カイゼンベース / KAIZEN BASE

プロジェクトマネジメントとは?プロジェクトマネージャーが知っておくべき基本的な用語や定義を解説

プロジェクトマネジメントをイメージする画像
カイゼンベース運営事務局

カイゼンベース運営事務局

メディア運営、メルマガ配信等

2015年に活動をスタートしたカイゼンベース。世界一のカイゼン情報メディアを目指し、日々コンテンツ・記事の拡充やブラッシュアップを行なっています。

プロフィールはこちら

プロジェクト・マネジメントとは何か?概要を解説

プロジェクトでは・・・

実際のプロジェクトでは、様々な困難が降りかかってきます。

大幅なスケジュール遅延
足りない要員
コスト超過
低品質の成果物
暗く険悪なムードの定例会議
顧客からの叱責
チームメンバー同士の不協和音

これらは、珍しいことではありませんが、かと言って避けられないことでもありません。

世の中には、プロジェクトにおける様々な困難を乗り越えて、成功裏にプロジェクトを終えるプロジェクト・マネージャーも沢山いるのが事実です。

本ページでは、成功するプロジェクト・マネジメントを実現するために、プロジェクトマネージャーがしっておきたい基本知識やマネジメントの基本的な考え方について解説しています。

プロジェクトの現実…

プロジェクトとは

まずは、プロジェクトとは何か確認します。

2つの大事なキーワード

プロジェクトという言葉自体は聞いたことがありますよね。一般に、テレビドラマなどで使われる意味と大きな違いはありません。文章で定義付けすると、「明確な開始と終了を定め、唯一無二の成果物(製品やサービスなど)を創造するために行う有期性のある業務」と言い表すことができます。

さて、ここで、「唯一無二」と「有期性」という2つの大事なキーワードが出てきましたが、何のことだか分かりますか?
実はこの2つがプロジェクトの大きな特徴となります。

では、言葉の意味を確認してみましょう。

プロジェクトの定義

「唯一無二」「有期性」「段階的詳細化」

まず、唯一無二というのは、新製品や新サービスの企画・開発や、企業合併に伴う業務統合など、何かしらユニークな成果を生み出すということを指します。同じ会社、同じチームが生み出すものは似ていることもありますが、まったく同じことの繰り返しでなければユニークであると言えます。

次に、有期性です。
有期性とは、何かを日々延々と繰り返す活動ではなく、明確な始まりと終わりがある、つまり納期があることを指します。永遠に続くプロジェクトはありませんよね。プロジェクトには納期があるのです。

このほか、定義には含まれませんが、プロジェクトを進める上で意識すべきキーワードとして、段階的詳細化があります。

プロジェクトは唯一無二の成果物を生み出す活動なので、最初から全てが見通せるということはなく、プロジェクトを進めていく中で細部が見えてくるのが通常です。従って、当初は想定していなかった事が起こったとしても、パニックに陥ったり人を責めたりせず、プロジェクトの関係者全員が冷静に対処することが不可欠となります。

プロジェクトにおける大事なキーワード

プロジェクトと定常業務

ところで、プロジェクトの反対の意味の言葉は何か分かりますか?

そう、「定常業務」です。ここで、プロジェクトと定常業務の違いについて確認しておきましょう。

プロジェクトと定常業務

パン屋さんを例に考える

定常業務とは「明確な終わりがなく、日々同じ行動を繰り返す形で行われる継続的なモノやサービスの生産活動」を指します。定常業務とプロジェクトの違いについて、例で見ていきましょう。

毎朝2時からパンを作り始め、朝7時にお店を開けて販売し、夜8時にお店を閉めるというパン屋さんがあったとします。多少の時間変更や長期休業などはあるにしても、このパン屋さんは、何らかの理由でお店をたたむまで、この活動を日々延々と行うでしょう。

これがパン屋さんの定常業務です。

さて、このパン屋さんが日々の定常業務の合間に、例えば6月1日から30日の1ヶ月間のうちに、オリジナル商品となるパンを新たに開発し、7月1日から店頭に並べて販売することを企画するとします。

こちらは、唯一無二であり、有期性のある活動ですから、プロジェクトとなります。いつも繰り返し行うものは定常業務、期間を決めていつもはやらないことを行うのがプロジェクトと考えれば分かりやすいですね。

定常業務とは

プロジェクト・マネジメントとは

それでは次に、プロジェクト・マネジメントについて確認していきましょう。

プロジェクト・マネジメントとは

プロジェクト・マネジメントとは、プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる、計画立案、日程表の作成、進捗管理などを含む活動のことを指します。

つまり、プロジェクトを成功させる!

