運搬分析の概要と運搬の基本原則【IE実践講座 運搬分析(マテハン):第1章】

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マテハンとは、マテリアルハンドリングの略称で、生産活動におけるモノの移動に関わる取扱いのことを指します。工場の中においては、運搬は必要不可欠な要素です。一般に、運搬は価値作業ではなく付随作業に分類されます。しかし、付随作業である運搬をいかに効率よく行うかは、価値作業を下支えする重要な取り組みとなります。

本講座では、運搬の基本的な考え方を学び、運搬分析をどのように活用していくのか、ポイントを学習します。
IE的視点でムダを見つける目を養い、ムダを取り除く過程を通して、人材育成と筋肉質な現場の構築を目指していきましょう。

i-006:運搬分析(マテハン)の考え方と活用法
 第1章:運搬分析の概要と運搬の基本原則 ⇒このページはココ!
 第2章:運搬工程分析(会員限定公開)
 第3章:運搬活性分析【法人向けサービスにて提供中
 第4章:運搬改善のヒント【法人向けサービスにて提供中

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本講座の目次

目次です。本講座は全4章で学習を行ないます。

第1章:運搬分析の概要と運搬の基本原則
第2章:運搬工程分析
第3章:運搬活性分析
第4章:運搬改善のヒント

第1章学習スタート!

それでは早速、第1章:運搬分析の概要と運搬の基本原則について講義を始めましょう。

第1章では、運搬分析とはどんなものなのか、種類や基本となる原則について学びます。

第1章目次

第1章では、下記の順で学習を行ないます。

1. 運搬分析(マテリアルハンドリング分析)とは
2. 運搬分析の対象と種類
3. 運搬の基本原則
4. 第1章まとめ

1. 運搬分析(マテリアルハンドリング分析)とは

それではまずは、運搬分析(マテリアルハンドリング分析)とは何か確認しましょう。

付加価値を生まない運搬ロスの大きさを定量的に把握する

運搬分析とは、付加価値を生まない運搬ロスの大きさを定量的に把握するための分析のことです。

工場では、原材料や部品が工場に入ってきてから完成するまでに様々な工程を通ります。

その様々な工程の中で、本当の意味で付加価値を加えているのはどの工程なのでしょうか?
実は、付加価値を加えている工程はごく一部にすぎません。

付加価値を付けている工程は?

ある工場内における、工程の流れを確認してみましょう。

原料や材料が入荷され、材料置き場にストックされます。
そして、加工工程を通り、組立工程に進みます。
その後、製品置き場にストックされ、出荷されていきます。

この中で、付加価値を付けている工程はどれだと思いますか?

そう、加工工程と組立工程の2つです。

さらに細かく見てみると、加工工程では素材運搬、機械加工、完成品運搬という流れで工程が進んでいきますが、付加価値を付けているのは機械加工をしている瞬間だけです。

組立工程でも同様に、部品運搬、組立、完成品運搬という流れで工程が進んでいきますが、付加価値を付けているのは組立をしている瞬間だけなのです。

付加価値を付けている作業は実はそれほど多くない

つまり、工場内では様々な工程があるものの、付加価値を付けている作業は実はそれほど多くはありません。
当然、付加価値を付けている作業以外は、極力ゼロであることに越したことはないのです。

付加価値を付けている価値作業時間を最大限に増やし、運搬をはじめとした付随作業時間を極力減らしていく取り組みが、どんな工場にも求められます。
稼働分析において学習したように、付随作業比率、ムダ比率をいかに下げて、価値作業比率を上げていくかが大事なのです。
「運搬」の改善は、そのための重要な視点の1つとなります。

付加価値を加えている作業(価値作業)を増やす

加工や組み立て等の付加価値を加えている作業(価値作業)を増やすために、運搬分析(マテリアルハンドリング分析)が活用されます。

運搬分析(マテリアルハンドリング分析)では、モノの移動、ピッキング、モノの配膳、モノの貯蔵、積み下ろし作業、モノの取り出し・収納、入出荷等、あらゆるモノの取り扱いが対象となります。

