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第1章:構内物流の機能と役割
第2章:構内物流改善のステップ ⇒ このページはココ
第3章:構内物流の第1の役割と改善の進め方(前編) ※無料会員以上限定
第3章:構内物流の第1の役割と改善の進め方(後編) ※無料会員以上限定
第4章:構内物流の第2の役割と改善の進め方(前編) ※法人会員限定
第4章:構内物流の第2の役割と改善の進め方(後編) ※法人会員限定
第5章:構内物流の第3の役割と改善の進め方(前編) ※法人会員限定
第5章:構内物流の第3の役割と改善の進め方(後編) ※法人会員限定
「構内物流改善のステップ」動画講義
「構内物流改善のステップ」スライド講義
1.構内物流改善の3つのステップ
第1の役割
構内物流改善の初めのステップは、第1の役割として、「サービス業として現場の価値時間を向上させる」活動です。
現場で主役が演技のことを100%考えられるように、構内物流が関係するムダ時間を徹底的に排除していくことが重要となります。

第2の役割
生産指示・出荷指示機能を持つことで、工場のペースメーカーになると共に、工場の司令塔として、モノと情報がスムーズに流れるようにコントロールしていくことが重要になります。
モノと情報が上手くコントロールされ、工場内が淀みなく流れていくために必要な仕組みづくりを徹底的に行なっていきます。

第3の役割
工場内でモノの移動を極力発生させないような工程の工夫や、工場内で発生したモノの移動を極力効率的に実施する等、物流自体の効率化を推進していきます。
以上の、HOP、STEP、JUMPの3つのステップで物流改善を進め、生産ラインの生産性向上への寄与と物流コスト低減を推進していきましょう。

2.改善の前に ~ムダ排除の考え方~
前工程に掃き出す
まずは、ムダ排除の考え方からです。「ムダは前工程に掃き出す」ことが基本です。
後工程から前工程に、そして、前工程から前々工程へと掃きだしていきましょう。

一箇所に集め目立たせる
個々のムダを個別最適で改善してしまうと、後工程でデメリットが発生したり、状況によって上手くいかなかったりといったような問題が発生します。
そこで、前工程、前工程へと一箇所にムダを集め、そこに集められたムダに対して改善を行なうことで、全体最適かつ効率的な改善を行なうことが可能となることを覚えておきましょう。

3.改善の前に ~隠れたムダを“おもてか”する~
表化!(おもてか)
現場で行なっている作業には、実は物流に関係するムダが隠れています。
初期の段階で、その隠れたムダを表化(おもてか)することが必要不可欠です。
例えば、部品選びや、箱引き寄せ、部品向き替え、梱包材外し、歩行、箱片付け等の動作は、普段は意外と気付かない隠れたムダです。
一連の動作を分析しながら、こういった隠れたムダを1つずつ表化(おもてか)していきましょう。

4.改善の前に ~生産ラインの実態把握~
生産ラインの実態を調べてみよう!
価値作業とは、組立工程であれば、部品を取って取り付ける動作のみを指します。
生産ラインにおける作業では、価値作業にどのくらい特化出来ているでしょうか。
また、価値作業以外の作業は、どのくらいの割合で発生しているでしょうか。
改善前に、これらの実態を正しく把握しておく必要があります。
調査に当たっては、稼働分析を活用して行ないましょう。

稼働分析とは
「人の働きがどのような状況か掴み」、「改善の切り口を見つけ」、「改善前後の時系列的な変化をつかむ」ために有効なツールです。
一般的に、稼働分析では、主体作業、付随作業、ムダの3つの要素がどのくらいの割合を占めているかを数値で把握することが可能です。
さらに、主体作業の中でも価値作業と呼ばれているものがあり、直接利益を出している、付加価値に繋がる作業のことです。
実際に、形状・性質等、物を変化させている作業が該当します。
付随作業は、完全にムダではないが、付加価値に直結しない作業のことです。
ムダは、付加価値に結びつかないすぐにでも削減すべき作業のことです。

実際に稼働分析をしてみると・・・
組み付け、部品取り、製品格納、部品入れ替え、製品検査、空容器処理、歩行、伸び上がり、ラベル貼付け、絡みほぐし、迷い動作、という分類で調査したところ、主体作業は4割に満たないことが分かりました。
更に、価値作業という視点では、2割にしか満たないということも明らかになりました。
ここで、主体作業以外の動作を見てみましょう。
例えば、歩行や伸び上がりが多いのは、構内物流担当者による部品の置き方、場所が悪い為に発生します。
また、絡みほぐしや迷い動作が発生してしまうのも、現場作業者の作業のことを考えた部品供給が出来ていないことが要因です。
この比率では、とても合格点はあげられません。最低でも7割超えを目指していくことが必要不可欠です。
このように、実際に稼働分析をしてみると、普段着目していないムダが見えてきたり、思ってもいない意外な結果が出てくることも多々あります。構内物流改善を進める際には、まずは現状の実態をしっかりと把握し、改善を行なっていく過程で、その数値がどう変化しているかを定量的に分析していきましょう。

5.改善の前に ~理想的な部品の渡し方~
極限まで生産性を上げるために
生産ラインが、価値作業に特化することで、極限まで生産性を上げるためには、構内物流として、部品の渡し方も理想に近づけていかなければなりません。
部品の渡し方は、タイムリーに、使う順番で、今必要な種類の部品だけを、今必要な数だけ、すぐに使える状態で、渡すのが理想です。
この渡し方を理想として、構内物流改善のステップを1歩ずつ進めて近づけていきましょう。

6.第2章まとめ
「STEP:司令塔として生産の流れをコントロールする」
「JUMP:物流作業を効率化させ物流コストを下げる」
という順番で改善を進めていきましょう。
各工程だけで個別に最適化を行なうのではなく、全体最適で改善を進めていくために必要な考え方となります。
この理想を目指し、1歩1歩改善を進めていきましょう。

以上で、「3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方 第2章:構内物流改善のステップ」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。
本講座の監修者
本講座は、物流改善の専門家、Kein物流改善研究所とカイゼンベースの協働制作講座となります。監修したKein物流改善研究所 仙石惠一先生のプロフィールはこちらから確認しましょう!
Kein物流改善研究所 仙石惠一先生
物流改革請負人!ロジスティクス・コンサルタント。物流、製造現場を熟知した社会保険労務士。物流、製造会社専門行政書士。日産自動車(株)でサプライチェーン構築や新工場物流設計、物流人財育成プログラム構築などを経験。従来の経験を基にした物流リスクマネジメントの領域では第一人者であると自負している。
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