そのために必要な各種の取り組みを行うのがプロジェクト・マネジメントです。

では各種の取り組みとは何でしょうか。詳細を確認していきましょう。

プロジェクト・マネジメントとは

様々な視点からの取り組み

プロジェクト・マネジメントでは、様々な視点から取り組みが行われます。

具体的には、
・プロジェクトの企画立案
・リスク管理
・資源・コスト見積り
・成果物の構造化
・人的資源・物的資源の調達や運用管理
・人的資源の組織化や作業割り当て
・成果の評価
・進捗管理
等が含まれます。

プロジェクト・マネジメントで行う具体的な取り組み

プロジェクト・マネージャーの役割

それでは続いて、プロジェクト・マネージャーの役割について確認していきましょう。

プロジェクト・マネージャーは何をする人?

プロジェクト・マネージャーとは、どういう役割の人なのでしょうか。

プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト目標達成に向けて、プロジェクトの計画や実行、プロジェクトの進行や成果に対する責任者です。時にはプロジェクト全体の責任者となる場合もあります。皆さんが持つ一般的なイメージとのズレはないと思います。

ちなみに、プロジェクトはあるものに例えられることが多いのですが、何だか分かりますか?

それは、オーケストラやバンドによる生演奏です。生演奏は唯一無二で、曲や演奏会ごとに明確に開始と終了がありますよね。

プロジェクト・マネージャーの役割

オーケストラの指揮者やバンドリーダーと似た役割

プロジェクト・マネージャーには、オーケストラの指揮者やバンドリーダーと似たような役割があります。

指揮者・バンドリーダーは、様々な楽器を演奏するチームの中心となり、メンバーのテンポを合わせ、和音を奏でて1つの曲を生み出します。その結果として、リスナーも演奏者もハッピーになります。

一方、プロジェクト・マネージャーは、様々なタスク・役割のメンバーに対し、作業タイミング・スケジュールを合わせ、同じ目標へ向けてメンバーをリードして1つの目標となる成果物を実現します。その結果として、顧客もメンバーもハッピーになります。

プロジェクト・マネージャーは、指揮者のように全体のバランスを見ながら、チームとして最大限の成果を出すことが役割と言えますね。

プロジェクト・マネージャーの役割

管理者とプロジェクト・マネージャーとの違い

それではここで、一般的な管理者とプロジェクト・マネージャーとの違いを確認しておきましょう。どんな違いがあるか分かりますか?

管理者は、あらかじめ決まっている定常業務を繰り返す中で、配下の社員の活動や活動結果を確認し修正を加えていくことにより品質向上等を実現していきます。

一方、プロジェクトは唯一無二で、繰り返しの要素は強くありません。従って、プロジェクト・マネージャーは、限られた期間の中で、確実に成功する進め方を組み立てなければなりません。

さらに、組み立てた進め方について、背景情報などを詳細に持ち合わせていないチームメンバーに対し、漏れや誤解の無いようしっかりコミュニケーションを行う必要があります。

管理者とプロジェクト・マネージャーとの違い

最高にスマートにプロジェクトを成功させる

ここまでいろいろな定義を見てきましたが、プロジェクト・マネージャーの仕事は何か、一言で言えば、最高にスマートにプロジェクトを成功させること。そのために必要なことはすべてやることです。

チームメンバーは計画に沿って確実に行動することが必要です。そして、プロジェクト・マネージャーには、自らに許されたチームメンバーと資源でプロジェクトが確実に成功裏に終わるイメージを作り上げ、そのために必要なことをすべて行う覚悟が必要となります。

最高にスマートにプロジェクトを成功させる!

高品質なプロジェクトをデザインし、納期内に具現化する

言い換えると、プロジェクト・マネージャーの仕事は、「高品質なプロジェクトをデザインし、納期内に具現化する」ことです。

具体的に言うと、
・確実に目標を達成する、そのために実作業者をはじめ関係者全員が納得できる進め方を練り上げること
・詳細な成果物の定義やイメージを共有するためのコミュニケーションを自らの責任で実現していくこと

これらによりプロジェクトを成功させるという強い意識を持つことが、プロジェクト・マネージャーに求められる大切な視点です。

プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト全てが自らの責任であるという認識を持たなければなりません。

加えて、「プロジェクト・マネジメントは何のために行うか」ということをよく考えながらプロジェクトを進めていく必要があり、それに関連する大切な考え方が、Win-Winです。

高品質なプロジェクトをデザインし、納期内に具現化する

Win-Winの実現

それでは、Win−Winの実現について確認します。

プロジェクト・マネージャーはとてもクリエイティブな仕事

Win−Winとは、直接、間接にかかわらず、プロジェクトから影響を受ける人全てが満足する状態を実現することを言います。プロジェクトに直接関係する人のみが恩恵を受けるのではなく、間接的に恩恵を受ける人も含めて考えなければいけないということです。

Win-Winは、プロジェクト・マネジメントは何のために行うのか、という問いへの答えとなる考え方です。Win-Winという言葉は、どこかで一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

