講座ナビ
第1章:企業活動のキホン方
第2章:改善活動の考え方と進め方
第3章:問題と課題の違い
第4章:生産管理の3要素「QCD」とは
第5章:三現主義、5ゲン主義とは
第6章:5W2Hとは ⇒ このページはココ
第7章:PDCAサイクルとは
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「5W2H(5W1H)とは」動画講義
「5W2H(5W1H)とは」スライド講義
1.コミュニケーションと5W2H
しっかりと意思疎通を図ることは簡単ではない
報連相をした時、自分の考えを伝えようとした時等、コミュニケーションを行なう際に、
「相手に主旨が伝わらなかった!」
「間違った解釈をされてしまった!」
「何度も聞き返されてしまった!」
という経験はありませんか?
人間は、それぞれに考え方や価値観が様々です。それ故、しっかりと意思疎通を図ることは、実は簡単ではありません。
従って、伝えたいことを相手に確実に理解してもらう為に、抜け・モレのない説明方法の習得が必要です。
そして、その代表的なフレームワークが5W2Hなのです。

5W2Hとは
5W2Hとは、
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
How(どうする)
Why(なぜ)
How Much/How Many(いくら、いくつ)
のことです。How Much/How Many(いくら、いくつ)を入れずに、5W1Hとすることもあります。
この枠組みで業務指示や報連相等のコミュニケーションを取ることで、伝えたいことがしっかりと伝わるようになります。

When、Where、Whoの「いつどこで誰が」は、「場面設定」を表しています。
What、Howの「何をどうする」は、「出来事や行動」を表しています。
Whyの「なぜ」、How Much/How Manyの「いくら、いくつ」は、理由や背景を表しています。
どういう場面でどういう出来事や行動が起こり、それはどのような理由や背景から必要なのか。
これらを相手にしっかりと伝えることができればコミュニケーションを円滑に行なうことが出来るのです。

2.5W2Hの詳細とポイント
では次に、5W2Hの詳細とそれぞれのポイントについて確認していきましょう。
When(いつ)
仕事には期限があるので、指示を出す際等は、Whenを明確にして話すことがポイントとなります。
それにより、指示を受けた側には、時間を意識した計画性のある行動を行なってもらえる確率が高まります。

Where(どこで)
待ち合わせ場所、作業場所、実施場所等、どこで行なうかを明確にして話すことがポイントです。
なお、場所とは、指示されたアウトプット物の提出場所や保存場所等の「どこに」も含まれます。

Who(誰が)
誰が行なうのか、誰と行なうのかを明確にして話すことがポイントです。
よくある悪い事例として、誰かがやる「だろう」と思っていて、だれもやっていなかったということがあります。
Whoを明確にすることで、このような「だろう」によるすれ違いを防止することができます。

What(何を)
何の作業なのか、何の依頼なのか等を明確にして話すことがポイントです。
Whatを確実に伝えることで、「そもそも扱うべきものを間違っていた」というようなミスを無くすことが出来ます。

How(どうする)
どうやって行なうのか、どのような状態にするのかを明確にして話すことがポイントです。
Howをしっかりと伝えることで、その後の行動に具体性が増し、ミスを減らすことが出来ます。

Why(なぜ)
なぜそれを行なうのかを明確にして話すことがポイントです。
なぜを伝えると、仕事の質が向上し、やり直しも無くすことが出来ます。
なぜを伝えなかったことで、相手が意図と違う行動を起こしてしまうことは多々あります。
そうならないように、「なぜそれをやるのか」を伝えることは非常に重要です。

How Much、How Many(いくら、いくつ)
いくらまで費用を掛けてもよいのか、いくらでやってほしいのかを明確にして話すことがポイントです。
How Much、How Manyをしっかりと伝えることで、相手が費用対効果を考えた行動を行なってくれるようになります。

3.5W2Hの具体事例
それでは次に、ここまで説明した5W2Hについて、悪い事例と正しい伝え方について確認しましょう。
状況設定として、自分が上司で、新入社員に会議の議事録作りを指示する場面を想定します。
0点!
「議事録を書いておいて。」
これは100点満点中、0点の伝え方です。皆さんもこれがダメな理由は分かりますよね!
この指示だけだと、5W2Hのどの要素も入っていません。
そもそも、議事録と言われても何の議事録なのか勘違いしてしまうかもしれませんね。
これは問題外です。

