間接/生産管理/購買調達

第3章:生産計画の考え方(前編)

生産計画の考え方(前編)【生産管理の機能と役割:第3章】

本講義では、生産計画の基礎知識を初めとし、バッファ管理、製販連携等に関する学習を進めていきます。

◆カイゼン講座:生産管理の機能と役割◆

生産管理担当者は、生産計画や生産進捗管理だけではなく、会社として重要な役割を担っています。
本講座では、QCDを維持・向上させ顧客の要求を満たすための、生産管理の機能と役割について学習していきましょう。

第1章:生産管理とは
第2章:生産管理の仕事の3本柱
第3章:生産計画の考え方(前編) ⇒ このページはココ
第3章:生産計画の考え方(後編) ※無料会員限定
第4章:生産統制の考え方 ※無料会員限定
第5章:在庫管理の基本と在庫削減の進め方(前編) ※法人会員限定
第5章:在庫管理の基本と在庫削減の進め方(後編) ※法人会員限定
第6章:リードタイム短縮の進め方 ※法人会員限定
第7章:業務改善とコミュニケーション(前編) ※法人会員限定
第7章:業務改善とコミュニケーション(後編) ※法人会員限定

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動画講義

1.生産計画の位置付け

計画と言っても、様々なものがある!第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド5

はじめに、「生産計画の位置付け」について確認しましょう。

製造業においては、「計画」と一言で言っても、様々なものがあります。

例えば、時間軸では、長期計画、中期計画、短期計画といったものが挙げられます。

範囲という軸で見ると、事業全体計画、部門計画、業務計画といったものがあります。

そして、部門計画の中には、開発計画、販売計画、購買計画、調達計画、生産計画、資金計画、人事計画、保全計画、物流計画、サービス計画、等の種類の計画が挙げられます。

本講義で取り上げる生産計画は、各部門の様々な計画に密接に関係しています。
各部門の状況を的確に捉え全体最適で生産計画へ落とし込む必要があり、製造業においては非常に大切な位置付けとなります。

工程管理という視点では?第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド6

では、工場の工程管理という視点で確認してみましょう。

工程管理の中には、

事前検討として行なう「生産計画機能」
計画通りの生産を実行するための「生産統制機能」
更なる改善・発展・フォローアップのための「監査機能」

の3つに分けられます。
本章では、この生産計画機能について詳細を確認していきます。

様々な視点から複数の課題を検討しなければいけない!第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド7

なお、生産計画担当者は、次のような課題を日々抱えています。

最も効率的な生産を行なうためには、どういう順番で生産を行なえばよいか・・・
お客様の希望納期に間に合うのか
在庫は足りるのか
資材調達は出来るのか
生産負荷は生産能力をオーバーしないか
生産負荷は平準化出来るか
人員計画は問題ないか
この生産計画で販売計画を達成出来るか
トラブル発生時に納期を間に合わせることが出来そうか
市場動向は今後どうなるのか

生産管理担当者は、これらのような様々な視点から複数の課題を検討しなければいけません。
これらの課題を上手くさばくために必要な基礎知識を今回は学んでいきましょう。

2.生産計画の種類と特徴

生産計画を大きく分けると?第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド9

では次に、「生産計画の種類と特徴」について確認します。

生産計画は、大きく分けると、

大日程計画(需給調整計画)
中日程計画(基準日程計画)
小日程計画(作業日程計画)

に分けられます。
大日程、中日程、小日程の計画になるほど、粒度と精度をより細かくしていきます。

では、各計画の大まかな粒度、頻度、期間、単位の区別を見てみましょう。

計画粒度第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド11

計画粒度は、

大日程計画では、「分野単位」「工場単位」「部門単位」という大きな括りですが、
中日程計画では、「製品群別」「製品別」「ライン別」、
小日程計画では、「各品番別」「各設備別」「各工程別」というように、

大日程から小日程になるほど、細かい単位に落とし込まれていきます。

計画頻度第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド12

計画頻度は、

大日程計画では、「1~3ヶ月」、
中日程計画では、「毎週~毎月」、
小日程計画では、「毎日から毎週」

というように、段々細かく落とし込んでいきます。

計画期間第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド13

計画期間は、

大日程計画では、「3ヶ月~12ヶ月」というスパンで、
中日程計画では、「1ヶ月~3ヶ月」、
小日程計画では、「1週~1ヶ月」

というような短いスパンにしていきます。

計画単位第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド14

計画単位としては、月単位、日単位からシフト・時間単位での詳細計画というように、粒度を小さくし精度を上げていきます。

ローリング計画とは第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド15

ではここで、ローリング計画について考え方を確認しておきましょう。

ローリング計画とは、中長期の計画を定期的に見直し、部分的に修正を加えていくことを言います。
外部環境が短いサイクルで激しく変化する現代社会においては、当初立てた中長期計画が、時間と共に変化する状況に適合しなくなることがあります。
そうなると、計画と実績が乖離し意味を持たない計画となってしまうため、ローリング計画の考え方で生産計画を作成し、中長期的な計画を定期的に見直していくことが必要となります。