PMBOKをはじめ、近年の様々なプロジェクト・マネジメント体系が共通して目指しているところがこのWin-Winです。

Win-Winを実現すると一言で言っても、簡単ではなく、どういう状態がWin-Winなのか、まずはそれをプロジェクト毎によく考える必要があります。そして、高品質な実現方法とは何なのか、どうやって具現化するのかなど、プロジェクト・マネージャーが考えることは多岐に渡ります。

プロジェクト・マネージャーという役割は、業界、業務を問わず、とてもクリエイティブな仕事と言えるのです。

Win-Winの実現

プロジェクトマネジメントにおける基本的な用語・概念の定義

プロジェクト三大制約

それではまずは、プロジェクト三大制約について確認していきましょう。

スケジュール、コスト、スコープ

「プロジェクト三大制約」は、プロジェクトで特に重要とされ、関わり合う3つの制約事項のことです。

3つの制約とは、スケジュール、コスト、そしてスコープです。

スケジュールはプロジェクトが目標としている実施期間、コストは要員や資材などの調達にかかる費用として承認された予算、スコープはプロジェクトとして実現する、あるいは実行する範囲のことを指します。スコープは、後ほど詳しく確認します。

これらは、それぞれに影響を与えることなく変更が出来ないため、「鉄の三角形」とも呼ばれています。

プロジェクト三大制約

三大制約を中心に全体のバランスを取る

スケジュール、コスト、スコープは、いずれも他に影響を与えずに変更することができません。
プロジェクト・マネージャーには、この三大制約を中心に、常にプロジェクト全体のバランスを取る意識が求められるのです。

三大制約を中心に、常にプロジェクト全体のバランスを取る必要があることに注意!

三大制約と鉄の三角形

三大制約と鉄の三角形について、もう少し説明します。例えば、プロジェクトの範囲を3倍にした時、同じ要員で同じ期間内に終了することは通常できません。

一般に、同じ品質を前提として、スケジュールを短くしようとすると、たくさんの人を投入しなければいけなくなり、それだけコストが上昇します。

また、アウトプットの品質を上げようとスコープを大きくすると、スケジュールが間に合わず、コストも上昇してしまいます。つまり、スケジュールとコストとスコープは、どれかを単独で変化させることはできず、必ず3つが影響し合うのです。だから制約と呼ばれています。

プロジェクトの立ち上げにおいては、三大制約のうち、どれを優先すべきかをあらかじめ考えておかなければなりません。例えば、コスト重視であれば、スケジュールとスコープはそれに合わせて調整が必要です。スコープ重視であれば、スケジュールとコストを調整することが必要となります。

鉄の三角形の意味

ステークホルダー(利害関係者)

それでは次に、ステークホルダー(利害関係者)について確認していきましょう。

ステークホルダーとは

ステークホルダーとは、プロジェクトから利害(利益と損害)を受ける人全てを指しています。プロジェクトの登場人物とも言える人達です。

「利害を受ける人々」とは、どんな人物が該当するか分かりますか?

顧客やユーザー、あとは自分達でしょうか?

ええ、それらはステークホルダーですね。実は、それ以外にもたくさんのステークホルダーが存在します。

本節では、基本的な概念図を用いて確認していきましょう。

ステークホルダーとは

ステークホルダーの基本的な概念図

一言でステークホルダーと言っても、該当する人物はたくさんいます。実際の構成や組織はプロジェクト毎に異なりますが、ここでは基本的な概念図として確認していきます。

まずは、プロジェクト・チーム・メンバー、プロジェクト・マネジメント・チーム、プロジェクト・マネージャーがいます。

ステークホルダーの基本的な概念図

プロジェクト・マネージャー

プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト・チーム・メンバーの責任者です。

プロジェクト目標達成に向けて、プロジェクトの計画立案や実行など、プロジェクトの進行や成果に対する責任を持ちます。

プロジェクト・マネージャーとは

プロジェクト・マネジメント・チーム

プロジェクト・マネジメント・チームは、プロジェクト・マネジメントに直接関わる人々です。

例えば、サブプロジェクト・マネージャーやチーム・リーダー等により構成され、プロジェクト・マネージャーとともに、プロジェクトの意思決定ミーティングに参加します。

プロジェクト・マネジメント・チームとは

プロジェクト・チーム・メンバー

プロジェクト・チーム・メンバーは、プロジェクトを成功させるために直接的に行動し、責任を持つ要員です。フルタイム、パートタイムメンバー等、公式、非公式に関わらず全て含みます。

プロジェクト・マネージャーやプロジェクト・マネジメント・チームもプロジェクト・チーム・メンバーの一員となります。

プロジェクト・チーム・メンバーとは

PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)

PMOは、プロジェクト・マネジメント・オフィスの頭文字です。プロジェクトを支援する、プロジェクト・チーム外の組織です。

複数のプロジェクトを俯瞰的に掌握し、支援を行う役割を持ちます。

PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)とは

母体組織

母体組織は、一般的に、プロジェクト・チーム・メンバーが所属している組織を指します。会社、自治体、各種団体等が該当します。プロジェクト・チーム・メンバーの責任者、プロジェクト・マネージャーの任命は、母体組織が行います。

