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第1章:生産管理と工程管理 ⇒ このページはココ
第2章:生産統制の考え方と工程管理のポイント
第3章:工程管理のコツ~情報の一元化~ ※無料会員以上限定
第4章:工程管理のコツ~仕事の負荷の平準化~ ※無料会員以上限定
第5章:工程管理のコツ~生産進捗の見える化~ ※法人会員限定
第6章:工程管理のコツ~10分ミーティング~ ※法人会員限定
第7章:工程管理のコツ~ジャストインタイム~ ※法人会員限定
第8章:工程管理のコツ~5S活動の徹底~ ※法人会員限定
「生産管理と工程管理」動画講義
「生産管理と工程管理」スライド講義
1.生産管理って何?
生産管理の仕事の進め方は、どの仕事に近い?
突然ですが質問です。生産管理の仕事の進め方は、どの仕事に近いでしょうか?
① 警察官
② トラックの運転手
③ ツアーコーディネーター
・・・
正解は、③ ツアーコーディネーターです。さて、なぜでしょうか?

ツアーコーディネーターと生産管理担当者はそれぞれどのような仕事を行なうか
ツアーコーディネーターはまず、顧客から要望のあるツアーの企画を考えてプランに落とす仕事を行ないます。
一方で、生産管理担当者も、これから必要な生産の進め方を考えて計画に落とす仕事を行ないます。
従って、ツアーコーディネーターも生産管理担当者も、計画、プランを立てるということが、1つ目の仕事の柱となります。
計画の次に、ツアーコーディネーターは、必要な人員分の移動手段・宿泊先等を手配し、集合時間等、旅行者への連絡をするというような手配業務を行ないます。
生産管理担当者も同様に、材料等を購入、外注加工の手配をしたり、生産現場へ連絡(指示)を出す等の手配業務を行ないます。
従って、手配を行なうことが2つ目の仕事の柱となります。
そして、ツアーコーディネーターは、道案内、時間案内等、計画通りに進むように、ツアーをコントロールします。
同様に、生産管理担当者も生産状況の予実を把握・管理し、生産をコントロールしていきます。
つまり、統制業務が3つ目の仕事の柱となります。
計画を立てたりコントロールしたりする対象は違っても、仕事の流れは同じようなことを行ないます。
生産管理って何?と聞かれた時は、「ツアーコーディネーター」を思い出してみましょう。

生産管理の3本柱
この3つが的確に出来ていることで、企業は顧客のニーズに応えることが可能となります。

生産管理はどんなイメージ?
一般に、次のようなネガティブなイメージのコメントが出てくることが多いのが実情です。
いつも現場で仕掛を探している。
いつも電話でお客さんから催促されている。
いつも無茶なことを言ってくる。
いつも現場で煙たがられている。
管理というより追っかけ屋さん。
いつもお客さんと現場とで板挟みになっていて大変そう。
もっといい計画立てられないの?
いつも、納期遅れで叱られている。
もしこんなイメージを持っているとしたら、あなたの会社の生産管理は機能していません。
恐らく、生産管理担当者も、「何で自分が怒られるんだろう・・・」、と思っており、モチベーションが日々低下しているに違いありません。

生産管理は、会社にとって、無くてはならない存在
生産管理は、会社にとって、無くてはならない存在であり、非常に重要な役割を担っているのです。
本講座を通して、生産管理の基本的な考え方、顧客に満足してもらうための工程管理の実務について学習していきましょう。

生産管理担当者が持つべき2つの視点
工場は、材料を購入し、製品を製造します。
この時、支払いを行ない、お金が出ていきます。
そして、製造が完了した製品は、出荷・販売され、顧客に届きます。
この時、対価として、お金が入金されます。これが工場のお金の流れの基本です。
なお、工場では、顧客により良い製品を届けなければいけません。
具体的には、Q 品質、C コスト(価格)、D 納期の3つの視点で製造を行なうことが必要不可欠です。
これが生産管理担当者が持つべき1つ目の視点、「生産管理の3要素の視点」です。
工場内で製造されるモノが、品質要求を満足し、なおかつ可能な限り易いコストで、決められた納期までに造り終えるためにはどうすればよいか、考えて行動することが求められます。
もう1つの視点は、4大経営資源の視点です。
経営資源を有効活用し、工場内だけではなく、支払い、入金等のお金の回転まで含めて良くするにはどうしたらよいか、考えて行動する必要があります。
次項でそれぞれの視点について確認していきましょう。

2.生産管理に必要な視点 ~生産管理の3要素~
生産管理の3要素とは
生産管理の3要素とは、
製品のスペックや性能・出来栄えを表す Q:品質(Quality)
製品を造るのに掛かる費用を表す C:コスト(Cost)
製品を納めるよう指示された期限を表す D:納期(Delivery)
の3つの要素のことを指します。
この3要素を確実に守れるような視点で生産を管理することが必要不可欠な視点となります。