運搬の改善は工場全体の改善に大きな役割を果たす

工場では、どんな製品、どんな工程でも、モノを動かしながら付加価値を付けていきます。

その中で、運搬は工程の一連の流れの中に組み込まれていることがほとんどです。

従って、運搬を改善することは、工程を改善することと等しいと言えます。
また、運搬の改善は工場全体の改善に大きな役割を果たすと言っても過言ではないのです。

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2. 運搬分析の対象と種類

それでは次に、運搬分析の対象と種類について確認しましょう。

運搬分析には様々な種類がある

運搬と一言で言っても、工程内運搬、工程間・構内運搬、輸送(工場外運搬)等がありますが、生産部門では工程内運搬、工程間・構内運搬を対象にした分析が中心となります。

運搬分析には様々な種類があります。

運搬工程分析は、モノの流れの状態を「運搬工程記号」で記録し、取り扱われ方等を分析する方法です。

運搬活性分析は、モノの移動のしやすさ(活性)から分析する方法です。
この2つが運搬分析において様々なシーンで活用される代表的な手法であり、第2章と第3章で詳細を学習します。

運搬分析には他にもいくつかあります。本講座では詳細を学習しませんが、種類としてこんなものがあると参考程度に確認しておきます。
空運搬分析は、モノを持たずに運搬器具だけで移動している状態(空運搬)を分析する方法です。
運搬稼働分析は、運搬者や運搬器具の稼働状態を分析する方法です。
運搬重量比率分析は、運搬物の重量や運搬の手間を分析する方法です。
運搬原価分析は、運搬に掛かるコストを分析する方法です。

このように様々な手法がありますが、本講座では、運搬工程分析と運搬活性分析の2つをしっかりと覚えましょう。

3. 運搬の基本原則

それでは次に、運搬の基本原則について確認します。

運搬の5つの原則

運搬には5つの原則があります。

1つ目は、モノの移動のしやすさ(活性)における原則です。
2つ目は、機械化・自動化に関する原則です。
3つ目は、手待ちや空運搬に関する原則です。
4つ目は、能力向上や作業改善に関する原則です。
5つ目は、移動経路に関する原則です。

それではそれぞれの原則を確認していきましょう。

まずは1つ目の、モノの移動のしやすさ(活性)における原則についてです。

モノの移動のしやすさ(活性)における原則

モノの動かしやすい状態(活性)をいかに保つか考えるという原則です。

モノの状態には様々あります。例えば、床にバラ置きしてある状態、容器に入れて床に置いてある状態、パレットの上に置いてある状態、台車の上に置いてある状態、コンベア上のものや移動中のものなどです。

これらの置き方では、床にバラ置きしてあるほどロスが大きく、コンベアで移動していればロスが小さくなります。
床にバラバラに置いてあると、それを集めて拾い上げて、台に載せてというように、取り出すのにいくつも手間が掛かってしまいますよね。
一方、コンベア上であれば手を少し伸ばすだけでモノを取り出すことができます。

運搬改善においては、ロスが少ない状態への変換を考えることが基本となります。

また、モノはなるべくまとめた形で運ぶこと、移し替えを無くすこと、荷姿を統一すること、運搬器具を統一することなども、活性を良くするために必要な視点となります。

運搬しやすい状態を保つため、モノの状態やツールの形態を最適化することが、1つ目の原則のポイントです。

機械化・自動化に関する原則

次に、2つ目の、機械化・自動化に関する原則についてです。
この原則では、2つのことがポイントです。
1つは、重力を上手く活用すること。もう1つは、運搬と運搬の繋ぎ目を自動化することです。

シューターの活用や、工程間運搬用AGVの活用等が該当します。
投資が必要にはなってしまうものの、シューターやAGVを活用できれば運搬の効率を向上させることができます。

手待ちや空運搬に関する原則

次に、3つ目の、手待ちや空運搬に関する原則についてです。
手作業だけではなく、運搬においても手待ちが発生することがあります。
例えば、運搬をするためにモノを取りに行ったんだけど、まだ準備が出来ていなくてその場で待っていた、等の状況を見たことはありませんか?