なお、この図では、母体組織は一つですが、現実のプロジェクトでは、複数の母体組織の要員が1つのプロジェクト・チームを構成する場合もあります。

母体組織とは

スポンサー

スポンサーは、プロジェクトにとって重要な役割です。プロジェクトへの財政的資源の提供が主な役割となります。プロジェクト・マネージャーは、ある金額で顧客から受注したプロジェクトに対して、スポンサーを通じて母体組織から予算等の資源を受け取ります。

なお、複数の母体組織や部署をまたぐプロジェクトでは、スポンサーが複数存在する場合もあります。

スポンサーとは

ユーザー

ユーザーは、母体組織内または母体組織外のプロジェクト成果物の使用者です。顧客は、通常母体組織外でプロジェクトの成果に対価を支払う人または組織であり、ユーザーと同一の場合とそうでない場合があります。

例えば、駅前にATMを設置するプロジェクトの顧客は金融機関ですが、ユーザーは金融機関の顧客です。

ユーザーとは

様々な人物が関係するプロジェクト

以上が特に中心的なステークホルダーです。ステークホルダーとしては、この他にも、
・母体組織内の各部門長である「機能マネージャー」
・成果物の運用が必要な場合の「運用マネジメント」
・関連する複数のプロジェクトをまとめたプログラムのマネジメントを行う「プログラム・マネージャー」
等が挙げられます。更に、プロジェクトによっては、その他のステークホルダーとして、「社会」「市民」が重要な存在となることもあります。様々な人物が関係するプロジェクトだからこそ、ステークホルダーが誰なのかをしっかり見極めて対応できるかどうかが、プロジェクトの成功を左右すると言っても過言ではないと頭に入れておきましょう。

様々なステークホルダー

プロジェクト・マネジメントの要素

それでは次に、プロジェクト・マネジメントの要素について確認していきます。

プロジェクト・マネジメントの要素

プロジェクト・マネジメントには、4つの要素があります。

1つ目は、チームワークです。
2つ目は、プロセスです。
3つ目は、ツールです。
4つ目は、コミュニケーションです。

これら4つの要素が適切に機能していなければ、プロジェクト・マネジメントは上手く回りません。

それぞれについて確認していきましょう。

プロジェクト・マネジメントの4つの要素

チームワーク

まずは、チームワークです。

チームメンバーがそれぞれの役割を正確に理解することが大切です。更に相互の理解も深く、それぞれの役割を果たしつつ、助け合いながら効率よく作業が進められている状態の実現を目指していきましょう。

チームワークとは

プロセス

続いてプロセスです。

ステークホルダーが行うプロジェクトの進め方や個々の作業の手順が明瞭であり、プロジェクト目標の達成に対して効果的であることが大切です。そして、実施者がそれぞれの取るべき行動を正確に理解し、実施できることを目指していきましょう。

プロセスとは

ツール

続いてツールです。

ツールには、個々の作業を達成するために必要となる、過去の経験で使用されたやり方や技術的な方法等が含まれます。チームメンバーほかステークホルダーがプロセスを実施するにあたり、利用可能かつ効果的なツールが準備されていることが大切です。

そして、チームメンバーがツールの使い方を明確に理解できていて、計画通りに作業が実施できることを目指していきましょう。

ツールとは

コミュニケーション

最後にコミュニケーションです。

チームワーク、プロセス、ツールそれぞれの目指すところを達成し、プロジェクトを成功に導くための要素として特に重要です。プロジェクトの成否の90%はコミュニケーションにかかっているとも言われています。特に重要な要素として意識するようにしてください。

コミュニケーションとは

2つのスコープ

それでは次に、2つのスコープとは何か確認していきます。

成果物スコープとプロジェクトスコープ

プロジェクト・マネジメントにおける「スコープ」には2つの意味があります。

1つは成果物スコープ(Product Scope)です。
プロジェクトが生み出す有形、無形の成果物です。特有の特性、機能を持ったものです。

なお、成果物という言葉を聞くと、形があるモノをイメージしがちですが、一般的なプロジェクト・マネジメントの世界では、サービスや研修の結果得られた知識など、無形のものも成果物と呼ぶと覚えておきましょう。

もう1つはプロジェクト・スコープ(Project Scope)です。
成果物スコープを生み出すために必要な作業のことを指します。

成果物スコープもプロジェクト・スコープも、最初に可能な限りしっかりと定義し、段階的詳細化によりプロジェクトの中で常に更新されていきます。

成果物スコープとプロジェクトスコープ

覚えている?

ところで、第1章で学習したプロジェクト・マネージャーの役割、「高品質な“プロジェクト”をデザインし、納期内に具現化する」という視点は覚えていますか?