具体的には、どんな視点で管理していけばよい?
思いつくものを考えてみましょう!
・・・
それでは回答例です。
品質に関しては、
- 顧客要求(製品の規格・基準)に合致しているか?
- そもそも顧客要求は明確になっているか?
- 過剰品質にはなっていないか?
等の視点で管理を行なっていきましょう。
コストに関しては、
- 販売価格に合った造り方になっているか?
- 販売価格に合った資材・原料を使っているか?
- 購入した資材・原料を有効に使っているか?
- 継続的にコストを下げることが出来ているか?
等の視点で管理を行ないましょう。
納期に関しては、
- 顧客の要求に合致したリードタイムになっているか?
- そもそもリードタイムを把握出来ているか?
- あまりにも無理な納期を受けすぎていないか?
等の視点で管理を行なっていきましょう。
この他にも、たくさんの視点で生産を管理していく必要がありますが、ここでは、品質、コスト、納期の3つの視点で管理が必要であることだけはしっかりと覚えておきましょう。

生産管理の3要素の管理のポイント
生産管理の3要素、Q:品質、C:コスト、D:納期において、品質、コストに関しては、顧客の品質要求を明確にし、顧客の価格要求に応えるためにはどういう造り方をすべきか見極めることがポイントです。
なお、必要以上の品質(過剰品質)はコストを上昇させ、結果的に顧客要求に応えられないことになるので注意しましょう。
納期に関しては、顧客要求を守るためにはどう生産をコントロールすればよいか見極めることがポイントです。
なお、出来ない納期を約束して顧客の信頼を失わないように注意しましょう。

生産管理の3要素であるQCDの維持向上を、計画的に取り仕切る
生産管理担当者は、3要素を日々確実に維持し、3要素を計画的に向上させる策を考えることによって、品質、コスト、納期の生産管理の3要素を下支えする、とても大事な役割なのです。

3.生産管理に必要な視点 ~4大経営資源~
4大経営資源とは
4大経営資源とは、ヒト、モノ、カネの経営の3要素に、情報を加えたもののことを指します。
この4大経営資源を最大限活かせるような視点を持ち生産を管理することが大切です。

生産の3要素を守り、4大経営資源を活かす!
つまり、生産管理は、生産だけではなく、お金の流れのコントロールも担っているのです。

生産管理は、「生産のコントロール」だけではなく、「お金の流れのコントロール」も担う
これは、狭義の生産管理の仕事です。
お金のフロー(回転)が速くなるように「4大経営資源の視点」も含めて管理すること。
これが、広義の生産管理の仕事になります。
生産管理は、「生産のコントロール」だけではなく、「お金の流れのコントロール」も担います。
ただ生産の進捗を工場の中で追っかけるのだけが本来の仕事ではありません。
ましてや顧客と納期の調整をすることだけが仕事ではありません。
お金の流れを含めた広い視点で業務を行なうことが求められていることを、しっかりと認識するようにしましょう。

4.生産管理と工程管理の違い
工程管理とは
工程管理とは、お客様から依頼された製品を、所定の数量・品質・価格・納期で納品するために行なう「製造工程の管理活動」のことを指します。
工程管理は、生産管理の一部分です。
生産管理は、「生産計画」「生産手配」「生産統制」に大きく分けられます。
生産計画は、日程計画、設備等への投資計画、人員計画等が該当します。
生産手配は、資材手配、外注手配、輸送手配等が該当します。
生産統制は、工程計画、進捗管理、現品管理、余力管理、実績管理等が該当し、工程管理は主にこの生産統制の部分が範囲となります。
一般的にはこの範囲が工程管理の範囲となりますが、会社によってはもっと範囲が広かったり、狭かったりと様々です。
本講座で対象にする工程管理の範囲は生産統制の部分とします。
工程管理は必ずこの範囲でなければいけないということはありませんので、「自社の場合は、この部分が対象だな」というのを意識しながら学習を進めていきましょう。

工程管理の業務について
工程管理の仕事は、工程計画・事前検討、作業指示・作業実行、実績管理・改善の3つに大きく分けられます。
工程計画・事前検討は、
- どのような順番で生産するか
- 負荷をどう均して生産するか
- どの設備を使って生産するか
- どのような人員配置で行なうか
等の計画業務、事前検討業務となります。
作業指示・作業実行は、その名の通り、
- 正確な情報の提供
- 明確な指示の内容
- 遅れの無い計画通りの作業実施
等、指示や実行フォローの業務となります。
実績管理・改善は、
- 生産進捗の見える化
- 生産実績の見える化・グラフ化
等の実績や結果を管理して、必要に応じて改善を行なう業務となります。
これらの業務を行なう過程において、第2章以降で学習していく基本的な考え方やコツを組み込んで遂行していくことが求められるのです。

5.第1章まとめ

以上で、「納期遵守率を向上させる!実務における工程管理 第1章:生産管理と工程管理」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。
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