本ページは、IE実践講座「i-004:時間研究の考え方と活用法」からレーティングについて一部抜粋してお送りしています。
※全章を学習の場合は、法人向けサービスをご検討ください。

レーティングとは何か?考え方と基準値について解説

レーティングはどんな考え方?

レーティングとは、観測対象作業のペースと正常なペースとを比較し、観測対象作業の中に潜む問題点を明らかにするための分析のことです。

レーティングは、「ペースレーティング」あるいは「パフォーマンスレーティング」とも呼ばれています。

大前提として、そもそも人の動きには違いがあります。

身体能力、熟練度、意欲などが誰でも同じではないからです。

とは言え、作業者が好きなペースで作業していると、工場が成り立たなくなってしまいます。
そこでレーティングという考え方が大切になってくるのです。

レーティングは、1人1人が標準的なペースまで能力を上げていくためのアプローチ方法だと覚えておきましょう。

作業速度の適正さをどう表すか?それがレーティング

基本的に、生産現場では作業がどのくらい予定通りに進んでいるかの判断が必要です。
予定通りであれば問題は出ませんが、遅れている場合には、生産計画上の問題、材料や部品の手配の問題、作業ペースの問題等、どこに問題が発生しているかを見極めなければいけません。

ただし、作業ペースの問題に関しては、取り扱いが難しいものでもあります。分析をしていくと個々人の作業速度の問題に行き着くことも多いのですが、どのくらい遅いのか、どこまで頑張らせるべきなのか等の判断が難しいのです。

一番早い人と比べると、「あの人は手際が良すぎるから無理だ」という議論になりがちです。平均と比べる場合にも、「この作業は1人でやっているから比べる人がいない」「他の人も同じくらい遅いじゃないか」という議論に陥ってしまうこともあります。

つまり、比べる基準が何もない状態で、結局は作業の遅れを許容するだけになってしまっている現場も珍しくはないのです。

そこで登場するのがレーティングです。レーティングという考え方で一定の基準をもとに判断することで、これらの問題はたちまち取り扱いやすくなります。

本当に労働強化?作業速度には適正速度がある

まず、作業速度に関しては、大前提として“適正速度”があります。

改善を行なう際、ただ作業の速度をやみくもに上げるのは労働強化です。

ただし、労働強化という言葉が先行してしまい、本来の適正速度より大幅に低下した状態が常態化してしまっていないか注意が必要です。

身心的な面を考慮して科学的に研究された適正速度で、全員が作業出来ている状態が理想となります。

これを数値で基準化したものがレーティング値です。

レーティングの2つの基準値

レーティング値には、一般的な2つの基準があります。

1つは、52枚のトランプカードを図の①②③④の位置に30秒で配り終わるときの手の速度です。

もう1つは、荷物を持たないで、平坦な道4.8km(3マイル)を1時間で歩行する時の歩行速度です。換算すると4mを3秒で歩く速度となります。

この2つの基準をレーティング値100とし、理想の速度と定義します。
この数字より高くても低くてもいけません。あくまで100が理想となります。
普段、作業を観察しながら、この基準に対して遅ければ(つまりレーティング値が低ければ)、ムダがあると判断するのです。
一方、この基準より早ければ、ムリをさせていると判断します。

レーティング値の大まかな判断基準

レーティング値の大まかな判断基準は次の通りです。

レーティング値が100前後は、安全性、生産性が最も良い状態です。

レーティング値が60程度まで下がると、のんびり作業をしている、ゆっくり作業をしているという状態です。

レーティング値が140程度まで上がると、バタバタ・セカセカし作業に危険が潜んでいる状態、作業者への負担が大きい状態です。

ここに示したように、レーティングは高ければよいわけではありません。
あくまで適正値を目指すという考え方が大切です。

低すぎるレーティングはヒューマンエラーを誘発する

なお、低すぎるレーティングは、ヒューマンエラーを誘発することも知られています。
一般に、レーティング値80~100程度がヒューマンエラーの発生率が最も低くなります。

それより上がると当然忙しすぎることによるヒューマンエラーが増加します。

一方で、レーティング値が低くても集中力の低下によりヒューマンエラーが増加すると言われています。

つまり、ヒューマンエラーの防止という観点からも、適切な作業負荷が必要となるのです。
適正な作業速度(レーティング)がヒューマンエラーを防止することは、是非覚えておきましょう。

全章の学習は法人向けサービスにて提供中!

