所在が分散されてしまうということです。

従って、チェック工程を増やすことが逆効果になることだってあると認識しなければなりません。

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では、どうすればよいのでしょうか?
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進むべき方向は1つ、1つ1つの穴を小さくし、穴が重なる確率を極限まで小さくするしかないのです。

人が介在する作業を無くす(自働化)、判断要素を減らす等、こういった地道な改善を1つずつ実行し、穴を小さくしていく活動が将来的なクレーム低減に繋がることは間違いありません。

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まとめると、1つ1つの穴を小さくして、不具合があるものを次の工程に送らないこと、これが流出防止の基本軸です。

そして、まさにこれが、自工程保証、後工程はお客様の考え方ですよね。

現場で働く全員がその考え方で仕事をすることが、会社の品質を向上させるために不可欠なのです。

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ちなみに、品質管理と品質保証の違いは説明できますか?

品質管理というのは、先ほど説明したように、
「1つ1つの穴をどのくらい小さくするか?」「どうやって小さくするか?」
といったことに対して、目標を定め、PDCAを回す活動を行なっていく活動のことを指します。

基本的に、製造各部門で責任を持って活動するものです。

一方、品質保証とは、
「それぞれの現場で行なっている品質管理は適切か?」
「品質管理だけでなく、文書管理、品質目標管理などの仕組みは 適切に回っているか?」
といったことを、品質管理を初めとして、お客様への品質を担保するために、会社として必要な仕組みをレベルアップする活動のことを指します。

従って、製造部から独立した品質保証部が関連部門を巻き込みながら活動を推進する活動となります。
品質管理は品質保証の一部と捉えておくと分かりやすいと思います。

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続きは、後編にて!

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カイゼンベース株式会社 藤澤カイゼンベース株式会社
代表取締役CEO 藤澤 俊明

講座監修者・コラム執筆者のプロフィール

東京理科大学大学院修了後、トヨタ自動車(株)では生産技術部門で新規生産ライン構築や海外工場立上げ等に従事。その後製造系大手コンサルティングファームを経て独立。自動車部品工場、組立工場、鋳造工場、食品、化学プラント等、幅広くコンサルティング実績を積み重ねている。2015年にカイゼンベース株式会社を設立し、人材教育等の現場力・カイゼンの発展に向けて活動している。


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