例えば、事業計画策定時に立案した、対象月の生産計画は、3ヶ月前の時点で、3ヶ月先の販売計画の修正を元に、修正をいれます。

同様に、翌々月の2ヶ月前にも販売計画が修正された場合には、また生産計画も修正をいれます。

1ヶ月前も同様です。

このように初期に建てた計画を、対象月が近づく度に修正を入れて、計画の精度を徐々に高めていくという考え方がローリング計画となります。

計画業務の流れの一例第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド16

では、ローリング計画の考え方を踏まえ、実際の生産計画業務はどのように進めていくのか、業務の流れの事例を見てみましょう。

大日程計画では、3ヶ月前計画を策定し、2ヶ月前に変更、修正を行ないます。

そして、修正を行なった計画は、中日程計画に落とし込まれます。

大日程計画は、1ヶ月前に再び変更、修正が入り、その変更は、中日程計画にも反映されます。

1ヶ月前では、修正された中日程計画は小日程計画へも落とし込まれます。

その後は、毎週、修正、変更が入り、当日の生産を迎えていきます。

必ずしもこの周期で行なうわけではありませんが、計画業務はおおよそこのような流れとなります。

PULL型とPUSH型の生産の違い第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド17

もう1つ、生産計画を立てるにあたっては、生産工程がPULL型(引取り生産型)なのか、PUSH型(押し込み生産型)なのかを押さえておきましょう。

PULL型の生産工程では、顧客からの確定注文を受けて、製品在庫が引き取られます。

製品在庫が引き取られると、それが前工程の生産指示となります。

一方で、PUSH型の生産工程では、顧客の計画から内示情報を受け、加工工程に日程計画として指示を出します。

このように、PULL型の場合は、基本的には引取り情報が生産指示となりますが、PUSH型では、生産計画を立てて各工程に指示を出さなければいけません。
特にPUSH型の場合は、生産指示の精度が悪い場合や注文の見込みとのズレにより、途中に大きな仕掛在庫が発生してしまうことになります。

従って、PUSH型における生産計画の粒度と精度に関しては、しっかりと更新ルールや伝達方法を決めて運用することが必要となります。

3.バッファ管理

バッファとは第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド19

バッファとは、製造工程や需要の不確実性を吸収するための中間仕掛のことをいいます。
緩衝機能の役割を果たすものです。

顧客の注文に対して、工場から製品を出荷するという流れが基本となりますが、顧客の注文は、需要変動により当然変化します。

一方で、工場の内部でも、突発的なトラブル等による様々な不確実性を持っています。

これらをバッファ(緩衝機能)で緩和・吸収することが目的です。

色々なバッファ第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド20

なお、バッファには、大きく3種類があります。

1つ目は、在庫のバッファです。安全在庫として持つものです。
どこにどのくらいの量を持つかをしっかりと管理しなければいけません。

2つ目は、時間のバッファです。生産計画に時間的な余裕として持ちます。
どの工程に、どのくらいの余裕を持つかをしっかりと管理が必要です。

3つ目は、能力のバッファです。設備能力や人の余力として持ちます。
余力もどこにどのくらい持つのか、しっかりと決めておく必要があります。

この3つのうち、在庫のバッファは、見えるバッファです。
一方、時間のバッファと能力のバッファは、見えないバッファとなります。

普段見えるバッファばかりに目が向きがちですが、見えないバッファも含めて、両方をしっかりと管理していくことがポイントになります。

時間のバッファ第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド21

なお、見えないバッファのうちの時間のバッファに関しては、リードタイム設定にもリンクさせて活用していきます。
不確実性(リードタイムのバラツキ)を考慮し、時間のバッファを設定し、バッファとする時間は常に見直しをします。

計画へ織り込む際は、例えば製造リードタイムが1日で、その後に1日の時間バッファを設定する場合、負荷計画(能力所要量計画)に利用するのは、製造リードタイムの1日ですが、資材所要量計画には、時間バッファ1日を足した2日を生産先行日数として設定するというようなイメージです。

能力バッファ第3章:生産計画の考え方(前編)-スライド22

また、見えないバッファのもう1つ、能力バッファに関しては、次のようなイメージで活用します。
操業時間に対して、故障・チョコ停、非製造時間を引いた時間を稼働時間としますが、この時間をそのまま計画稼働時間とするのではなく、

計画外の稼働時間、アイドリング時間も考慮した時間を能力バッファと設定し、計画稼働時間を決めます。

どのくらいの能力バッファを持つかは、実力をしっかりと見極めて設定しなければいけません。

また、能力バッファの大きさは、計画対象日が近づくにつれて小さくしていくようにしましょう。


以上で、「第3章:生産計画の考え方(前編)」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、後編の講義も是非ご覧ください。


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