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第1章:管理職とは何か ⇒ このページはココ
第2章:管理職の仕事とは ※無料会員以上限定
第3章:管理職が成果を出すためにすべきこと ※法人会員限定
第4章:管理職に必要なマネジメントスキル ※法人会員限定
「管理職とは何か」動画講義
「管理職とは何か」スライド講義
はじめに
・頑張っても頑張っても一向に楽にならない
・ただ日々の業務をこなすのに精一杯
・残業が多いのは分かっているが効率化なんて考える余裕も無い
・部下の雰囲気は暗く、ここ数年で何人も辞めてしまった
漠然とした不安感、日々感じる切迫感、先が見えない閉塞感
なぜ管理職は忙しく、行き詰まりを感じるのでしょうか。管理職であれば、仕方が無いことなのでしょうか。いえ、そんなことはありません。管理職の中には、自分の役割を果たし、活躍している方も沢山います。
本講義では、不安感、切迫感、閉塞感という状況を打開するために、管理職に求められるスキル・考え方を学んでいきましょう。

本講座における各役職の位置付け
一般に、役職は大きく3つに分けられます。
1つ目は、トップマネジメント、経営者層です。
経営者、取締役、執行役員等が該当し、会社によっては部長クラスの人材まで含むこともあります。
2つ目は、ミドルマネジメント、管理者層です。
部長、次長、課長が該当し、会社によっては係長クラスの人材まで含むこともあります。
3つ目は、ロワーマネジメントで、監督者層です。
係長、主任、班長等が該当します。
本講義では、「ミドルマネジメント」に関係する立場の方を対象にします。
係長クラスに関しては、次期管理職候補という位置付けとして含めることとします。

本講座の概略
第1章:管理職とは何か
第2章:管理職の仕事とは
第3章:管理職が成果を出すためにすべきこと
第4章:管理職に必要なマネジメントスキル

第1章の講義スタート!
第1章では、そもそも管理職とは何なのか、管理職の果たすべき責任は何か等について確認します。

第1章目次
1.企業の組織と管理職
2.管理職と一般従業員の違い
3.管理職と残業
4.管理職の権限と責任
5.現代に求められる管理職のマネジメント
6.第1章まとめ

1.企業の組織と管理職

会社の機能を手分けする手段が組織
一般に、事業が広範囲になり、従業員が多くなればなるほど、社長だけで全てのことを管理することは出来なくなります。
従って、効率的に事業を回していくためには、会社の機能を従業員で手分けして進めるのが合理的です。
そして、会社の機能を手分けする手段が組織となります。

決裁権を持つ役職が「管理職」
権限委譲というのは、「ある一定の範囲で独自の判断を許可」することを指し、これを「決裁権を与える」と言います。
そして、決裁権を持つ役職のことを、「管理職」と呼びます。
一般的には課長以上の職位を管理職と呼びます。
ただし、係長も管理職であったり、「マネージャー」、「GM(ゼネラルマネージャー)」等、役職名が会社により異なる場合もあります。
決裁権の範囲も各社基準が異なるため、自分の部門はどのような範囲まで権限委譲されているのかを理解しておくことが必要です。

組織を図で確認してみよう!
会社には、業務執行の意思決定等を行う合議体である「取締役会」があります。
一般的な企業では、会社として決定すべき事項の決裁権限をその重要度に応じて順繰りに下位組織に委譲しています。
管理職は、仕事の内容によって、責任と権限を任されるのです。
管理職の一歩手前のロワーマネジメントと呼ばれる係長・主任クラスは、管理職の機能の一部を担当することになります。

管理職がいかに自立的に考動できるか
管理職がいかに自立的に考動できるか、それが企業存続の鍵になっていると言っても過言ではないのです。

2.管理職と一般従業員の違い

管理職と一般従業員、何が違う?

成果責任と業務遂行責任
成果責任とは、自身が担当し権限を持つ部門において、成果の詳細や状況を説明する義務のことを指します。
一方、一般従業員が求められる責任は、「業務遂行責任(レスポンシビリティ)」です。
業務遂行責任とは、上司から指示された業務をきちんと遂行する義務のことを指します。
少し分かりにくいですね。

管理職は経営サイドに立っている
一般従業員は、労力と時間を提供して自分の役割を果たし、対価としての給料をもらいます。
管理職は、責任と権限に基づき、部下である一般従業員が自分が与えられた仕事の役割を果たせるように管理し、組織として成果を出すことを役割とします。
同じ従業員という立場でありながら、管理職は経営サイドに立っていて、一般従業員の仕事を管理することが仕事です。
それが「管理」職と言われる所以なのです。

3.管理職と残業

管理監督者イコール管理職ではない
「管理職になったから、残業代をもらえない。」
「管理職は残業代をもらえないから、ただ大変になっただけだ。」
「管理職になったら給料が下がる。」
という発言をよく耳にします。
しかし、この発言は、実は間違っている場合もあります。どういうことでしょうか?
労働基準法においては、労働時間に関する決まりが適用されないのは管理監督者です。
そして、管理監督者イコール管理職ではありません。

管理監督者と認められる基本的な条件
・経営者と一体的な立場にあること
・出社や退社、勤務時間に厳しい制限を受けないこと
・労働時間などの規制を超える重要な職務内容であること
・その地位にふさわしい待遇がされていること
これらが当てはまる場合は、管理監督者となり、当てはまらない場合は、管理職であっても管理監督者ではありません。