1点!
「佐藤君、議事録を書いておいて。」
これでも1点です。先程は無かったWhoが入っていますが、それだけでは全く足りないのが分かると思います。
この場合は、5W2Hにおいて、Whoが加わったものの、残りは入っていないため、確実には伝わりません。
なお、指示を出す際は、たとえその場に2人しか居なかったとしても、主語として、名前を付けて呼ぶべきです。
これは5W2Hのコツというよりも、最低限のマナーですね。

10点!
「佐藤君、明日の10時までに製販会議の議事録を書いておいて。」
これは10点の指示の出し方です。
先程よりもWhen、Whatの要素が増えていますが、まだまだ十分とは言えません。
とは言え、期限の要素が入ったことで、「すぐに作らなければ間に合わないな。」という認識には繋がったと思われるため、少しはマシになったというレベルです。

30点!
「佐藤君、明日の10時までに製販会議の議事録を書いて、印刷して私の机の上に置いておいて。」
大分明確になりましたが、まだ30点くらいですね。
提出場所として、Whereが入りました。
よくあるケースとして、出来たら手渡ししてくれるかと思っていたのに、「えっ?とっくにサーバーに保管してますよ。」というようなすれ違いを度々耳にします。
どういう状態で受け取りたいのかもしっかりと伝えておけばこのようなことは起こりませんね!

60点!
「佐藤君、明日の10時までに製販会議の議事録を書いて、印刷して私の机の上に置いておいてくれるかな。フォーマットはExcelで作った前回の議事録を流用して、1枚にまとめよう。」
この指示であれば、60点でまずは合格レベルです。
先程に加え、How(方法)とHow Many(量)の要素が加わりました。
「簡単に作るだけで良かったのに、出てきたものはものすごい分量のレポートだった。」ということもよく起こります。
それも時間のムダの一種であるため、「どのように、どのくらいのレベルで」作るかもしっかりと伝えなければいけません。

100点!
「佐藤君、明日の10時までに製販会議の議事録を書いて、印刷して私の机の上に置いておいてくれるかな。
フォーマットはExcelで作った前回の議事録を流用して、1枚にまとめよう。
明日の11時からの経営会議に使うから、期限は絶対厳守で宜しく頼むよ。」
このように、Why(なぜ)をしっかりと伝えることで、「なぜ議事録が必要なのか」「なぜ10時までに作る必要があるのか」と言ったことを受け手はしっかりと認識することが出来ます。
このような5W2Hでしっかりと指示を出すことで、遅れやミスがなく、確実に仕事を前へ進めることが出来ます。
上司から部下への指示の出し方だけでなく、部下から上司の報連相の場合でも同様です。
普段からこの5W2Hをしっかりと意識してコミュニケーションを取るようにしていきましょう。

4.5W2Hを使いこなしてデキる社員へ
なぜ上司や先輩が聞き返すのか
「何で出来なかったの?」
「どこまで出来ているの?」
「どの部分が出来ていないの?」
「いつまでにできるの?」
といったように、次から次へと質問が飛んできた経験を、誰もが一度は持っているのではないでしょうか。
なぜ上司や先輩が聞き返すのでしょうか。
それは、単に説明や報告に不足があるからです。
このような状況は、5W2Hの要素をプラスしたコミュニケーションで解決することができます。

同じ方向を向いていないことで余計に時間が掛かってしまう
また、相手は「当然知っているはずだ」と思っていても、実は全然知らなかったということも珍しくありません。
共通認識を持って一致団結して取り組めば、何てことはない仕事でも、同じ方向を向いていないことで、余計に時間が掛かってしまうものです。
出来れば、仕事はスムーズに、そして気持ちよく進めたいですよね。
もしあなたが仕事上のコミュニケーションが下手だと自分で認識しているなら、5W2Hを使いこなし、デキる社員へ一歩近付く努力を今日から始めてみましょう。

5.第6章まとめ
確実に覚えよう!
5W2Hは、伝えたいことを相手に確実に理解してもらう為のフレームワークとなります。
それを行なう理由を知って行動するのと、知らないで行動するのでは、行動の質が全く異なってしまいます。
指示を出す場合は、可能な限り「なぜ」を伝えて話すようにしましょう。

以上で、「改善活動の基礎講座~カイゼンの基本編~ 第6章:5W2Hとは」の講義を終わります。
このコンテンツが、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。
引き続き、その他の講義も是非ご覧ください。
本講座では、「問題と課題」「QCD」「三現主義、5ゲン主義」「5W2H」「PDCAサイクル」等、ビジネスマンとしては当然知っていなければいけない考え方・知識を確実に習得していきましょう。
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