この“プロジェクト”というのは、2つのスコープにおける「プロジェクト・スコープ」のことを指しています。「高品質なプロジェクト・スコープ」を実現した結果、「成果物スコープ」として計画した通りのものを創造することができるという考え方です。

2つのスコープにおける「プロジェクト・スコープ」

プロジェクト・スコープに合わない無理なやり方はNG

世の中には、成果物スコープが達成できれば良いとばかりに、チーム・メンバーの意欲や疲労に配慮せず残業徹夜を強要したり、顧客に承認された「プロジェクト・スコープ」に合わないコストで無理に間に合わせたりする人もいます。

このようなやり方では、チームやステークホルダーの満足感(Win−Win)は得られず、プロジェクト・マネージャーが良い仕事をしたとは言えないと強く認識するようにしてください。

プロジェクト・スコープに合わない無理なやり方はNG

2つのライフサイクル

それでは次に、2つのライフサイクルについて確認しましょう。

プロジェクト・ライフサイクル

2つのライフサイクルの1つ目は、プロジェクト・ライフサイクルです。

プロジェクト・ライフサイクルは、フェーズ(工程)の集合体を意味します。

例えば、ソフトウェア開発の一般的なプロジェクト・ライフサイクルはここに示す通りです。計画、要件定義、設計、実装、テスト、展開と、複数のフェーズ(工程)で構成されています。

フェーズ(工程)は通常、成果物や作業の性質などによって分割されます。

企業やプロジェクト毎に、フェーズの考え方やプロジェクト・ライフサイクルの構成は大きく異なります。

プロジェクト・ライフサイクルとは

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル

2つ目のライフサイクルは、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルです。

プロジェクト・マネジメントを進める上で、次の5つの活動を常に実施する必要があります。
① 立上げ活動(プロジェクトでは必ず「立上げ」活動を行います。)
② 計画立案
③ 計画の実行(②で立案した計画を実行します。)
④ 監視・コントロール(どの活動においても常に進め方を監視して、必要に応じて修正を行います。)
⑤ 終結活動(作成した成果物の引継や納品等を行います。)

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルは、プロジェクト・ライフサイクルとは違い、どのようなプロジェクトでも基本的に同じ手順で実施します。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルとは

「夕食(カレー)の準備」プロジェクト!

それでは、今確認した2つのライフサイクルについて、身近な例で確認してみましょう。「夕食(カレー)の準備」プロジェクトです。

「夕食の準備」プロジェクトの、最初のフェーズ「食材の買い出し」を、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルに当てはめてみましょう。

立上げ:夕食がカレーライスに決まり、足りない食材を買い出しにいく必要が発生した

計画:今日のスーパーAとスーパーBのチラシを確認し、大幅に安く買えるスーパーBへ行くことに決定した

実行:スーパーBで買いものをする

監視・コントロール:スーパーBで食材の1つが売り切れていたので、帰りにスーパーAへ寄って購入することにした

終結:全ての食材が揃えられたので、帰宅し冷蔵庫に格納した

以上のように分類できますね。

「夕食の準備」プロジェクト

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルは常に行われること

「食材の買い出し」が終結したら次のフェーズは「調理」です。時間があれば、「調理」のマネジメント・ライフサイクルをご自身で考えてみてください。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルは、プロジェクトに限らず、目的が明確な活動があれば常に行われることです。難しく考えずに、ほぼ全ての人々が日々行っていることと捉えればよいですね。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルは、目的が明確な活動があれば常に行われること

プロジェクトを成功裏に完了させるためには

プロジェクト・マネージャーは、当該プロジェクトの全体や個々のフェーズで、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルが回っているかどうかを常に考えることが大切です。

プロジェクト・ライフサイクルの各フェーズにおいて、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルを回していきます。

プロジェクトを成功裏に完了させるためには、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルを常に回し続けることが必要条件となるのです。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルを常に回し続けることが必要

プロジェクト・マネジメントに求められる留意点

プロジェクトを実施するうえで・・・

陥りがちな状況としては、どんなものがあるでしょうか。

一般に、次の3点が挙げられます。

  • 計画が不十分であった。
  • プロジェクト・マネージャーが自分の業務であるプロジェクトマネジメントに専念できなかった。
  • 途中から参加するメンバーへの情報伝達が不十分であった。

いかがですか?皆さんは思い当たることがあるのではないでしょうか。

陥りがちな3つの状況

これらの失敗の共通点は・・・

一言で言うと、「軽視」あるいは「過信」とも言えるのかもしれません。

「とにかく分かるところから着手するのが仕事」と、何の指示もせず、全体像が見えないチームメンバーに、手を付け易いところから始めさせていないでしょうか。

また、「仕事を安易に考えていた」結果とも言えます。
成果物どころか文書フォーマットすら統制がとれておらず、「皆、流行のSNSなどを使って忙しそうに動いてはいるものの、実はプロジェクトの体をなしていない」状況となっていないでしょうか。