法人会員サービス、個別コンテンツ学習サービスでは、本講座の全ての動画学習・理解度テストを行うことが可能です。

法人会員サービス、個別コンテンツ学習サービスで活用するeラーニングシステムでは、再生スピードの変更や字幕機能、進捗管理機能、理解度確認テスト等を利用することができるため、“必ず学習させたい” “理解度を確認しフォローしたい”というニーズにピッタリです。

もちろん、パソコンかスマホとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習が可能です。

カイゼンベースのeラーニングの特徴

法人向けサービスのページへ

法人向けサービスの価格表はこちら

guide-i004のサムネイル

カイゼン講座一覧のページへ戻る

関連ページ一覧

本ページは、IE実践講座「i-004:時間研究の考え方と活用法」からMODAPTS法について一部抜粋してお送りしています。 ※全章を学習の場合は、法人向けサービスをご検討ください。 目次 1 MODAPTS(モダプツ)法とは何か?考え方と基準値につい […]

PTS法とは、人が行う作業を基本動作(微動作レベル)まで分解し、その基本動作に前もって定められた時間を算出し、そこから作業時間を見積る方法のことです。PTS法は、Predetermined-Time Standardsの略で、事前に決められた時間の標準値を意味します。種類には、MTM法、WF法、MODAPTS法などがありますが、基本的には同じ考え方で分析を行います。

標準時間とは、決められた方法と設備を用いて、決められた作業条件の下で、一定の熟練度を持った作業者が標準的なスピードで作業を行う時に必要な時間のことです。標準時間においては、あくまで「標準的なスピード」が基準です。能力が高い人を基準にするわけではありません。

レーティングとは、観測対象作業のペースと正常なペースとを比較し、観測対象作業の中に潜む問題点を明らかにするための分析のことです。レーティングは、「ペースレーティング」あるいは「パフォーマンスレーティング」とも呼ばれています。

動作研究は、方法研究に属する手法の1つです。あらゆる仕事には、必ず一番良いやり方があります。本講義では、ただ漫然と現場を眺めるのではなく、一番良いやり方を追求する姿勢=モーション・マインドを持つために必要な知識について体系的に学んでいきます。

本ページは、IE実践講座「i-003:動作研究の考え方と活用法」から両手作業分析について一部抜粋してお送りしています。両手作業分析とは、作業者の両手の動作の順序や方法を、「作業」「移動」「保持」「手待ち」の4つの視点から分析する方法のことです。

本ページは、IE実践講座「i-003:動作研究の考え方と活用法」から微動作分析(サーブリッグ分析)について一部抜粋してお送りしています。微動作分析(サーブリッグ分析)とは、作業者の両手を中心とした動作の順序や方法を18種類の基本的な動作要素の繋がりで分析する方法のことです。

本ページは、IE実践講座「i-003:動作研究の考え方と活用法」から動作経済の原則について一部抜粋してお送りしています。動作経済の原則とは、最小限の疲労で最大の成果を上げられるように、最も良い作業動作を実現しようとする経済的な法則のことを言います。

動作研究は、方法研究に属する手法の1つです。あらゆる仕事には、必ず一番良いやり方があります。本講義では、ただ漫然と現場を眺めるのではなく、一番良いやり方を追求する姿勢=モーション・マインドを持つために必要な知識について体系的に学んでいきます。

本ページは、IE実践講座「i-002:工程分析の考え方と活用法」から流れ線図(フローダイアグラム)について一部抜粋してお送りしています。流れ線図(フローダイアグラム)は、詳細工程分析図(フロープロセス・チャート)をレイアウト図に落とし込み、人やモノのムダな動き・動線を分析するための手法です。

本ページは、IE実践講座「i-002:工程分析の考え方と活用法」から工程分析のステップについて一部抜粋してお送りしています。工程分析では、Step1:工程分析を行う目的を明確にする、Step2:工程分析の対象範囲を決める、Step3:分析対象となる製品・作業を決める、Step4:工程分析表を作成する、Step5:改善案を検討するという手順で進めていきます。

