動作研究の概要【IE実践講座 動作研究:第1章】

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動作研究は、方法研究に属する手法の1つです。あらゆる仕事には、必ず一番良いやり方があります。
本講義では、ただ漫然と現場を眺めるのではなく、一番良いやり方を追求する姿勢=モーション・マインドを持つために必要な知識について体系的に学んでいきます。
IE的視点でムダを見つける目を養い、ムダを取り除く過程を通して、人材育成と筋肉質な現場の構築を目指していきましょう。

i-003:動作研究の考え方と活用法
 第1章:動作研究の概要 ⇒このページはココ!
 第2章:動作経済の原則(会員限定公開)
 第3章:動作研究の進め方 ~両手作業分析~【法人向けサービスにて提供中
 第4章:動作研究の進め方 ~微動作分析(サーブリッグ分析)~【法人向けサービスにて提供中

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本講座の目次

目次です。本講座は全4章で学習を行ないます。

第1章:動作研究の概要
第2章:動作経済の原則
第3章:動作研究の進め方 ~両手作業分析~
第4章:動作研究の進め方 ~微動作分析(サーブリッグ分析)~

第1章学習スタート!

それでは、講義スタートです。
第1章の動作研究の概要について学習を進めていきましょう。

第1章では、動作研究とは何か、その概要と特徴などについて確認していきます。

第1章目次

第1章では、下記の順で学習を行ないます。

1. 動作研究とは
2. モーション・マインド(動作意識)の体得
3. 動作研究の活用シーン
4. 動作研究の種類と特徴
5. 第1章まとめ

1. 動作研究とは

それではまず、動作研究とは何か確認していきましょう。

動作研究は「方法研究に属する手法」の1つ

動作研究は、IEにおける「方法研究に属する手法」の1つとして位置付けられています。

本章では、動作研究とは何か、考え方や種類、活用のイメージについて確認していきます。

より合理的な動作を追求するための分析

動作研究とは、体の動きや目の動きを分析し、より合理的な動作を追求するための分析のことを言います。

動作研究では、

この動きにムダはないのか?
もっと楽に作業できないのか?
動作の違いによる時間の差はないのか?

こういったことを起点として、体の動きや目の動作を分析し、徹底的に合理化を進めていきます。

ここでワンポイントです。
動作研究は、一般的には、工程分析などにより問題として挙がってきた工程に対して、それをさらに詳細に分析するときに活用される分析手法です。
問題となるものをある程度明確にした上で、さらに細かく分析するために動作研究を活用するイメージです。

必ず「一番良いやり方がある」と考える

現場の作業は、一見すると同じやり方で行っているように見えても、作業者によって、あるいはその時々によって違うやり方で行われていることが多いものです。

色々なやり方がある場合、動作研究では必ず「一番良いやり方がある」と考えるのが基本となります。

つまり、ただ現場を漫然と眺めるのではなく、作業者の両手の使い方、体の動かし方、作業順序などを細かく観察し、一番良いやり方を追求する姿勢、モーション・マインドを持つことが不可欠となるのです。
さて、モーション・マインドという大事なキーワードが出てきました。

モーション・マインド(動作意識)とは

動作研究の狙いを一言で言うと、このモーション・マインド(動作意識)を養うことです。

モーション・マインドとは、動作の違いに気づく感性や心構えのことです。このマインドを上げることが動作研究の狙いでもあると言えるほど大事な視点となります。

一般に、人によって作業時間が違う時、志気(やる気)の差に注目されやすい傾向があります。「あの人はやる気がないから遅いんだ!」という議論になりがちです。

しかし、実際には動作の違いによる影響が大きいという事実があります。志気を高めることで一時的に作業時間の短縮になるかもしれません。

しかし、そもそもの動作の違いを改善しないことには、継続的な改善の成果を出すことはできません。モーション・マインドの視点を持ち、精神論で終わらせることなく、本質的な改善をすることが大切です。

モーション・マインドを持った人材をいかに増やしていくか

モーション・マインドを持ち、気付いてほしいことを挙げてみましょう。

  • 部品、材料、工具等のモノの置き場所、置き方が悪い
  • 足を踏み出す時、手を伸ばす時等に、身体部分の大きな動きが頻繁に見られる
  • 腰を曲げる等、作業姿勢が悪かったり、物を探す・選ぶ手間がかかっている
  • 部品、材料、工具等の取り置き、持ち替えが何度も発生している
  • その時々で作業手順が異なっている
  • 重い物を取り扱ったり、神経を使う作業をしていて疲労が溜まりやすい

これらのことに気付くことができないと、どんな悪い結果が起きるでしょうか?