あるいは、「計画の大変さを恐れすぎて思考停止状態」になっているとも言えます。バラバラにできたものを後からつなぎ合わせ、そのまま統合されずバラバラな成果物となることはないでしょうか。

このような失敗に陥らないように、どのようにプロジェクト・マネジメントを進めていけばよいのかを理解することが本ページの狙いです。

これらの失敗の共通点は・・・

堅持すべき価値観

プロジェクト・マネージャーが保つべき最も重要な価値観は、何だと思いますか?それは、Integrity(インテグリティ)です。

聞き慣れないかもしれませんが、インテグリティとは、「高潔、誠実、清廉、完全な状態、無傷」を意味する言葉です。
具体的には何を重視すればよいのでしょうか。それが次の3つです。

  1. 文書化され合意された成果物を完成させること(正しい成果物)
  2. 個人的な利益を追求しないこと(高潔、誠実な姿勢)
  3. プロジェクトを正しく進めること(正しいプロセス)それぞれについて確認していきましょう。
プロジェクト・マネージャーが保つべき最も重要な価値観はインテグリティ

文書化され合意された成果物を確実に完成させる

1つ目は、文書化され合意された成果物を確実に完成させること(正しい成果物)です。

プロジェクト活動においては、プロジェクト定義書、プロジェクト・スコープ定義書などで決められ、文書化され、合意を得た成果物を確実に完成しなければなりません。
そのためには、次の4つを意識しましょう。

  • 当初の約束を反故にし、合意した成果物を最終的に完成できないということになってはいけません。
  • また、それを引き起こさないために、プロジェクト・マネージャーやチームリーダー、スポンサーは、進め方に最大限の努力を払う必要があります。
  • そして、チームメンバーへの責任転嫁は絶対あってはなりません。
  • さらに、常に教訓の活用を考え、リスクについて常に議論することが大切です。
文書化され合意された成果物を確実に完成させる

個人的な利益を追求しないこと

2つ目は、個人的な利益を優先しないこと、つまり高潔、誠実な姿勢で取り組むことです。

これはつまり、不誠実な行為をしないということです。
賄賂を受け取らない、渡さない。
利害衝突をしないなどです。

これらのことを絶対にしてはいけません。
当たり前のことですが、どのような状況にあっても、絶対に道を外れてはいけないことを肝に銘じましょう。

ここでワンポイントです。プロジェクトにおいて、発注先候補に家族や親戚の会社があるような場合を「利害衝突」と言います。
このような場合はその事実を公表した上で、発注先選定の決定に関わらない、あるいは疑義が発生しないようルール通りに行動すること等に留意しなければなりません。

個人的な利益を優先しない

プロジェクトを正しく進めること

3つ目は、プロジェクトを正しく進めること(正しいプロセス)です。
行うべき基本を守らず、そのまま失敗へと向かうプロジェクトが実はかなり多く存在します。
従って、次の事を忘れず、実行していく努力が必要です。

まずは、「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」を確実に適用しましょう。

そして、「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」の適用やそれに基づく「プロジェクトの進め方」を実践するにあたり、全くのゼロから、目の前のプロジェクトにとって何が最適なのかだけを議論します。そして、実情とのギャップを明確化、共有化し、解決を図るのです。

さらに、当たり前の基本を実践できているかを常に意識し、振り返りを行いましょう。

以上が、プロジェクト・マネージャーが保つべき価値観となります。

プロジェクトを正しく進めること(正しいプロセス)

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルの遵守

それでは次に、「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル遵守」について確認していきます。

「プロジェクト・マネージャーがその役割を果たすためには、「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」を意識することが大変重要です。

ここでは、「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」について、先ほどの「プロジェクトを正しく進める」という観点から見ていきましょう。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルの遵守とは

当該プロジェクトを成功裏に完了させるためには、プロジェクトの全体や個々のフェーズを確実に「回す」ことが重要です。

「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルの遵守」とは、まさに「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」が常に回っていることを意識しながらプロジェクトの進捗を図るということです。

プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルの遵守とは

計画フェーズ

通常どのようなプロジェクトにも、「計画フェーズ」があり、そしてそれに続く個々のフェーズがあります。
ここでは、各フェーズの中でも特に重要度の高い「計画フェーズ」における「プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル」の適用を例に考えてみます。

まず、「立上げ」で「計画フェーズ」の目標を定義します。

次に、実行可能かつプロジェクト目標が達成できる計画を作成し、計画を実行します。

そして、実行中の「監視・コントロール」で、計画フェーズの目標が達成しづらいことが判明した時は、何らかの変更が必要になります。その際は、チームメンバーで議論を尽くし、顧客満足を得られる最善の処理を実施します。