本ページは、IE実践講座「i-002:工程分析の考え方と活用法」から詳細工程分析(製品工程分析、作業者工程分析)について一部抜粋してお送りしています。詳細工程分析図は、フロー・プロセス・チャートとも呼ばれる手法です。原材料・部品から製品に至る生産工程の全貌を詳細に把握できることが特徴です。

工程分析の概要と単純工程分析_スライド14

工程分析は、方法研究に属する手法の1つです。各工程のモノの流れあるいは人の仕事の流れを掴むために、分析の初期段階で実施されることが多い手法となります。本講義では、工程分析はどういうものなのか、定義や考え方、実際の活用方法について学習を行ないます。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要-スライド124

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIE的改善へのアプローチ(6W2H法)について一部抜粋してお送りしています。6W2H法は問題や対策案をモレなく的確に洗い出しを行なうための視点です。IE的改善へのアプローチとして6W2Hは必須の視点となります。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要_スライド95

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIE的改善における基本スキルについて一部抜粋してお送りしています。IE手法の活用においては改善の基本スキルを身に付けることも欠かせない視点です。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要_スライド77

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIEにおける作業の大きさの区分について一部抜粋してお送りしています。IEにおいて作業の大きさを考える際には6つに分類して考えましょう。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要_スライド76

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIEにおける作業の“大きさ”について一部抜粋してお送りしています。作業には大きさがあり、大きさの異なるものを同じ階層で分析すると混乱するので注意が必要です。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要_スライド72

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIEの対象(4Mと1I)について一部抜粋してお送りしています。作業や業務では、インプット・情報をもとに、人が機械やツール等を使って、対象となるモノや情報を必要な方法で変換しアウトプットするということを行ないます。IEはこの変換作業に関わる全てが対象です。

IE・インダストリアルエンジニアリングの概要_スライド34

本ページは、IE実践講座「i-001:IE・インダストリアルエンジニアリングの概要」からIE手法の2つの分類について一部抜粋してお送りしています。IE、作業研究は、大きく2つに分類されます。1つは方法研究で、もう1つは作業測定です。この2つ、あるいはその組み合わせに様々な分析手法がぶら下がっているとイメージしてください。

IEは工場における改善・改革の土台になっている考え方・分析手法です。本講座は、IE実践講座シリーズにおける1つ目の講座です。IEの概論や全体像について学習を行ないます。まずは本講座でIEの全体像をしっかりと掴むようにしてください。

カイゼンベースの人材教育コンテンツ提供サービス

法人会員サービス

eラーニング学習の法人会員サービス法人会員サービスは、必要な時に必要な学習コンテンツを必要な分だけ学習できるサブスクリプション型eラーニングサービスです。

詳細はこちらから

個別コンテンツ学習

個別コンテンツ学習サービス個別コンテンツ学習サービスは、学習したい講座を1講座単体でお申し込みを頂くサービスです。法人会員サービスのお試しにも。

詳細はこちらから

オリジナルコンテンツ制作

オリジナルコンテンツ制作サービス多数のeラーニング学習講座のコンテンツ制作技術を活かし、企業におけるオリジナル動画のオーダーメイド制作を行なっております。

詳細はこちらから

カイゼンベースの研修・コンサルティング関連サービス

企業内研修

企業内研修サービス豊富な教育コンテンツを活かし、準オーダーメイド型、オーダーメイド型、パッケージ型実践研修を提供しております。

詳細はこちらから

工場改革コンサルティング

実践コンサルティングサービス沢山の教育コンテンツをベースに持つカイゼンベースだからこそできる新しい形の工場改革コンサルティングサービスを提供しています。

詳細はこちらから

人材教育体系構築支援

人材教育体系構築支援サービスどの職層に、何を、どのタイミングで学習させるのか、誰がどのように評価するのか等、貴社に合わせた教育体系構築を支援致します。

詳細はこちらから

カイゼンベースのeラーニングサービス
>人材教育を加速させる法人会員サービス

人材教育を加速させる法人会員サービス

年間120万人が利用中!ご利用ユーザー数No.1カイゼン情報サイト「カイゼンベース」。製造業を初めとした”現場”を持つ企業に欠かせない人材教育ツールとしてご活用頂いております。「忙しくて教育ができない」という悩みから脱却できます。

CTR IMG