管理監督者と一般従業員との3つの主な違い
1つ目は、労働時間に関する決まりが適用されないことです。
労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えた労働は原則禁止とされています。
ただし、労働組合と36協定を結んでいる場合は、その協定に準じます。
管理監督者は、この規制を受けません。
簡単に言えば、何時間働いても時間外労働として扱われないということです。
なお、深夜労働については、管理監督者にも深夜割増手当が支払われます。
2つ目は、休憩時間に関する決まりが適用されないことです。
労働基準法では、1日6時間を超えて労働する場合には45分、8時間を超えて労働する場合には1時間以上の休憩を取る必要があります。
管理監督者は、この規制を受けません。
極端なことを言うと、管理監督者は、休憩時間なく働き続けなければならないケースがあるのです。
3つ目は、休日に関する決まりが適用されないことです。
労働基準法では、毎週少なくとも1日の休日を取る必要がありますが、管理監督者はこの規制を受けません。

経営者と一体となって会社を引っ張っていく存在が管理監督者
そして、管理職イコール管理監督者ではなく、一定の条件を満たす場合にのみ当てはまります。
つまり、「管理職は残業代がなくなる」というのは誤認識なのです。
もし残業代が無いのにこの条件に当てはまらないと感じた場合は、あなたは権限がない名ばかり管理職かもしれません。
あるいは、会社から求められる役割を果たせていないイマイチ管理職かもしれません。
時間外労働が適用されていない管理職の場合、多くは後者に当てはまります。
経営者と一体となって会社を引っ張っていく存在になれるように、管理職に必要なスキルを身に付けていきましょう。

4.管理職の権限と責任

管理職の承認・決裁権限は会社から委任を受けたもの
実際には、責任範囲を明確にするため、どの職位にどこまでの権限と責任を付与するかを定めた「職務権限規程などの社内規定」が存在します。
管理職は、それぞれの責任範囲に基づいて、「顧客や下請との取引内容の承認や決裁」、「部下が作成・提出する書類の承認や決裁」、「経費の支出承認や決裁」、「部下の勤怠状況などの承認や決裁」等を日々行ないます。
その際、はっきりと認識すべきことがあります。それは、管理職が承認・決裁したものは、その時点で管理職自身の責任であることです。いくら忙しいからと言って、確認もせずに判子を押してはいけません。判子イコール責任であることを肝に銘じ、押す前に一呼吸おいて考え判断しなければなりません。

部下の批判は、自分を批判していることと同じ
「メンバーの能力が十分でない」、「今は外部環境が悪い」、「そもそも上位方針がおかしいのではないか」等、色々な理不尽さ、不条理さはあったとしても、部門の責任は管理職自身が担っていることを忘れてはいけません。
もちろん、「部下の批判は、自分を批判していることと等しい」。この自覚だけは持って発言、考動するようにしましょう。

5.現代に求められる管理職のマネジメント

過去の延長線で未来の予測が出来ない世の中
「設定される課題は途中で変更されない」ことが前提であり、いかに計画的・効率的に取り組むかが成果を左右してきました。
また、「課題を遂行する手段が過去の経験から導き出される」ことも前提であり、過去のやり方をいかに忠実に再現できるかが成果を左右してきました。
このような環境下では、PDCAサイクル等の管理プロセスを着実に回し、継続的な改善を進めるという、計画管理能力が重要な役割を果たしてきたのです。

今やるべきことを正しく設定し高速で実行することが大切
安定した成長環境では、過去の延長線で未来が予測でき、基本的にやるべきことが決まっており、過去の経験やノウハウが有効でした。
それに対して、不安定な経済環境である現代では、「大きな受注の山谷等の営業環境の激変」、「顧客のニーズの多様化」、「小ロット化・短納期化」、「過去の経験やノウハウが通用しない」といったことが多々起こり得ます。
従って、「既に決められていることを正しく実行することが大切」であった過去のマネジメントから一歩進み、「今やるべきことを正しく設定し高速で実行することが大切」である現代のマネジメントに舵を切っていくことが必要不可欠なのです。

PDCAサイクルとは
マネジメントの基本、それは、「PDCAサイクル」です。ルーティンワークのマネジメントスタイルとなります。
PDCAは、
Pは、Plan:計画を立てること
Dは、Do:計画を実行すること
Cは、Check:計画と実績の差異を見ること
Aは、Action:次の計画に反省を活かすこと
を指しており、このサイクルでマネジメントすることにより、スパイラルアップし、成長進化が遂げられていきます。PDCA、PDCA、PDCAと、少しずつ、少しずつ成長進化を遂げていくことになります。

STPDサイクルとは
それは、イノベーティブなマネジメントスタイルである、STPDサイクルです。
STPDサイクルとは、
Sは、See:現状を観察すること
Tは、Think:真因を探求すること
Pは、Plan:計画を立てること
Dは、Do:試行錯誤すること(正解の無い状況を打開する)
というサイクルを指しています。
STPDサイクルの最も重要なことは、「現状打破するために、まずは、SeeとThinkのプロセス」があるということです。現状を観察し、その真因を探求することによって初めて、前年とは連鎖しない、不連続な変革的取り組みを成すことが可能となるのです。

6.第1章まとめ


第1章の講義完了!
引き続き、「第2章:管理職の仕事とは」の講義に進みましょう。
この講座が、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
それではまた次の講義でお会いしましょう。

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