最終的に、それが無事に「終結」すれば次のフェーズに進んで行きます。

各フェーズの中でも特に重要度の高い「計画フェーズ」

計画フェーズの中の計画

次に、「計画フェーズの中の計画」を2つに区切る手法を確認しましょう。

これは、確実に「要件定義」を終了させてから、設計以降の計画を行うことで、精度の高い計画を作成し、プロジェクトを成功に導く手法です。

個々のフェーズの中でも「計画フェーズの中の計画」はプロジェクト成功のカギです。

「計画の計画」を分離させ、個別のフェーズとして、「設計」以降の計画がおろそかにならない様、「要件定義」の後にしっかり計画を立てるようにしてください。

「計画フェーズの中の計画」を2つに区切る手法

計画が不十分であったとならないために・・・

なお、冒頭に紹介した、プロジェクトにおける一番の失敗原因である「計画が不十分であった」ことの解決策は、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルを確実に適用することです。

この項では、計画フェーズの中のサイクルを中心に見てきましたが、全てのフェーズにおいて、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルに沿った必要な調整や変更を繰り返していくことが正しいプロセスなのです。

計画が不十分であったとならないために

プロジェクト目標、指針設定の進め方

続いて、「プロジェクト目標、指針設定の進め方」について確認していきましょう。

キックオフ・ミーティングの活用

通常、プロジェクトの開始を多くの関係者に認知してもらうために、キックオフ・ミーティングを開催します。
キックオフ・ミーティングでは、次の3点を実施するようにしてください。

まず、1点目は、プロジェクト成功の定義や方針等について確認し明確にします。

2点目は、窓口となるメンバーの紹介や役割範囲を明確化します。

そして3点目は、コミュニケーションの土台作りとして次の合意を得ます。
「ミーティング運営方法や重要な用語の共通化を図ること」と「コミュニケーション手段等を確認すること」です。

キックオフ・ミーティングの活用

プロジェクト成功の定義、方針の明確化

では、プロジェクト成功の定義や方針等は、どのように明確化したらよいのでしょうか?

例えば、予め質問を用意しておき、「プロジェクトがどのような状態となれば成功と見なすのか」を、顧客の責任者にプロジェクト関係者の前で直接確認し明確にする等の方法が有効です。
質問の例としては、

「何を実現していれば、成功と言えますか?」
「今回最も重要視しているポイントは何ですか?」
「過去の同じようなプロジェクトがあれば、前回と今回で何を変えたいですか?」
「実施における問題や課題は何ですか?」

というようなイメージです。これらをキックオフ・ミーティングで明確化しておくことにより、プロジェクトメンバーが成功のイメージを共有することができるのです。

プロジェクト成功の定義、方針の明確化

フロントローディングをかける

以上のような進め方をすることは、フロントローディングをかけることでもあります。
フロントローディングとは、設計初期の段階で負荷をかけ、作業を前倒しで進めることを指します。

プロジェクトでは、重要事項についてヒアリングをし、意思決定を引き出すことが大切です。

可能な限り、他の関係者の前で直接、成功の定義について確認したり、方針を公言してもらうことにより、
以降、議論の前提や決定事項、判断基準として活用できます。

そして、プロジェクトにおけるキーマンを見つけておきましょう。
キーマンが誰なのかをキックオフ・ミーティング内で確認し、その場でキーマンへのヒアリングのアポイントを責任者権限で入れてもらうと効果的です。
そうすれば、数週間かかるようなアポイントも即座に入れることができるはずです。

キックオフミーティングを皮切りに、プロジェクトのスタートダッシュを決めましょう!

フロントローディングをかける

不安定、不確実な意思決定をなくす

なぜキックオフ・ミーティングでは、成功の定義などの重要事項について、再確認をしたり、多くの事を明確にする必要があるのでしょうか。
それは「不安定、不確実な意思決定をなくす」ためです。

決定事項の変更が重なるプロジェクトは混乱し、失敗へ向かいます。
決定事項の変更が重なるということは、不安定、不確実な意思決定ということであり、こういう意思決定は、決定事項が存在しないことと同じと言っても過言ではありません。

頻繁な決定事項の変更によるデメリットとしては、「多くの手戻り、修正作業の発生」「コスト増大」「モラルの低下」などが挙げられます。

従って、プロジェクト・マネージャーに期待される重要な役割は次のとおりです。
意思決定のために必要な「プロジェクト目標」「成功の定義」「プロジェクトの方針」などを明確にし、会議などで責任ある役割の人にこれらを公言してもらうことです。
このような工夫の積み重ねが、意思決定についての不安定、不確実な要素を早めに取り除いていくのです。

