ヒューマンエラー防止の基礎講座

ヒューマンエラーとは【基本を学ぶ!ヒューマンエラー防止の基礎講座:第1章】

人間はどのようなメカニズムでヒューマンエラーを発生させてしまうのか、どのような対策をおこなったらよいのか等を解説しています。

第1章:ヒューマンエラーとは

第1章:ヒューマンエラーとは 目次

  1. ヒューマンエラーの定義と考え方
  2. 人間が持つ基本特性
  3. ヒューマンエラーの要因と3つの防止フェーズ
  4. 第1章まとめ

動画講義

この講座の狙い

第1章:ヒューマンエラーとは-スライド3

まずは、この講座の狙いを確認しましょう。

ヒューマンエラーは、錯視、錯聴、勘違い、心理的な側面等から発生するものがたくさんあります。
この講座では、このような人間の特性をしっかりと理解し、ヒューマンエラーをゼロに近づけるためにはどうしたらよいかを説明します。

優先順位は、安全、品質、納期、生産性の順番であることは、あらゆる会社で不変です。ただし一方で、生産性を上げるとエラーやミスが増えるわけではありません。
生産性を上げながら安全・品質・納期のレベルも上げる、そのための基礎知識と実践方法を学習していきましょう。

目次第1章:ヒューマンエラーとは-スライド6

第1章では、4つの項目を説明します。

1.ヒューマンエラーの定義と考え方
2.人間が持つ基本特性
3.ヒューマンエラーの要因と3つの防止フェーズ
4.第1章まとめ

1.ヒューマンエラーの定義と考え方

そもそも安全とは何か?第1章:ヒューマンエラーとは-スライド8

まず、ヒューマンエラーを定義する前に、そもそも安全とは何かを明確にしないといけません。

実は、少し意外に感じるかもしれませんが、完全な安全というものは存在しません。

存在するのは、許容できるリスクレベルに対して、危険が十分に小さい状態です。

しかも、この危険の状態は、日々刻々と変動します。

イメージ図で見てみましょう。

あるシステムXが許容できるリスクレベルが青の点線であると仮定しましょう。
その時、危険がピンクの実線の状態で変動しているとします。

この状態は、許容できるリスクに対して危険が十分に小さい状態のため、安全な状態と言えます。

絶対的な安全は存在しない第1章:ヒューマンエラーとは-スライド9

一方で、システムYが許容できるリスクレベルがこの青の点線の場合を見てみましょう。

この時は、危険が全く同じだったとしても、許容できるリスクに対しては大きい状態であり、安全ではないということになります。

このように、絶対的な安全というのは、存在しません。

システムが許容できるリスクレベルと危険状態の関係から安全レベルは決まってくるのです。

ヒューマンエラーの定義第1章:ヒューマンエラーとは-スライド10

では、ヒューマンエラーの定義です。

ヒューマンエラーとは、「システムによって決められた許容限界を超える人間行動の集合」と定義されています。

ヒューマンエラーは、すべきことが決まっているときにすべきことをしない時、あるいは、すべきでないことをすることで発生します。

ヒューマンエラー撲滅のためには第1章:ヒューマンエラーとは-スライド11

イメージ図で描くと、このようになります。

本来すべきことと、実際にしたことのギャップ、ミスマッチが、ヒューマンエラー、失敗、ミスとなります。
また、人間の行動、例えば作業精度にもバラツキがあり、このバラツキがシステムの許容範囲を超えてしまってもヒューマンエラーとなります。

ヒューマンエラー撲滅の方策は大きく2つ
・システムの許容範囲を広げる対策を行なうこと
・作業精度のバラツキを小さくすること

2.人間が持つ基本特性

人間の3つの側面第1章:ヒューマンエラーとは-スライド13

人間は、カタカナの「ヒト」、漢字の「人」、そして「人間」という、3つの側面を持っています。

カタカナの「ヒト」は、生物としてのヒトのことで強度的に大きな機能をもっていません。

漢字の「人」は、心をもった個人で、知恵や記憶力を持ち義理人情で生きる動物のことです。

そして「人間」は、本音と建前を使い分ける、社会的存在のことです。

このような人間は、ヒューマンエラーを起こす色々な特性を持っています。

人間の記憶はいい加減です。
人間は、時には省略や手抜きをします。
人間は思い込みをします。
人間は自分が見たいものだけしか見えないことがあります。

弱い特性を沢山持っている第1章:ヒューマンエラーとは-スライド14

その他にも、色々な弱い面があります。確認していきましょう。

例えば、
・人は間違えることがあります。
・忘れることがあります。
・思い込みをすることがあります。
・気が付かないことがあります。
・ついウッカリがあります。
・先を急ぐことがあります。
・感情に走ることがあります。
・1つしか見えないこと、1つしか考えられないことがあります。
・不注意の瞬間があります。
・時には横着をする時があります。
・人の見ていない時に違反をすることがあります。
・状況によっては、パニックになることがあります。

ヒューマンエラーを理解するためには、まずは、この人間の弱い特性をそのまま受け入れることが必要です。

そして、これらのことを十分に認識したうえでヒューマンエラーというものを考えていかない限り、いつまで経っても精神論の議論から抜け出すことは出来ません。

この文章、読めませんか?第1章:ヒューマンエラーとは-スライド15

ここで、人間の便利すぎる機能を知るために、この文章を読んでみてください。

少しおかしい部分がありますが、じっくりとではなく、流し読みをしてみましょう。

・・・

いかがでしょうか?意味を理解することが出来ましたか?

正しい文章はこちら第1章:ヒューマンエラーとは-スライド16

恐らく、ほとんどの方は、ちゃんと読めて意味も理解できたと思います。

融通が利き過ぎる第1章:ヒューマンエラーとは-スライド17

このように、人間の脳には、「文字が入れ替わっていても、過去の経験や記憶から意味を理解できる」という便利な機能が備わっています。

しかし、この間違った文章の意味が理解できてしまうことは、逆に、誤った解釈をしてしまうことが、たまに発生することを意味しています。

人間は「融通が利き過ぎる」ことが、思わぬエラーを引き起こす可能性があるということもしっかりと覚えておきましょう。

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