PDPC法とは
事前に障害を想定することで、回避策を前もって検討することができ、ゴールに向けた最適なプロセスを決定することができます。

記号の定義の確認
記号の例を挙げていきます。
まずは、出発点です。PDPCを作成する目的となるものや問題のきっかけです。
次はゴールです。目的に対し、最終的なゴールとなるものです。
次は、実施事項です。ゴールに向かって行うことです。
次は、結果です。何かを行った結果として起こる状況です。
最後に、分岐点です。うまくいった状態とうまくいかなかった状態に分かれるものです。
それぞれの使い方をPDPCの作成を行いながら理解していきましょう。
付箋を用いてPDPCを作成する場合、付箋の色でこれらを区別するとわかりやすいですね。

PDPCの作成手順
STEP1.目的を決める
STEP2.出発点とゴールを決める
STEP3.大まかなルートを作成する
STEP4.障害が想定されるポイントを検討する
STEP5.障害への対策案を検討する
STEP6.作成したPDPCを確認し完成させる

2種類のPDPC
強制連結型PDPCは、ルートをゴールまで絶対に結びつけるPDPCで、手順がほぼ決まっている場合に用いられます。
これまで紹介してきたものは強制連結型PDPCです。
一方、逐次展開型PDPCは、ルートが途中で途切れてもOKなPDPCで、何か1つでもゴールに到達できるルートは無いか、可能性を広げて探る場合に用いられます。
逐次展開型PDPCについても概要を確認しましょう。

逐次展開型PDPCの特徴
「最適な高さで作業ができるようになる」というゴールに向かって
「作業台の高さを変えられるようにする」「高さの異なる複数の作業台を用意する」「作業台の周りに踏み台を用意する」という改善案を挙げました。
このように、考えられる可能性を順番に広げていくPDPCが逐次展開型PDPCです。
これらに対してそれぞれの障害を想定しルートを作っていくのですが、改善案の障害を想定していくうちに、障害の回避策が生まれずルートが途切れてしまうことがあります。
この場合には全てのルートを目的に到達させる必要はなく、どこか1つのルートがゴールに到達できれば目的を達成できることとなります。
「ルートが途中で途切れてもOK」とはどういうことか理解いただけたのではないでしょうか。
このように、逐次展開型PDPCを用いると様々な可能性の中から目的を達成できるルートを見つけ出すことができます。
また、これに似た使い方として、問題が発生したときに最悪のルートをたどるとどのようなリスクにつながるかを想定し、その防止策を検討するといった使い方もあります。
途中でリスクを回避できればそこでルートを途切れさせます。ゴールにたどり着くことを狙うのではなく、ルートを途切れさせることを狙う使い方です。
どの使い方をする場合であっても、実際に作図することで新たな気付きが生まれ、頭の中で考える以上に精度の高い想定を行うことができます。
うまく活用していきましょう。

PDPC作成のポイント
うまくいかない場合のことを考えるのはどうしても抵抗を感じてしまうものです。
しかし、どんな障害でも「全員で考えることで打開策は生まれてくる」とポジティブに取り組みましょう。
リーダーがアイデアの出やすい明るい雰囲気を作ることも重要となります。

PDPCを作成してから計画を開始しよう
PDPCを作成することで、事前に障害を予測し先手を打って対策を行うことができ、結果的に早く目的を達成できる場合もあります。
作る時間を惜しまず、まずはPDPCを作成し計画を開始するようにしましょう。

無料一般会員の方は下記ページで一部スライドのダウンロードできます
PDPC法(ぴーでぃーぴーしーほう)とはPDPC法とはプロセス決定計画図(Process Decision Program Chart)のことで、ゴールまでに想定される障害とその回避方法を図示することで、事前に障害を回避する[…]
全章の学習は法人向けサービスにて提供中!
法人会員サービス、個別コンテンツ学習サービスで活用するeラーニングシステムでは、再生スピードの変更や字幕機能、進捗管理機能、理解度確認テスト等を利用することができるため、“必ず学習させたい” “理解度を確認しフォローしたい”というニーズにピッタリです。
もちろん、パソコンかスマホとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習が可能です。
関連ページ一覧
新QC7つ道具は、改善活動を行う際に非常に有効なツールです。QC7つ道具とは異なる特徴も持っており、各手法を適確に活用することで改善活動を効果的に進めることができます。本講座では、新QC7つ道具を活用するために必要な基礎知識について学習を行ないます。
マトリックス・データ解析とは、行と列に配置した数値データを解析する手法です。多くの評価項目をまとめて少なくすることで評価を行いやすくするために使用します。新QC7つ道具で唯一数値データを扱います。
PDPC法とはプロセス決定計画図(Process Decision Program Chart)のことで、ゴールまでに想定される障害とその回避方法を図示することで、事前に障害を回避するための策を講じておくための手法です。事前に障害を想定することで、回避策を前もって検討することができ、ゴールに向けた最適なプロセスを決定することができます。
アローダイヤグラム法とは、計画を進めていくために必要な作業の順序を矢印と結合点で結び、時間短縮の検討やスケジュール管理を行う手法です。アローダイヤグラムにより日程や必要時間を見える化することで、期日までに間に合わせることができるか等の「日程・スケジュールの確認」を行うことができます。
マトリックス図法とは、検討を行う2つの要素を行と列に配置し、それぞれの関連度合いを交点に表示することで問題解決を効果的に進めていく手法です。マトリックス図を作成することで各要素間の関係を整理したり、全体を見渡して着眼点を見つけ結論を導き出したりすることができます。
系統図法とは、目的を達成するために具体的な手段を系統的に展開し、最適な手段を追求していく手法です。目的に対する手段が定まっていないときに、系統図を作成することで、新たな発想が得られ、最適な手段を見つけることができます。
連関図法は、原因と結果が複雑に絡み合った問題に対して用います。連関図の作成を進めることで、原因と結果を1つひとつ解きほぐしていきます。連関図法を用いることで、原因を紐解き整理することができ、広い視野で全体を見渡すことができるようになります。
本ページは、カイゼン講座「k-019:新たな発想を生み出す!新QC7つ道具の使い方」から親和図法について一部抜粋してお送りしています。 目次 1 親和図法とは1.1 親和図の作成手順1.2 こんな時には親和図を使おう1.3 親和図の作成により生まれる […]
「新QC7つ道具とは?基本と使い方を解説」のページです。新QC7つ道具は、改善活動を行う際に非常に有効なツールです。QC7つ道具とは異なる特徴も持っており、各手法を適確に活用することで改善活動を効果的に進めることができます。本講座では、新QC7つ道具を活用するために必要な基礎知識について学習を進めていきましょう。