生産管理が機能しないのはなぜか、事例から生産管理に必要な3本柱の重要性を解説
生産管理は、管理ではなく邪魔をしている!?
以前ある会社で、現場の方と話をしていた際、こんなことを仰っていました。
「うちの生産管理は、管理ではなく邪魔をしているんだよ。毎日仕掛を追っかけて、突発で作業順の入れ替え指示を出すし、いないほうがかえって良くなるんじゃないか?」
この発言を聞いて、実際に生産管理担当者の仕事を見てみると、たしかにひどい状態でした。一例を挙げると、
- 顧客からの督促は、そのまま現場に言って伝えるだけ
- 営業からの督促メールは、そのまま転送するだけ
- 製造のキャパシティは考えずに、「急ぎだから」と言って強引に指示を出す
- 急な指示により、現場の作業者はムダな段取り替えが多発
- 仕舞いには現場に対し、「何で納期遅れるの?」と怒り出す
「これは重症だな」と思い、まずは生産計画を見てみると、月単位の計画が存在するのみで、それ以外の計画は存在せず。
典型的な無管理状態⇒「月末追い込み型」
案の定、出荷実績は月末追い込み型であり、月末に追い込んだ分、月初は力を抜き、ダラダラと作業してしまう典型的な無管理状態でした。従って、この会社では生産管理の仕事の3本柱、計画(Plan)、手配(Do)、統制(See)において、計画(Plan)を立て直す必要がありました。
- 計画(Plan)が粗いので、手配(Do)が曖昧に。
- 手配(Do)が曖昧なので、現場は成り行きで仕事をし統制(See)が出来ない状態に。
- 統制(See)が出来ていないので、計画(Plan)の修正しても絵に描いた餅に。
という負のスパイラルが回っていたのです。
大日程⇒中日程⇒小日程での落とし込みが必要
計画(Plan)では、大日程(月単位)、中日程(週単位)、小日程(日単位)というイメージで、現場に落とし込みが必要です。
この会社では、週単位の計画を「基準の作業時間を活用して」つくり込み、それを日々「目標個数」で管理し、誰でも分かる指標へ落とし込みを行ないました。それを数カ月続けた結果、月末追い上げ型は解消され、納期遅れもグッと減っていったのです。
更に、生産管理担当者の仕事内容も変化していきました。
- 生産計画の精度をどうやって上げるか
- 基準時間の精度をどうやって上げるか
- 段取りのロスを発生させないために、どう予定を組むか
といったような、本来の生産管理の価値仕事に近づき現場からもこんな発言が出るようになりました。
「そもそも工程内の進捗は、現場でしっかりと管理すべきものだよね。」
その通り!追っかけ屋さんは、本来の生産管理の仕事ではありません。これにようやく気付いた瞬間でした。
以上の事例は、生産管理の仕事の3本柱を疎かにしていた典型です。あなたの会社の生産管理は、同じようなケースになっていませんか?
当てはまる節があったら、あなたの会社の生産管理は機能していないかもしれません。
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カイゼンベース株式会社
代表取締役 藤澤 俊明
東京理科大学大学院修了後、トヨタ自動車(株)では生産技術部門で新規生産ライン構築や海外工場立上げ等に従事。その後製造系大手コンサルティングファームを経て独立。自動車部品工場、組立工場、鋳造工場、食品、化学プラント等、幅広くコンサルティング実績を積み重ねている。2015年にカイゼンベース株式会社を設立し、人材教育等の現場力・カイゼンの発展に向けて活動している。
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