  • 不良の発生
  • 生産性の低下
  • 在庫過多
  • 品質のバラツキ
  • 工数のバラツキ
  • 不安定なモノの流れ

などが発生します。

これらの様々な悪い結果を引き起こしてしまうため、モーション・マインドを持った人材をいかに増やしていくかは、非常に重要なテーマとなります。

2. モーション・マインド(動作意識)の体得

それでは次に、モーション・マインド(動作意識)の体得について、もう少し詳しく確認していきましょう。

現場の作業を漫然と眺めていてはいけない

現場監督者やリーダーは、現場の作業を漫然と眺めていてはいけません。

モーション・マインド(動作意識)を持ち、「作業者の両手の使い方」「体の動かし方」「作業の進め方」等の細かいステップに区切って観察し、その中に潜むムダ、ムラ、ムリを発見する姿勢を体に染み付かせることが必要不可欠です。

正しい考え方と手順を踏み、最良のやり方を追求し、それを行うことが出来るスキルを身に付けていくことが求められます。

4つのモーション・マインド(動作意識)

現場監督者やリーダーは、4つのモーション・マインド(動作意識)を体得するようにしましょう。

1つ目は、まずは動作の違いに気付くことです。

2つ目は、動作を正しく分析し、どこに違いがあるか見つけ出すことです。

3つ目は、動作の違いを明らかにし、良い動作を判断することです。

4つ目は、良い動作を設計することです。

これら4つがモーションマインドの大切な視点ですが、まずは対象となる作業や業務をよく観察し、動作のムダムラムリに敏感に気付く力が非常に大事だと覚えておきましょう。

モーション・マインドを持ち本当の意味で仕事をカイゼンする

そして、作業の中における本当に重要なこと、つまり、価値ある動作を見極めることができないと、安易な改善しかできません!

  • 事実や数値データに価値を置くこと
  • 事実や数値データに基づいて考える・報告する・話し合うこと
  • 目の前の問題が発生している真の原因をつかむこと

モーション・マインドを持ち、これら当たり前のことを着実に継続していくことだけが、“本当の意味で仕事をカイゼンする”ということを念頭に動作分析を行っていきましょう。

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3. 動作研究の活用シーン

それでは次に、動作研究の活用シーンについて確認していきます。

こんな時には動作研究を使おう!

動作研究は、次のようなシーンで活用されます。

  • 動作の問題点を見つけ改善したい時
  • 治工具や作業域内の配置を改善したい時
  • 標準時間を設定したい時
  • モーション・マインドを養いたい時(人材育成)

それぞれ詳細を確認していきましょう。

動作の問題点を見つけ改善したい時

まずは、「動作の問題点を見つけ改善したい時」についてです。

動作研究による改善では、「ハタラキヤスク」の視点が大切です。

ハタラキヤスクとは、

ハ・・・早く
タ・・・正しく
ラ・・・楽に
キ・・・きれいに
ヤスク・・・安く

のことを指します。

まずは動作経済の原則を踏まえて動作研究を行い、楽に作業をすることを考えます。楽に作業ができるようになれば、正しく早く、そしてきれいに作業ができるようになります。結果として、安く製品をつくることに繋がるのです。

動作経済の原則については、第2章で詳細を学びます。

治工具や作業域内の配置を改善したい時

次に、「治工具や作業域内の配置を改善したい時」についてです。

仕事において、一番高価なツールは何だか分かりますか?