不安定、不確実な意思決定をなくす

プロジェクトの守護神、スポンサー

それでは次に、スポンサーに関して詳しく確認をしていきたいと思います。
スポンサーは、プロジェクト・マネージャーにとって、とても大事な役割です。

スポンサーの役割

スポンサーの役割は「財政的資源の提供」です。
この役割以外にも、「プロジェクトを取り囲む環境をプロジェクト成功のために整備する」という更に重要な役割があります。

このことから、スポンサーは、「プロジェクトの盾」「プロジェクトの守護神」とも言われるのです。

例えば、プロジェクト・マネージャーの大学時代の先輩が優秀なチームメンバーを個人的に引き抜いたりするようなことがある場合に、これをやめさせたりすることも、スポンサーの役割に入ってきます。

また、「財政的資源の提供」だけではなく「政治的支援の提供」も役割に含まれます。

スポンサーの役割

スポンサーのもう一つの役割

更に、スポンサーは守護神としての役割以外に、母体組織の取締役会や機能部門マネージャーなどのトップマネジメントを、プロジェクトの成功に向かう方向へ動かす役割も担っています。

一方、プロジェクト・マネージャーは、チーム・メンバーをリードする指揮官の役割をスポンサーと緊密に連携しながら進めていくのです。

ここでワンポイントです。
米国のある超巨大企業内では、組織の多くがプロジェクト単位で動いていますが、プロジェクト・マネージャーよりスポンサーの方が役割として難しいため、担い手が少ないと言われています。
客先を動かすのではなく、自分の組織内の上位マネジメントを動かす仕事であるためです。
それでもプロジェクト・マネジメント先進国と言われる米国でスポンサーという守護神の役割が定義されているということは意識する必要があるということですね。

スポンサーのもう一つの役割

スポンサーの擁立

スポンサーの擁立について、プロジェクト全体あるいは母体組織として、もう少し考えてみましょう。
日本では、前述のスポンサーの役割を担う立場の方が明確でなく、プロジェクト・マネージャーが兼務しているケースも多いのが実情です。
これはスポンサーという役割の重要性の認識不足が要因と考えられ、日本のプロジェクト・マネージャーには米国に比べて大きな負荷が掛かっていることになります。

その改善に向けてできることとしては、次の3つが挙げられます。
1つ目は、母体組織におけるスポンサーの有用性を認識し、その実現に向けて努力することです。
2つ目は、スポンサーまたは相当する人が誰か明確にして合意を得ることです。
そして最後に、スポンサーまたは相当する人の役割を明確にして合意を得ることです。

上記が行えない場合、スポンサー不在でプロジェクトを進めていくという覚悟が必要となります。

スポンサーの擁立

プロジェクトマネジメントまとめ

以上で学んだことをまとめてみましょう。

プロジェクトマネジメントとは?

  • プロジェクトとは、一般に、明確な開始と終了を定めた、唯一無二の成果物(製品やサービスなど)を創造するために行う有期性のある業務を指す
  • プロジェクト・マネージャーの仕事は、最高にスマートにプロジェクトを成功させること、そのために必要なことはすべてやること。言い換えると、高品質なプロジェクトそのものをデザインし、納期内に具現化すること
  • プロジェクト・マネージャーは、業界、業務を問わず、とてもクリエイティブな仕事である
  • プロジェクト・マネジメントは、Win−Winの実現のために行う
  • プロジェクト・マネージャーが保つべき価値観とされるIntegrityは次の3つ
    ① 文書化され、合意された成果物を完成させること(正しい成果物)
    ② 個人的な利益を優先しないこと(高潔、誠実な姿勢)
    ③ プロジェクトを正しく進めること(正しいプロセス)
  • プロジェクトを正しく進めるために順守・適用することは、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルの遵守と、個々のフェーズなど、ひとまとまりの活動への確実な適用を考えること
  • 不安定な意思決定を早期からなくすには、キックオフ・ミーティングなどの初期ミーティングを有効に活用して「プロジェクト目標」「成功の定義」等、意思決定のために必要なものを公言してもらうなどの工夫を行う
  • プロジェクト三大制約は、スケジュール、コスト、スコープ。プロジェクトにおいては特に重要とされ、それぞれ関わり合う
  • プロジェクト三大制約は「鉄の三角形」とも呼ばれ、プロジェクト・マネージャーにはこれらのバランスをとっていくことが求められる
  • プロジェクト・チーム・メンバーの家族は、プロジェクトから利害を受けるためステークホルダーと言える
  • プロジェクトにおいては、成果物(プロダクト)スコープとプロジェクト・スコープがある。大切なことは、高品質なプロジェクト・スコープのデザインと実現を考えること
  • プロジェクト・マネージャーが回すライフサイクルは、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクル
  • プロジェクトを成功裏に完了させるためには、プロジェクト・マネジメント・ライフサイクルを常に回し続けることが必要条件

いかがでしたか?プロジェクトとは何か、プロジェクトマネージャーはどんな役割を担うべきか、イメージはできましたか?
プロジェクトの進捗具合で、働いている人のモチベーションも大きく変化します。プロジェクトに関与する人が気持ちよく業務を進められるように、プロジェクトを有機的に回していきたいですね!

関連学習動画

ページトップに戻る