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第1章:生産管理とは ⇒ このページはココ
第2章:生産管理の仕事の3本柱 ※無料会員以上限定
第3章:生産計画の考え方(前編)
第3章:生産計画の考え方(後編) ※法人会員限定
第4章:生産統制の考え方 ※法人会員限定
「生産管理とは」動画講義
「生産管理とは」スライド講義
はじめに
生産管理のイメージ
- いつも現場で仕掛を探している。
- いつも電話でお客さんから催促されている。
- いつも無茶なことを言ってくる。
- いつも現場で煙たがられている。
- 管理というより追っかけ屋さん。
- いつもお客さんと現場とで板挟みになっていて大変そう。
- もっといい計画立てられないの?
- いつも、納期遅れで叱られている。
こんなイメージを持っているとしたら、あなたの会社の生産管理は機能していません。
恐らく、生産管理担当者も、「何で自分が怒られるんだろう・・・」、と思っており、モチベーションが日々低下しているに違いありません。

生産管理は、会社にとって、無くてはならない存在です。
非常に重要な役割を担っているのです。
本講座を通して、生産管理の基本的な考え方、生産管理が担う機能と役割について学習し、会社に利益を生むイキイキとした生産管理担当者を目指すきっかけにしていきましょう。

1.生産管理担当者が持つべき2つの視点
経営の3要素と生産の3要素の視点
この時、支払いを行ない、お金が出ていきます。
そして、製造が完了した製品は、出荷・販売され、顧客に届きます。
この時、対価として、お金が入金されます。これが工場のお金の流れの基本です。
なお、工場では、顧客により良い製品を届けなければいけません。
具体的には、Q 品質、C コスト(価格)、D 納期の3つの視点で製造を行なうことが必要不可欠です。
これが生産管理担当者が持つべき1つ目の視点、「生産の3要素の視点」です。
工場内で製造されるモノが、品質要求を満足し、なおかつ可能な限り易いコストで、決められた納期までに造り終えるためにはどうすればよいか、考えて行動することが求められます。
もう1つの視点は、経営の3要素の視点です。
工場内だけではなく、支払い、入金等のお金の回転を良くするにはどうしたらよいか、考えて行動する必要があります。

「生産のコントロール」だけではなく、「お金の流れのコントロール」も!
これは、狭義の生産管理の仕事です。
お金のフロー(回転)が速くなるように「経営の3要素の視点」も含めて管理すること。
これが、広義の生産管理の仕事になります。
そう、生産管理は、「生産のコントロール」だけではなく、「お金の流れのコントロール」も担うのです。
つまり、ただ生産の進捗を工場の中で追っかけるのだけが本来の仕事ではありません。
顧客と納期の調整をすることだけが仕事ではありません。
お金の流れを含めた広い視点で業務を行なうことが求められていることを、しっかりと認識するようにしましょう。

2.生産の3要素の視点
生産の4M
これを満足させなければいけません。そのためには、「人」「モノ」「設備」「作業方法」の生産の4Mの適切な組み合わせを実現することが求められます。

QCDの維持向上
生産管理担当者は、3要素を日々確実に維持し、3要素を計画的に向上させる策を考えることによって、品質、コスト、納期の生産の3要素を下支えする、とても大事な役割なのです。

「生産の3要素」の管理のポイント
生産の3要素は、次の3つでしたね。
Q:品質
C:コスト
D:納期
品質、コストに関しては、顧客の品質要求を明確にし、顧客の価格要求に応えるためにはどういう造り方をすべきか見極めることがポイントです。
なお、必要以上の品質(過剰品質)はコストを上昇させ、結果的に顧客要求に応えられないことになるので注意しましょう。
納期に関しては、顧客要求を守るためにはどう生産をコントロールすればよいか見極めることがポイントです。
なお、出来ない納期を約束して顧客の信頼を失わないように注意しましょう。

3.経営の3要素の視点
スループット(時間当たりの付加価値)を最大化する
つまり、生産管理は、サプライチェーン、キャッシュフローをコントロールする機能も有しているのです。
なお、サプライチェーンとは、企業の経営・管理で使用する用語で、原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、販売、配送までの製品の全体的な流れのことです。
従って、生産管理には、納期・在庫管理と 生産平準化によるスループット(時間当たりの付加価値)を最大化するための 策を実施することが要求されます。

具体的には?
次の3つが主なものになります。
- 適正な在庫をコントロールし、お金の回転を速くする、モノの停滞を無くす。
- 工程負荷を調整し、スループットを高める。
- 需要変動への対応力を高める。
お金の回転?スループット?需要変動への対応力?詳しく教えてください!

お金の回転を速くする
ものづくりを行なう工場は、材料の購入をします。つまり、お金を材料に変えます。
そして、造った製品を、顧客へ出荷・販売します。つまり、製品がお金に変わります。
このような流れの中で、工場内で、いつまでもモノが滞留していると、いつまでたってもお金に変わらないのです。
仕掛在庫はお金を生みません。一方で、お金は新たなお金を生みます。
従って、材料をいかに早くお金に変えるか、という視点が経営には非常に大切で、このことを生産管理担当者は意識して仕事をしていかなければいけません。

「スループットを高める」
顧客の注文は基本的にバラツキがあり、そのことで、期間ごとの生産量にバラツキが出るのが通常です。
それに対して、何も対策をしなければ、余力の発生や、残業代、外注費用等が発生してしまいます。
これでは、利益を出すことは出来ません。
そこで、生産管理担当者は、負荷調整を行なう必要があります。
このように、生産の前倒し等により、生産負荷を平準化させ、費用を抑制していくことが求められるのです。
生産を前倒し、フル稼働状態を実現し外部経費や残業代を抑える対策は、工程負荷調整によるスループット向上の一例です。

需要変動への対応力
先程、工程負荷を平準化するというお話をしましたが、負荷量の調整にも限度があります。
いくら頑張って負荷の平準化を行なっても、このように、週単位で必要人員が変化してしまいます。
大抵の場合、Aライン、Bラインの2つがある場合は、それぞれで必要人員にバラツキが発生するのです。
このような状況下で、生産数が多い時に合わせて人員設定してしまうと、どうなるでしょうか。
そうです。各ラインでは余力を持て余すタイミングが発生してしまい、利益を失ってしまうことになるのです。

ライン間の応受援をコントロールする
1週目はBラインに余力があるので、Aラインに応援に行き、設定人員超過分を吸収し、
2週目と4週目は、AラインからBラインに応援に行き、超過分を吸収するようなイメージです。
このような人員配置の管理をすることで、従来20人の設定であったのが、18人の設定で十分対応できるようになります。
以上のように、ライン間の必要生産量にバラツキがある場合には、ライン間の応受援をコントロールすることで、需要変動を吸収できる力を付けていくようなことが必要不可欠となります。
これが需要変動への対応力向上の一例です。

4.第1章まとめ
もう1つは、経営の3要素の視点です。3要素とは、人、モノ、金の3つです。

以上で、「第1章 生産管理とは」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。
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