それは人の手です。どんなツールよりも人の手が一番高価なのです。

一番高価なツールである手が、手待ちになっている、保持しているだけなのは非常にもったいないことですよね。
この高価なツールを付加価値の高い作業へ集中させるために治工具の活用・各種配置の最適化が必須となります。

そのためにも、「動作経済の原則」を考慮し、人の手にしかできないことに集中するための作業設計を行うことが大切です。

標準時間を設定したい時

次に、「標準時間を設定したい時」です。

例えば、AさんとBさん、2人の作業者がいるとします。Aさんは仕事が遅く、Bさんは仕事が早い時、

「Aさんはのんびり屋さんだから仕方がないなぁ。」なんて言っている管理者は失格です。

すぐに管理者から降りてください。違いを放置するのではなく、近づけるためにどんなアプローチをしていくかを考えるのが管理者の仕事です。

どの仕事はどのくらいの時間で行うのが標準なのか、これを動作研究を活用し設定することで、遅い人に対して的確な指導ができるようになります。そのためにも、動作研究の考え方の活用は必要となるのです。

モーション・マインドを養いたい時(人材育成)

最後に、「モーション・マインドを養いたい時(人材育成)」です。

「あれ?工程の状態に何だか違和感があるぞ?何か異常が起きているかも。」

このように、“異常に気付ける人材”は、モーション・マインドを持っています。異常に気付くことができる人が増えれば、改善はどんどん進んでいきますよね。

改善の入り口は、異常や問題に気付くことです。異常や問題に気付ける人材を育てるためにも、モーション・マインドを持つ人材を育てることが大切です。

以上の4つが動作研究の活用シーン、活用目的となります。

4. 動作研究の種類と特徴

それでは次に、動作研究の種類と特徴について確認しましょう。

2つの代表的な分析手法

動作研究における2つの代表的な分析手法があります。

それは、両手作業分析と微動作分析です。微動作分析は、サーブリッグ分析とも呼びます。

両手作業分析は、動作レベルで分析を行います。
作業者の右手と左手の動作の内容と順序をつかんで、問題点を見つけていきます。
サーブリッグ分析より粗い分析となりますが、目視で分析できるので、比較的手軽に活用できることが特徴です。

微動作分析(サーブリッグ分析)は、微動作レベルで分析を行います。
作業者の右手と左手を中心とした18種類の基本的な動作要素を使い、作業を詳細に分析していきます。
両手作業分析より細かい分析ができますが、詳細に分析ができる分だけ手間と時間が掛かかってしまうという特徴があります。

どちらも動作研究の手法ですが、分析の細かさに違いがあります。
2つの使い分けとしては、両手作業分析で大まかに分析を行い、サーブリッグ分析で詳細分析を行うというイメージです。
両方のメリットを上手く活用すると効果的と覚えておきましょう。

高速動画等のITツールを上手く活用しよう!

なお、動作研究では、体の動きを細かく観察していきます。

その際、目視だけでは、正確な分析や繰返しの観察ができないこともあります。

従って、通常の動画や高速動画等のITツールを上手く活用していきましょう。観察の方法に関しては、「時間研究の考え方と活用法」の講座で詳細の学習を行います。

5. 第1章まとめ

最後に、第1章のまとめをしましょう。
第1問、動作研究とは何でしょうか。
体の動きや目の動きを分析し、より合理的な動作を追求するための分析のことです。
第2問、モーション・マインド(動作意識)とは何でしょうか。
動作の違いに気づく感性や心構えのことです。
第3問、4つのモーション・マインドとは何でしょうか。
・動作の違いに気付く
・動作を正しく分析し、どこに違いがあるか見つけ出す
・動作の違いを明らかにし、良い動作を判断する
・良い動作を設計する
という4つを指します。
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講義完了!

以上で、「第1章:動作研究の概要」の講義を終わります。引き続き、「第2章:動作経済の原則」の学習に進みましょう。
参考文献はこちら。
この講座が、あなたの今後の活動に役立つことを、心から願っています。それではまた次の講義でお会いしましょう。

全章の学習は法人向けサービスにて提供中!

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動作研究は、方法研究に属する手法の1つです。あらゆる仕事には、必ず一番良いやり方があります。
本講義では、ただ漫然と現場を眺めるのではなく、一番良いやり方を追求する姿勢=モーション・マインドを持つために必要な知識について体系的に学んでいきます。
IE的視点でムダを見つける目を養い、ムダを取り除く過程を通して、人材育成と筋肉質な現場の構築を目指していきましょう。

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