こういった手待ちのムダも無くしていかなければなりません。

また、台車に何も載せず運搬している光景を見たことはありませんか?これを空(カラ)運搬といいます。
いくら一生懸命行ったり来たりしていても、何も運んでいなければ、ただ走り回っているだけです。

このような手待ちや空運搬はムダの一種であり、可能な限り削減すべき、というのが3つ目の原則のポイントです。

手待ちや空運搬を無くすためには、例えば運搬指示にかんばんを使い、運搬タイミングを明確化することも有効です。

アンドンを活用し、運搬タイミングをコントロールすることも有効ですね。

また、目で見る管理を行うことにより、必要な運搬量が一目で分かるような仕組みづくりも欠かせません。

かんばんやアンドン等のツールを上手く活用して、手待ちや空運搬を発生させないことが大切です。

能力向上や作業改善に関する原則

次に、4つ目の、能力向上や作業改善に関する原則についてです。
この原則のポイントは次の通りです。

運搬器具の仕様を合わせ、運搬器具自体の重量を減らしましょう。

身体的に無理のない作業負荷、作業方法に変えていきましょう。

精神的に焦りが出ないように作業の割り振りを行いましょう。
運搬を行う人が能力を向上させることができるように作業方法を改善していくことが大切です。

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移動経路に関する原則

次に、5つ目の、移動経路に関する原則についてです。
この原則のポイントは次の通りです。

レイアウトは田の字にし、通路が直線直角になるようにしましょう。
曲がりくねっていたり、迷路のように行き止まりになっていてはいけません。
基本は田の字と考えます。

頻度が多いものの運搬距離が近くなるように配置しましょう。
頻度が多いものを出入口の近くに置くことで、運搬距離は最短化されます。

運搬経路は一筆書きに

運搬経路は一筆書きにしましょう。

何も考えないで配置を行うと、行ったり来たりが増え、空運搬も多発してしまいます。

そうならないように、一筆書きでモノを取り出せるような配置にすることで、空運搬を無くし、運搬動線の最短化を進めていきましょう。
以上が運搬の基本原則となります。この5原則の考え方を基本として、運搬分析を行っていきます。
第2章以降では、具体的な運搬分析の方法について学習を進めていきます。

4. 第1章まとめ

最後に、第1章のまとめをしましょう。
第1問、運搬分析とはどんな分析方法でしょうか。
付加価値を生まない運搬ロスの大きさを定量的に把握するための分析のことです。
第2問、運搬分析の代表的な2つの手法は何でしょうか。
運搬工程分析と運搬活性分析です。
第3問、運搬の5つの基本原則は何でしょうか。
モノの移動のしやすさ(活性)における原則、機械化・自動化に関する原則、手待ちや空運搬に関する原則、能力向上や作業改善に関する原則、移動経路に関する原則です。
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講義完了!

以上で、「第1章:運搬分析の概要と運搬の基本原則」の講義を終わります。

引き続き、「第2章:運搬工程分析」の学習に進みましょう。

参考文献はこちら。
この講座が、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。それではまた次の講義でお会いしましょう。

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マテハンとは、マテリアルハンドリングの略称で、生産活動におけるモノの移動に関わる取扱いのことを指します。工場の中においては、運搬は必要不可欠な要素です。一般に、運搬は価値作業ではなく付随作業に分類されます。しかし、付随作業である運搬をいかに効率よく行うかは、価値作業を下支えする重要な取り組みとなります。

本講座では、運搬の基本的な考え方を学び、運搬分析をどのように活用していくのか、ポイントを学習します。
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